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カブシキ!

  • 2015/03/22(日)
  • 臆病者のための億万長者入門 橘玲

    電子書籍で購入。

    橘玲氏のブログより。
    タイトルは「億万長者入門」ですが、億万長者になる方法が書いてあるわけではありません。
    アメリカやヨーロッパ、日本のようなゆたかな国は、人類史上はじめて「誰でも億万長者になれる社会」を実現しました。それは同時に、貧乏が自己責任を問われる“残酷な世界”でもあります。

    そんな「ゆたかで残酷な日本」でどのように経済的な土台(インフラストラクチャー)を築いていけばいいのか、というのが本書のテーマです。

    本書は、2013年4月から14年1月まで『週刊文春』に連載した「臆病者のための資産運用入門」をベースに、加筆・再構成のうえ1冊にまとめたものです。株式投資、保険、不動産、外国為替(FX)などについてこれまで述べてきたことと趣旨は同じですが、これは、市場は日々刻々変化するとしても原理は不変で、長期的には(市場原理による)正しい場所へと収斂していくはずだからです。

    連載をまとめることのメリットは、過去の記述を検証できることです。


    臆病者の億万長者入門橘玲


    氏が述べるように、過去の連載を一冊の本にまとめることで、過去の記事を検証しているのが本書の特徴です。
    週刊文春に書いた記事は、結構な確率で未来に起こるだろうことを予想し、的中させています。
    決して、まぐれで当たったわけではなく、非常に論理的に、しかしわかりやすく教えてくれる本です。

    もう何年も前から聞き飽きるくらい言っている橘玲節が随所に散りばめられた本です。
    改めて読むとまた新しい発見があり、付箋を打ちながら、感心しながら読みました。

    備忘録的に箇条書きに。

    資産運用の4月の原則
    1.確実に儲かる話あなたのところには絶対に来ない。
    2.誰も他人のお金のことを真剣に考えたりしない。
    3.誰も本当のことを教えてはくれない。
    4.自分の資産は自分で守るしかない。



    当たり前なんです。普通に考えれば、上記の4つは当たり前ってわかるんですが、、
    お金のことになると、「自分だけは特別な存在だ。」とか「儲かる話を自分だけが知っている。」とか、世の中で一番大切な自分を特別扱いしてしまうことが多いことを教えてくれます。

    投資のおいて最も大事なのは、損をしないことではなく騙されないこと。誰も本当のことを教えてくれず、誰もが自分の資産を(他人から奪ってでも)増やそうとするこの社会では、自分の資産は自分で守るしかないのです。

    株価は、将来の一株あたりの利益の総額を現在価値に換算したものである。

    株式市場は私達が思っているよりも効率的で、日本企業の利益が上がらなければ(PERが下がらなければ)市場の裁定は必ずやってくる。それがいつかは「神のみぞ知る」としても--。(『週刊文春』2013年5月30日号)


    ここでは、株価が決定される仕組みをわかりやすく説明し、この連載の時点で日経平均株価が(PERの観点からみて)高すぎることを教えてくれます。
    2013年5月30日号の週刊文春で、日経平均株価が一日で1143円28銭以上暴落した 2013/5/23の相場を予言しています。
    その時の日経平均株価が、14483円でした。

    わたしがこの記事を書いている2014年6月27日時点での日経平均株価が、15,095円です。
    日経平均株価はまだまだ高すぎる状況にあると言えます。
    さて、次の暴落はいつ来るのでしょうか。神のみぞ知るのです。

    多数の要素同士の関係が錯綜する複雑系の世界は計算の限界を超えていて、確率的にですら未来を予測することは不可能なのだ。



    これは、株価の動きが、正規分布を示すのではなく、ロングテールのような複雑系の動きをするので、しばしば起こる暴騰や暴落は、全く予想できないことを示しています。
    100年に一度と言われるような暴落が何年かおきにやってくるようないまの相場では、株価は複雑系の動きをすると認識して、暴騰や暴落がいつやってきても良いように備えておくことが大事なようです。。

    株式市場が右肩上がりなら、平均的にはほとんどの投資家がプラスの成績を残せるはずだ。しかし不思議なことに、投資家の損得を調べてみると半分以上が損していたりする。長期で持っていれば儲かったのに短期で売ってしまったり、値動きの大きい株に賭けて、思惑が外れて大損したりしているからだ。
    こんなとき株式投資の専門家は、「値上がりした株を長く保有し、値下がりした株は素早く損切りすればいい」という。でもこれは単なる結果論で、どの株が上がってどれが下落するか予めわかるのなら誰も苦労しない。


    利益はさっさと確定してしまいたい、値下がりすると、自分の予想が外れてしまったこを認められずにダラダラと保有してしまい、塩漬け化してしまう。という投資家は多いのです。これを人類の進化の過程で身につけた、「利益を過小評価し、損益を過大評価してまう。人間は出来るだけ損を認めないようにして、進化してきた」と説明し、なぜ多くのひとが株式市場で勝てないかを教えてくれます。
    損と得を同じように評価できるなら、今よりもずっと的確に売買のタイミングを判断できるはずだと思います。


    名目レートに比べて、実質レートが大きく変動しないのは、市場の裁定によって為替レートがモノの値段を同じにしているからだ。これが「購買力平価説」で、日銀の統計データはその正しさを証明している。もちろん日銀は今が「超円安」だとは口が裂けても言わないだろうが


