カブシキ!

  • 2010/05/05(水)
  • マネーロンダリング 橘玲

    マネーロンダリング小説

    小説の主人公である工藤秋生は、34歳で香港在住のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)。都市銀行、ニューヨークの投資銀行、ヘッジファンド運用会社を経て、現在は香港で日本人を相手にオフショア関連のアドバイザーをやっている。その工藤のもとに日本から若林麗子と名乗るゴージャスな美人が現れる。日本での複雑な事情も知らぬまま、工藤はその美人に香港でオフショア会社、オフショア銀行、私書箱サービスを利用したスキームを提案。
    しかし、その数か月後、日本から黒木という男が工藤のもとにやってきたとき、工藤は自分がとんでもない深みにはまっていくことを知る。麗子は黒木が関係する50億円を日本から送金し、そのまま行方をくらましているという。黒木はオフショア事情に精通している工藤に助けを求めたのだった。




    僕の大好きな橘玲氏の小説です。
    いままで氏の本はたくさん読んできましたが、小説を読むのは初めてです。


    いままで読んできた氏の本に書いてある節税方法、海外口座の作り方、利用法が実際に使われる様子を小説の中で表現しています。
    主人公の秋生は、僕と同い年。理系の大学を卒業したあと、金融の世界で活躍したあと、ヘッジファンドにヘッドハンティングされます。しかし、周りの人間の能力の高さに挫折して、仕事を辞めます。

    歳の割には多すぎる金、しかし一生食べていくには足りない金額を持って香港にやってきます。

    香港で、日本の非居住者となった秋生は、金融知識を利用して、香港で日本人が口座を開設して、マネーロンダリングするためのスキームを日本人に与えます。
    このあたりに出てくる技術、知識が、橘玲氏の過去の本に出てくるスキームをまとめたような内容になっています。
    実際に使うとこんな感じになるんだよ、といったように表現されます。

    処女作とは思えないくらい、練られた内容で、随所に金融知識を挟むのですが、説明的にならずに、ライトな文章で読者を引き込んでいきます。橘玲、文章力あります!

    この小説のなかで、最も印象に残った言葉。
    倉田老人という一代で財を成した大金持ちが秋生にたずねます。

    「資産運用に成功する方法は?」
    秋生はしばらく考えて、「資産運用しないこと、税金を払わないこと」と答えた。倉田老人はその答えに大笑いして、それ以来、何かにつけては秋生に仕事を回してくれるようになった。


    これはある程度お金を持っている人間にとっては、的を得た真理です。
    わずかな利子収入だけで生きていける人間にとって、資産運用は意味を成しません。
    それに対して、所得税、相続税はべらぼうに高い。これが日本にいる金持ちがみんな感じていることです。では、「合法的に節税する」ことによって、自分の資産を徴税から守ることができます。

    橘玲氏の文章には、希望があります。
    小説になってもその文章力は健在です。
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