カブシキ!

  • 2009/01/28(水)
  • 真相 横山秀夫

    真相

    犯人逮捕は事件の終わりではない。そこから始まるもうひとつのドラマがある。──息子を殺された男が、犯人の自供によって知る息子の別の顔「真相」、選挙に出馬した男の、絶対に当選しなければならない理由「18番ホール」など、事件の奥に隠された個人対個人の物語を5編収録。人間の心理・心情を鋭く描いた傑作短編集。

    横山秀夫の短編集です。
    相変わらず、中年の男性の心理をうまく描写しています。さすがです。

    この本には5編の短編が収録されているのですが、一番良かったのは最後に収録されている「他人の家」でしょうか。
    強盗致傷を犯してしまったあと、服役を終えた貝原英治は、更正し、真面目に生きていくために必死で働きます。しかし、元犯罪者、しかも強盗犯という過去が彼の更正の邪魔をします。やっとの思いで借りることが出来たアパートを、なんの前触れもなく追い出されたり、普通の企業には就職できなかったり。

    そこに佐藤という老人が現れて、彼の更正を助けてくれます。
    しかし、佐藤老人は自分の家を貝原に相続させるように手配したあと、すぐに逝ってしまいます。

    佐藤という姓と、持ち家を手に入れた貝原ですが、その家に隠された真実を知ることによって、佐藤老人の狙いを知ります。

    実に、「人物が良く書けているなあ」と思います。さすがです。
    そして、短編なのですが、うまく伏線が張ってあって、大きな裏切りと共にその伏線がすべて回収されます。すべての短編がアンハッピーに終わるのですが、その中に男の葛藤があって、つまらない疑心から始まる重大な勘違いがあって、ストーリーに大きく影響を与えます。なぜか後味は非常に良いのです。

    横山秀夫、熱いです。
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