    アベノミクスの結果で、1ドル=100円の時期が相当長くなってきました。われわれは、わずか数年前は1ドル=80円であったことを忘れ、今の為替レートが当たり前だと思っています。冷静に考えれば、いまはものすごい円安です。
    市場の歪みには、いつか裁定が訪れます。それがいつかは、もちろん神のみぞ知るです。
    わたしたちが、備えておかなければならないのは、いつ円安が解消されても資産を守ることができるような、ポジションをとっておくことです。
    たとえば、FXで米ドル売のポジションをとっておくなどの「保険」は必要でしょう。


    収益還元法を知っていると、家を借りるときにとても役に立つ。
    分譲マンションの賃貸では、同じ地区の同程度の物件がいくらで売買されているを先に調べておく。それが仮に2400万円だとしたら収益還元法から適正家賃は年間120万円(2400万円x 5%)だと判断できる。月額家賃が10万円以下なら割安、それ以上なら割高だ。



    簡単な計算だが、とても有益だと思います。
    わたしは賃貸住宅に住んでいますが、この方法で計算するとかなり割安な家賃で住ませてもらっているなあと感心します。


    不動産投資というのは、「インサイダーマーケット」であり、素人がいきなり参加して、まぐれで利益を挙げられるような世界ではない。不動産投資のノウハウというのは、結局のところ「いかにしてインサイダーになるか」ということに尽きるのだ。



    わたしはいまだに不動産投資に手を出せていません。これはいまだにインサイダーに成れていないことが原因です。
    わたしたちがネットで調べて出てくるような投資用物件の情報は、インサイダーが見向きもしない、ゴミ物件だけです。不動産投資とは、いかにしてインサイダー情報を手に入れるかなのです。
    これとは逆に、株式投資などはオープンマーケットで、すべての参加者に平等に情報と条件が与えられて、個人が自由に利益を求められるマーケットなのです。だからわたしは株式投資を好むのだと思います。



    この本が教えてくれる事実は、冷静になって考えれば、ある程度未来は予想できるということ。もちろん予想できないこともありますが、現在ある情報を駆使してある程度の未来は知っておくことができるようです。その時に備えて、他人に騙されないように準備して、自分の資産を守ることができれば、誰でも億万長者になれる可能性があるということが、この本のメッセージと受け取りました。


    2015/03/22 追記
    2014年6月に書いたこの記事を、9ヶ月後の2015年3月に再読してみました。
    そして、本書をもう一度読んでみて、感じたこと、付箋を打ったところを挙げます。

    証券会社の営業マンが高野山の高僧をチヤホヤしたのは、社会的な地位の高い傲慢な客ほど簡単に騙せることを知っているからだ。

    これは、高野山の高僧が証券会社の営業マンの言うがままに30億円をリスク商品に投資して、2011年に15億円の含み損を抱えたという、事実を書いた部分です。
    高僧は自分が世界の中心だと思っており、これを証券会社の営業マンは簡単に騙しました。営業マンはノーリスクで、大きな手数料を得たのです。
    世の中には、お金を持っている無知な人物が沢山居ます。われわれ零細投資家は、無知な人物になってはいけません。
    知識だけは常に身につけておいて、投資の機会がくれば大きく張れるように準備しておくのです。

    そして、投資の機会は決して向こうからやって来ません。自分で探すしか無いのです。


    「いつ買うか、今でしょ」

    ノーベル経済学賞を受賞した経済学者が考えた、株を買うタイミングです。
    身も蓋も無い話ですが、今が買い時なのです。


    歴史上、制御不能のインフレによって悲惨なことが起きた事例は枚挙に暇がないが、中央銀行が人工的にマイルドなインフレを創りだして景気を良くしたケースはまだ無い。黒田日銀の『異次元緩和』が壮大な社会実験と言われる所以だ。

    黒田日銀の政策は壮大な社会実験のようです。
    この記事を書いている2015年3月22日現在、日経平均株価が19500円を超えて、20000円に達しようとしています。

    2014年5月にこの本を読んだ時の日経平均株価が15000円ですから、その時点からさらに5000円近くも日経平均株価が上昇したことになります。

    実態も無いのに、日経平均株価だけがジワジワと上昇している2015年3月22日現在の日本経済は異常と言えるのでしょう。
    いつか暴落がくることは間違いないですが、日経平均は20000円を超えてもっと成長しそうな気もします。

    さて、いつ持ち株を売ってキャッシュポジションを増やすのか。このタイミングを見計ることがわたしの長期投資家としての腕の見せどころのようです。

  • 2014/11/25(火)
  • お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ

    電子書籍で購入。
    黄金の羽根の拾い方2015橘玲

    橘玲です。
    ベストセラーになった、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」を、12年ぶりに改定し、その時の記載は10年たった今も正しいのかを検証することを目的として書かれています。
    なので、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」の文章をそのまま転載し、それに対して橘玲氏がコメントを入れる形で書かれています。

    わたしの大好きな、橘玲氏の作品ですので、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」はもちろん読み込んでいますし、この12年間の氏の作品も全て読んでいます。
    ベストセラーから12年経って、氏の主張がどのように変わったのか、また変わらなかったのか、興味深く読みました。
    付箋を打ったところを箇条書きに。

    ・ 構造的な歪みはいつか必ず顕在化する。



    これは、氏が35歳まで努めていた出版業界を内情を暴露した箇所の最後に書いてあった言葉です。
    出版業界には構造的な歪みがあり、これが出版業界の自由競争を妨げているとのこと。そして氏の予言通り、出版業界は衰退の一途をたどることになります。
    医療業界にも構造的な歪みはあります。
    生活保護受給者が世界一手厚い医療をタダで受けている現状や、どんなに高い薬を使っても高額医療費制度で払うべき額の上限が決まっていることとか。このような歪みもいつかは顕在化して、制度そのものが無くなってしまうでしょう。

    ・ 橘玲氏にとって会社はキャリアを積むための道具で、会社は橘玲氏の人的資本に利用価値があるから給料を払っているのだ



    これは非常にドライな考え方ですが、氏の会社に対する考え方が凝縮されています。もしあなたに1億円の価値があるとして、あなたという人的資本を一年間会社に預けると5%の年利が得られるとします。1億円の5%ですので、500万円。これがあなたの年収になるということです。
    この考え方は目からウロコでした。まさか自分自身が資本で、それを病院に預けることで給料をもらっているなんて考えたことも無かったからです。このようにドライに考えると、世の中のことは全て、投資に対するリターンということで説明がついてしまいます。
    「誰が誰にいくら貸していて、その対価としていくらの利息を受け取っているか」という風に考えると世の中のことが全て数値化して考えること出来ます。

    ・ 世の中のにはきわめて知性が高く、それと同時に「楽して金儲けしたい」「額に汗して働くなんて真っ平だ」と思っているひとがいる。それも、ものすごくたくさん。



    わたしも楽して金儲けしたいと考えています(笑)
    世の中、そんなひとばっかりでしょ?
    金融業界というのは、本質的にはマネーゲームですので、その特殊性がこのような楽して金儲けしたい人たちを惹きつけます。

    ・ 「成功した人しか本を書かない」



    生き残りバイアスですね。わたしもいままで数々の金持ち本を読んできましたが、その全てが成功者によって書かれた本です。失敗した人たちは本を書く機会もありません。
    本を読むときには生き残りバイアスを考えながら読まないといけません。

    ・法人名義でカーリースをすると、無条件で経費にできる。



    ・(法人化のメリットで)生活費を法人に移転した分だけ家計簿に余裕ができたわけですが、ではこのお金はどうすればいいのでしょうか。正解は「自分の法人に貸し付ける」です。




    ・ 東京都某区の創業支援融資斡旋制度の概要
    融資金利 年0.4%
    融資の上限 1000万円(運転資金は600万円)
    返済期間: 7年
    融資条件: 開業後1年未満(創業前を含む)同一事業に3年以上勤務し、同一事業で開業すること。
    自治体が指定する中小企業診断士の推薦を受けること
    融資は自治体が指定する地域内の金融機関から行われる(金融機関の融資金利は年2.2%)

    これを要約すると、区内に法人登記しただけでまだ事業を始めてもいない、なんの実績もない人間に無担保で1000万円貸してくれるという制度です。年利は0.4%ですので、一年間に払う利息は4万円だけです。
    融資は金融機関から本人宛に行われます。融資金利は2.2%ですが、本人負担は年0.4%で、差額の年1.8%は自治体から金融機関に支払われます




    創業支援融資斡旋制度の実際を教えてくれます。自治体が主催する制度には、こんなに有利なものがあって、これから事業を始めようとするひとは、このような超有利な制度を利用しない手はありません。
    年利0.4%で1000万円も貸してくれるところなんて、まずないです。

    ・ 経済的に成功するには、経済合理的で無くてはならない。国家は神聖なものでも、崇拝や愛情の対象でもなく、人生を最適設計するための道具だ。



    国家も会社もただの制度あり、それを利用し、経済合理的に行動した人に成功がやってくるという考え方です。
    運転免許だって、医師免許だって、すべてただの道具であり、それを使う人によって、いくらでも経済合理的な成果をあげることができるのです。
    大事なのは、常に経済合理的に行動することです。


    2018/08/16 追記
    2回目の読了。

    3年の時を経て読んでみましたがやはりまだまだ通用する内容でした。

    これは氏の主張が時を経ても色褪せないで、生き残っていることを証明します。
    言っていることが正しいから、生き残っている。

    2回目で印象に残ったところを箇条書き。


    構造的な歪みはいつか必ず顕在化する



    2002年に橘玲氏は出版業界の「歪み」について書きました。
    それは顕在化し、出版業界はいまや斜陽産業のひとつです。
    この10年でさらに電子書籍が成熟してきており、この流れは次の10年で取り返しのつかないものとなるでしょう。

    いろんな業界にこのような変化が訪れると思います。
    医療業界も多分に漏れないでしょう。

    私はやがて、世の中にはきわめて知性が高く、それと同時に「楽して金儲けしたい」「額にあせして働くなんてまっぴらだ」と思っているひとがいるという事実に気が付きました。
    それもものすごくたくさん。



    3年前に読んだときにも付箋を打ちました。
    世の中には上記のように考えているひとがたくさん居るのですが、実行に移せるひとはその1%にも到達しないでしょう。
    頭では成功のイメージができていても、実際に行動に移すのはとてもむずかしいのです。

    専業主婦になるのは3億円をドブに捨てるのと同じ



    この記載の部分は別の本になりました。

    資産運用の常識



    2002年版の黄金の羽根では、「非常識の常識」と名付けられました。
    投資をしないのが最高の投資 → 2000年台の失われた時代は、あとから振り返ると投資をせずに現金を持っておくことが一番効率の良い投資でした。

    バブル崩壊で日本人は豊かになった → バブル崩壊で企業の利益は悪化したが、個人の給料は下がらなかった。つまり国家や企業の富が個人に流出したことは明らか。それで日本人は(ブルーカラーほど)豊かになったのです。

    日本人は大きなリスクをとってきた → 住宅ローンや生命保険、大きなリスクのある商品をなんの疑いもなく購入してきた日本人は、大のギャンブル好きという考察。

    不動産を買ったら、資産運用は積み → 普通のひとにとって、年収の何倍もの住宅ローンを組んだ時点でそれ以上の身動きはできなくなります。つまり、積みです。

    長期投資が成功するとはかぎらない → 右肩上がりに株価が増えていた70から90年代にアメリカで唱えられた理論。もちろん現代に通用するかしないかは、未来になってみないとわからない。

    資産運用の専門家は資産運用理論を無視している → 現代ポートフォリオ理論では、株価はランダムに動くので未来を予測することが原理的に不可能であることを教えてくれます。結局インデックスに投資するのが、確率的には一番勝てるであろう投資方法になります。

    経済学者の予想は当たらない → ランダムに動く未来を予想できないのは、すこし考えればわかります。

    適正株価は誰にもわからない → PER PBR ROE いろいろな指標がありますが、つまるところ株価は予想できないことが証明されています。

    チャートで未来は予測できない → 当たり前です。

    短期投資は最高のギャンブル → ギャンブルとは予想不可能な未来に資産を賭けることですから、短期投資は寺銭の安い、上限のないギャンブルといえるでしょう。




    マイホームの購入は大きな不動産投資で、住宅ローンを組むのは不動産にレバレッジをかけることだ



    住宅ローンを組んでいるのに、自分は借金をしていないと真顔で答えるのはやめよう。



    「帰属家賃」



    マイホームを持っている人は、自分自身に毎月家賃を払っていると考えることができます。
    この帰属家賃を考えることで、マイホームと賃貸どちらが有利かを感情を抜きにして考えることができます。

    制度の歪みは年金や健康保険が破綻するまで続くことになるのです。



    大きすぎて潰せない制度。これに責任をとるひとはいませんので、制度が破綻するまでつづくのでしょう。
    沈むことがわかっている船に乗り続けるのは得策ではないでしょう。


    法人成りした自営業者は、法人と個人に自由に所得を分配できる立場にあれば同じ所得であるにもかかわらず、この税率の差異を利用して合法的に税額を減らすことができます。



    法人をいう「人格」を利用して、合法的に税金を減らすことができます。
    この制度を利用できるようになるには、ある程度の収入が必要です。

    個人資産を法人名義で運用



    このレベルになれれば、資産は加速度的に増えていきます。

    税制の歪みは、黄金の羽根が恒久的に落ちてくることを教えてくれます。



    黄金の羽根はみんなが気が付かないような場所にあります。




    規制を強化すれば社会はよくなるという誤解



    消費者金融の規制強化のように、規制から排除されたひとは、ヤミ金に走るしかなくなります。
    消費者を保護するには、上限金利を撤廃してすべての業者を管理下に置かないといけませんが、原理的に不可能です。
    ならば、規制をなくしてしまい、自由に金利を設定できる世の中にすればよいのです。こればリバタリアンの考え方です。


    最後に

    経済的に成功するためには、経済合理的でなくてはならない。国家は神聖なものでも、崇拝や愛情の対象でもなく、人生を最適設計するための道具だ。



    国家を道具として利用して、その歪みの中で生きていくというのは、今後も避けられないでしょう。
    だったら徹底的に国家を利用して、その黄金の羽根を享受していけばよいのです。

    何年たっても、真理です。

  • 2014/07/29(火)
  • バカが多いのには理由がある 橘玲

    バカが多いのには理由がある

    橘玲氏の新刊です。
    といっても、週刊プレイボーイに連載している「そーだったのか!?真実のニッポン」をまとめたもので、その連載は毎週読んでいるので、既読の内容でした。

    毎回1200文字程度の連載を、順番を並べ替えて、さらに前後にPrologueとEpilogueを加えています。
    すると、不思議と連載たちに一貫性が生まれて、きちっと一冊の本として筋が通ってしまいます。さすが橘玲氏です。
    既読の内容でも、楽しく読めました。

    Prologueからつづく文章は60ページくらいあり、読み応えのある内容です。主に政治についての内容ですが、そのなかからとくに面白かった、「狂信はどのように生まれるのか」という部分について記しておきます。

    ひとりの若者に登場してもらいましょう。
    地方都市の公務員の家に生まれ地元の高校に進んだ彼は、才能はあるものの学校に馴染めず退学してしまいます。そのとき父親が急逝したため、彼は保険金の一部を相続して上京し、大検での大学入学を目指しますが志望校にはひとつも合格できませんでした。自分では有名大学のどれかには入れると思っていたので、彼は強い挫折を味わいます。
    それから2年ほどは予備校に籍をおきながら秋葉原のAKB48劇場に通い詰める気ままな生活をしていましたが、まじめに勉強することはなく蓄えも底をつき、ドロップアウトしてフリーター生活を始めます。最初は派遣で働き、居酒屋の店員になり、家賃が払えなくなってネットカフェに寝泊まりしながら日雇い仕事も体験します。
    この頃から、彼の様子が変わっていきます。
    最初はブラック企業を糾弾する市民運動に顔を出しますが、ネオリベ批判には共鳴できたものの、従軍慰安婦問題をめぐって口論になり追い出されます。彼はずっと、韓国が歴史問題で一方的に日本を批判することに腹を立てていましたが、市民運動の活動家たちは、「日本が朝鮮半島を植民地にしたから悪いのだ」というのです。
    中学校のときに「きむ」という名の生徒がクラスにいたので、彼も在日朝鮮・韓国人の存在は知っていました。「きむ」は無口でいつもいじめられていたので、彼はかわいそうに思っていました。そんなある日、彼は新宿のハローワークに行こうとしてハングル文字の看板がずらりと並んだ一角に迷い込みます。それまで彼は、日本の中にこんな街があることを知らなかったので驚愕しました。まるで日本が外国人に乗っ取られたかのようです。
    それから彼はインターネットを検索して情報を集め、在日朝鮮・韓国人がさまざまな特権を享受していることを知ります。これに危機感を覚えた彼はネットの掲示板などに大量の投稿を繰り返すようになり、いつしかその世界ではカリスマと呼ばれるようになっていきました・・・。
    在特会の活動に参加する若者のありきたり話だと思うでしょうが、実はこれはある有名な人物の自伝を翻案したものです。時代は1890年台、場所はオーストリアの首都ウィーンでした。自伝のタイトルは「わが闘争」、書いたのはアドルフ・ヒトラーです。



    この文章が秀逸なのは、狂信が生まれた背景を現代の日本に焼き直してとてもわかり易く示してくれることです。
    いつの時代にも狂信は生まれる可能性を秘めており、民族問題は根本的には解決不可能であることを教えてくれます。我々が朝鮮・韓国人を嫌ってしまうのも、本能でありDNAに刻まれた「自分の民族を愛し、それ以外を嫌う」習性にほかならないのです。
    その本質は、ユダヤ人を糾弾したヒトラーの心理と何ら変わらないのです。

    この文章のあとに、週刊プレイボーイの連載が並んでいます。日本人の特性をうまく表現して、それらの問題が根本的にはDNAに刻まれた本能であることを、氏は教えてくれます。

    前作よりもパワーアップして、面白い文章になっています。



    1狂信はどのように生まれるのか (2)
    2狂信はどのように生まれるのか (3)
    3狂信はどのように生まれるのか (1)

  • 2014/06/11(水)
  • タックスヘイヴン 橘玲

    タックスヘイブン橘玲


    永遠の旅行者

    マネーロンダリング

    2010年に上記2つの長編小説を読み、橘玲氏は長編小説も面白いなあという感想を書きました。

    それから4年の時を経て、氏がリリースした、タックスヘイヴン。
    面白くないはずはありません。

    シンガポールでもっとも成功した日本人金融コンサルタント北川がホテルから墜落死した。死んだ北川の妻・紫帆は現地に、高校の同級生・牧島とシンガポールへ赴く。紫帆はそこで北川の現地妻と息子の存在を知る。北川は1000億円を扱うファンドマネージャーだったが、政治家や会社社長など、数々の顧客のプライベートバンクの口座に10億円、50億円規模で穴を開けていた。背後に見え隠れする、日本の首領が仕組んだブラジルへの原子力発電施設輸出計画とそれを見込んだファンドとその失敗。紫帆と大物政治家の過去。大物フィクサーの影と蠢く謎の仕手グループ。そして起こった大物政治家秘書の暗殺。北川の死は自殺か、それとも殺人か? 口座から消えた巨額の資金は、どこへ送られたのか!?

    物語は、日本、シンガポールなどを舞台に、高校時代の同級生でである紫帆と牧島を中心に回っていきます。
    そして、この小説で一番かっこいい存在が、紫帆と牧島の同級生である古波蔵佑(こはぐらたすく)です。
    金融ゴロみたいな仕事をしていますが、ブランド物の服を着こなし、ティアードロップのサングラスをかけています。

    小説のはじめに登場する古波蔵の外見が、どうしても本田圭佑に思えてしまい、以降この小説の古波蔵はわたしの中では本田圭佑の外見をしていました。

    アジアを舞台に、ヒーローとヒロインが活躍するところは、マネーロンダリングと共通するところがあります。
    そして、永遠の旅行者の眞鍋恭一のことを指しているのであろう記述も出てきて、とても嬉しくなりました。

    5月の連休中に一気に読みました。
    展開が早く、途中でラストが予想できましたが、、、最後の黒幕の告白は衝撃でした。北朝鮮の闇の部分を教えてもらいました。そして、黒幕は今後も黒幕で在り続けられるくらい巨大になってしまっている現実も、驚嘆するものでした。

    氏の小説は、フィクションでありながらアジア金融の現状をわかりやすく教えてくれます。
    小説を読みながら、アジアの現状を知ることができました。タックスヘイヴンというタイトルとはいささか離れた内容ですが、とても面白い小説です。

  • 2014/04/28(月)
  • 2014年4月27日に注文、4月28日到着 タックスヘイヴン 橘玲

    Amazonで平成26年4月27日日曜日の朝に注文したら、
    平成26年4月28日月曜日の朝に届きました。
    普通便なのに、、

    早い。Amazon

    平成26年4月28日タックスヘイブン

    橘玲の新作、タックスヘイヴンです。

    永遠の旅行者マネーロンダリングにつづく、長編小説です。
    とても楽しみです。

    GWの読書にします。

  • 2013/06/08(土)
  • 臆病者のための裁判入門 橘玲

    臆病者のための裁判入門

    橘玲氏の著作です。

    いつもの、経済をテーマにした著作とは全く異なるテーマを扱っています。

    テーマは「裁判」

    著者はひょんなことから知人の外国人男性の保険金受け取りをめぐるトラブルの解決を手助けすることになりました。
    非は完全に保険会社にあることがわかり、すぐに解決するかに見えましたが、事態は思わぬ方向に進展し、ついに「少額訴訟制度」を利用して、裁判に訴えることに。
    「少額訴訟制度」とは、請求額が60万円以下なら、簡易裁判所で審理から判決までを原則1日で行ってくれる制度です。市民が身近な紛争を裁判で安価で簡便に解決できるように1998年に作られました。
    日本を「法の支配」が行き届いた「法化社会」にしよう、という思いが、この「少額訴訟制度」には込められています。
    しかし、著者と知人の外国人男性は、摩訶不思議なニッポンの裁判制度の闇に迷い込んでしまいます。どこに行っても、悪い人には会わず、善意の人ばかりなのに、簡易裁判所と地方裁判所をたらいまわしにされ、少額の保険金と賠償が得たいだけなのに、多大な時間と労力を費やすことになってしまいました。一日で終わるはずが、決着を見るまでに何と二年半の歳月が流れていました。
    その体験を元に日本のニッポンの「使えない」司法制度の問題点を解明したのがこの新書です。問題の一端は、「少額訴訟制度」で扱える紛争の種類が家賃未納や交通事故の損害賠償など定型的なものに限られていること。
    著者が関わったようなちょっとこみいった訴訟になると簡易裁判所では扱ってくれないのです。
    公正中立な「法化社会」を建設する過渡期にあるニッポンで、素人が少しでもややこしい訴訟を始めるとどんな目に遭うのか?
    その一部始終がわかる貴重なルポであり、身近にはなったけれど、まだまだ使い勝手が悪いニッポンの裁判を使いこなすための画期的な入門書でもあります。(Amazonの紹介文より)



    ほとんどの人は、一生裁判の原告にも被告にもならずに一生を終えます。
    わたしは、軽微な経験ですが、被告になったことがありますし、身内が被告になったことがあります。といっても、刑事事件ではありません。

    本書の前半は、Amazonの紹介文にあるように、橘玲氏が友人の外国人男性の代理人となり、保険会社を相手に少額訴訟を起こしたことが記述されています。
    読み物として、非常に面白いです。スラスラ読めます。


    後半は日本の裁判の問題点がいろいろと書かれています。
    橘玲氏は、出版社に勤務していた経験があり、その時に少なからず裁判で訴えたり、訴えられたりという経験があるそうです。

    以下、面白かったところを箇条書きで。

    少額訴訟
    ・少額訴訟制度は1998年に創設され、60万円以下の事件を扱う。その特徴は、個人の本人訴訟を前提とし、原則として一日で審理を終えて、その場で判決が下される。
    ・大抵が貸金請求や、売買代金請求で、貸したお金を返してもらえないとか、商品を送ったのに支払いがない、というような少額の紛争が行われる。
    これらの傍聴はとても面白いらしい。
    一度は傍聴してみたい。

    民事訴訟と名誉毀損
    ・民事訴訟では、被告は原告が主張したことだけに反論すればいい。原告が事実を立証できなければ、それだけで被告は裁判に勝つことができる。事実認定を争う民事訴訟は、もともと原告が不利、被告が有利な仕組みになっている。
    それに対して、名誉毀損はプライバシーを侵害し社会的評価を貶めるような虚偽の報道をされたという訴えだから、挙証責任は報道したメディア側にある。名誉毀損で訴えられたメディアは、公益に資することを目的として、十分な取材のもとに、真実であると信ずるに足る理由をもって報道したことを証明しなくてはならない。原告はメディアの主張に個別に反論していけばいいだけだから、一般の民事訴訟とは攻守が逆転している。
    (三浦和義が拘置所にいながら、本人訴訟でメディアを相手に名誉毀損の訴えを起こし、連戦連勝できた理由。)

    判決はケツ拭く紙ほどにも役に立たない
    判決で負けても賠償金を払おうとしない被告。そうようなときのために強制執行の制度があるが、日本ではこれが機能していない。
    債務名義とは、強制執行の対象となる債権の存在および範囲を公的に証明する文書で、財産の名義人が債務名義と同一の場合は、執行官はその財産を差し押さえることができる。だがこのことは、逆に言えば、財産の名義を変えてしまえば強制執行はできないということだ。
    これを利用して、被告は裁判に負けそうになると、銀行預金などの妻や子供の名義に変えてしまう。たったこれだけで、もはや裁判に勝った債権者は被告の財産を強制執行できなくなる。
    自分の財産を子供に譲れば、ふつうは贈与税が発生する。だが日本の税務署は実態基準で納税義務を判断するので、たとえ銀行預金が子供の名義になっていても、その口座を実質的に親が支配していると判断すれば贈与とはみなさない。
    裁判所は子供名義の預金が被告の財産だという客観的な証拠がなければ強制執行を認めない。ところが日本では、裁判所の判決があっても国税庁に税務情報を照会することはできず、公権力以外には銀行の取引内容を調査することもできないのだから、被告はなんの苦労もなく強制執行を逃れることができる。


    2ちゃんねるの創始者西村博之
    西村博之氏は、未払いの賠償金や、裁判所の仮処分に従わないことに対する制裁金は少なくとも5億円以上に上るとされている。
    「支払わなければ死刑になるのなら支払うが、支払わなくてもどうということはないので支払わない。」と述べている。
    民事訴訟で負けて賠償金を支払うなんてバカバカしいだけなのだ。


    以上のような面白い話がたくさん書いてあります。
    また、われわれが加入している自動車保険などには、ほとんどに弁護士費用特約が付いています。弁護士を雇わなくてはいけないような紛争に巻き込まれても、自動車保険で弁護士費用が賄えることがあるのです。
    知らなかったでしょ?
    このことは、特約はつけたけど、それを利用させない保険会社の責任であり、今後広く社会に広報すべき内容だと思います。

    いつも単純明快な文章を書いてくれる橘玲氏。
    裁判でも明快な文章を書いてくれました。

  • 2013/04/24(水)
  • 日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル 橘玲

    日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル

    橘玲の最新刊です。

    しかし、内容は氏がいままで一貫して言ってきたことをまとめたものです。
    目新しいことは書いてありません。

    わたしのように、氏の著作をすべて読んでいる者にとっては、退屈な本ですが、
    それでも読ませる力はあります。さすが橘玲です。


    読みながら、付箋をつけたところを箇条書きに。


    日本の経済が破綻しても、原理的に起こることは3つしかない。
    1.国債価格の暴落(金利の上昇)
    2.円安
    3.インフレ


    この3つしか起こらないことを前提として、この本は書かれています。


    3.11の東日本大震災のときは、「被災した日本企業が資金確保のために海外資産を売却する」との思惑でヘッジファンドが投機的な円買を仕掛け、一時的な円高が起こりました。このときは先進諸国の協調介入ですぐに円高は修正されましたが、「破滅シナリオ」における金利上昇局面でも同じストーリーで円高の投機が仕掛けられる可能性があります。
    破滅シナリオ=円安というわけではありません。


    戦争や内乱と違って、市場での出来事は継続性がつよいので、デフレからハイパーインフレに至るにはマイルドなインフレと円安による楽観的な時期があり、金利の上昇と企業倒産、自己破産の増加で不安が広がり、ついには国債が暴落したパニックが起こる、というように順を追って状況が悪化していくはずです。



    たった3つの金融商品で、国家破産のリスクをヘッジできる。

    1.国債ベアファンド
    国債ベア


    2.外貨預金

    3.物価連動国債ファンド
    インフレ率に応じて元本が増えていく、便利な金融商品。
    消費者物価指数に応じて元本が増減するように設計されています。

    毎年10%ずつ物価が上昇し、10年後には物価(生活コスト)が2倍(10年間の物価上昇率が100%)になるとしましょう。
    このとき利率5%の物価連動国債を保有していると、インフレ率に応じて毎年10%ずつ元本が増えていって、それに応じて配当も増え、10年後には元本が倍になって償還されます(配当も倍になります。)。このときは物価も2倍になっているわけですから、元本の実質価値は変わりませんが、インフレのリスクはちゃんとヘッジできるわけです。

    物価連動国債ファンド




    預金封鎖対策としては、格付けの高い海外の銀行に外貨預金をしてもいいのですが、日本の「国家破産」リスクをヘッジするということであれば、もっとも効果的なのはニューヨーク市場に上場された「日本国債ベアETF」でしょう。現在、ティッカー「JGBS(レバレッジ1倍)」と「JGBS(レバレッジ3倍)」の2本があり、ドル建てなので、国債価格の下落で株価が上昇するだけでなく、円安で為替差益が得られます。これを米国の証券会社で購入すれば、資産は米国の法によって保護されますから、預金封鎖のリスクを完璧に遮断することができます。
    米国以外の証券会社を通して購入することもできます。
    とりわけ、日本国債の下落率に3倍のレバレッジをかけた「JGBS」は現時点での究極の日本国破産対策ということになるでしょう。



    最後に、この本には「オプション」についての説明もあります。
    オプションは人類が開発した究極の投資とも言われます。
    このオプションについては、この本で勉強したのですが、見返してみるともう5年も前なんですね。。
    あれから5年経って、わたしはオプションの取引をやっていません。
    オプションって結構難しいんです。


    プット・オプション買いの使い方



    この本は、橘玲氏が一貫して述べてきたことの集大成とも言えます。
    この本に書いてあることを実践できるひとはかなり限られた人たちだと思います。
    しかし、行動力のあるものだけが、国家破産の一大事が起きた時に生き延びることができるのだと思います。


    続きを読む。
    に、あとがきを転写しておきます。

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  • 2012/12/28(金)
  • たったひとつ正しい主張ではなく、たくさんの風変わりな意見を

    先日ご紹介した橘玲氏の「不愉快なことには理由がある」の中に、
    たったひとつ正しい主張ではなく、たくさんの風変わりな意見を という文章があり、それがとても印象にのこったのでここに記しておく。


    ジェームス・スロウィッキーというひとが書いた本に、「みんなの意見は案外正しい」という本がある。
    要約すると、たったひとりの専門家の意見よりも、素人の集合知のほうが正しいという意見です。

    いま、あなたの目の前に、中肉中背の成人男性がいるとしましょう。
    このひとの体重は何キロか?という問に正確に答えられますか。 あなた一人では正確な答えは出せません。しかし、ここに100人の人が居て、それぞれがあてずっぽうで答えを寄せ集めます。
    あるひとは、40キロ!と答えるかもしれません。あるひとは60キロと予想しました。なかには、100キロ!と突飛な意見をいう人がいるかもしれません。
    いろいろな意見はあってしかるべきなのです。
    おどろくべきことに、この集団の答えの平均値はこの成人男性の正確な体重にとても近似しているのです。この成人男性の体重は63.5キロでした。

    集団の答えの平均値は63.4キロでした。

    世の中には、風変わりな意見をいう人が居ます。風変わりなひとはたいていは少数派ですが、それらの意見は実はとても貴重な意見なのです。
    成人男性の体重を100キロと見積もるひとも、40キロと見積もるひとも、とても大切な意見なのです。

    われわれの生きる世界には、様々な意見が必要です。
    たったひとりの正しい意見を求めるのではなく、集合知の正しさを認識しながら、少数の意見を尊重していかねばなりません。

    橘玲氏の拝啓イギリス
    橘玲氏の背中

  • 2012/12/10(月)
  • 不愉快なことには理由がある 橘玲

    橘玲氏の新刊です。


    不愉快なことには理由が

    週刊プレイボーイに毎週のっている連載をまとめた本です。
    しかし、ひとつのテーマに沿って書かれているので、主張に一貫性があります。
     
    この本は、現在の問題(不愉快なこと)について、その理由を「進化論」に求めます。
    我々はDNAの乗り物で、DNAが生き残るのに最適化されて生きています。強い個体が生き残るでなく、賢い個体が生き残るのではなく、「生き残ったものが生き残る」という説明の仕方です。

    例えば、子供を愛することができない個体が突然現れても、このプログラムをもった個体はうまく子供を育てることができないので、その遺伝子(プログラム)は次世代に受け継がれることなく、途絶えてしまいます。
    だから、我々は子供を愛するようになります。

    この遺伝子(プログラム)は何億年も前から引き継がれてきた遺伝子に搭載されているわけですから、突然現代に生まれた僕帯に理解できるはずがありません。

    地球の誕生を1月1日とすると、生命が誕生したのが4月8日、それから11月1日までは単細胞生物しかおらず、最初の魚類が出現したのが11月26日の午後。恐竜の時代は12月9日から26日あたりまでで、最初の猿が出現したのが、12月25日、人類の祖先が現れたのが12月31日の午後8時10分です。エジプトやメソポタミアに最初の文明が誕生してからは、わずか30秒しか経っていません。

    最後の30秒だけで、一年を語ることは不可能です。

    我々が進化論を語るときは、生命の誕生にさかのぼって考えなくてはなりません。我々はどのようなことを考えて、環境に適応してきたのか。


    この本は「進化論」の観点から我々の不愉快なことを説明しようとします。
    面白い本です。

  • 2012/10/09(火)
  • 橘玲氏が初めて講演を。聞きに行きました。『「日本」というリスクを“管理”するために必要なこと』 その4

    つづき。

    終盤は、未来の話。日本が今後どうなって行くかという内容でした。

    ・未来がどうなって行くかはわからないが、絶対確実なのは人口統計。今後10年間で団塊の世代が70代となり、医療費がかかり、労働人口が減っていくのは変えようがない。
    いまのシステムで、2020年を超えるのは絶対に無理、このときに大きな改革が起きる。

    ・具体的には、①金利の上昇②インフレ③円安 この3つしか起きない。
    財政破綻は、明日突然起こるのではなく、必ず何かの前兆がある。前兆がわかってから対処ても決して遅くない。危ぶむなかれ。
    とりあえず、普通預金をもっていれば、どのようなことがあっても対処できるはず。


    ・財政破綻がわかっているのだから、財政破綻にヘッジをかけておくことが大切。
    とりあえず、普通預金で良いと言ったのは預金封鎖は起こらないと考えているから。預金封鎖は憲法が定めるところの財産権の侵害にあたる。

    ①金利の上昇(国債の下落)に張っておく。JGBSやJGBDなど。金利が上昇したら、もうかるファンド。これはフリーランチかもしれない。(金利は0以下にならないから。)
    ②インフレに張る。 物価連動の国債。物価指数に連動する商品を買っておく。
    ③円安に張る。 外貨預金。手数料が一番少ないのはFX。

    ACWI 世界全体の株価指数に連動するファンドも売っている。コード 1554



    具体的なファンド名を挙げての講演でしたが、もちろん「投資は自己責任で。」ということでした。


    90分の講演のあと、コーヒーブレイクがありました。
    このときに、改めて会場を見渡してみましたが、97%が男でしたね。女性はほんの数人でした。しかもほとんどがオッサン。
    若い人はとても少なかったように思いました。

    20120930橘玲講演2
    コーヒーブレイクの様子。会場はほとんど男。


    橘玲氏が、1980年からどのように考え、どのように行動してきたのかがわかり、本当に有意義な講演でした。
    著作で読むよりも実際に氏の顔を拝見しながら、氏の声で聞く話は、本を読むよりも100倍インパクトがありました。

    講演に参加されていた方々は、言うまでもなく氏の熱烈なファンですから、わたしと同じ感性を持つ人たちです。大人しくて、知的で、理性的な印象を受ける紳士が多かった気がしました。

    今後、氏がどのような活動をしていくのかが楽しみですが、とりあえずは今後のことはなにも考えていないようでした(笑)
    TVや対談の類に出るのはまだ当分先になりそうとことです。


    帰りの品川駅の様子。
    帰りの品川駅

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