カブシキ!

  • 2009/01/08(木)
  • 動機 横山秀夫

    動機

    署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か、外部か。男たちの矜持がぶつかりあう表題作(第53回日本推理作家協会賞受賞作)ほか、女子高生殺しの前科を持つ男が、匿名の殺人依頼電話に苦悩する「逆転の夏」。公判中の居眠りで失脚する裁判官を描いた「密室の人」など珠玉の四篇を収録。

    横山秀夫の短編集です。
    四篇ありますが、どれも読み応えがあります。
    良かったです。

    小説家にはそれぞれ得意分野があって、その分野の物語を自分の作品の中心におきます。横山秀夫に於いては、『警察、検事、裁判官、弁護士、新聞社』などが得意分野で、この小説でも、警察とか裁判官が主人公となります。これは氏がかつて新聞記者をしていた歴史を有しており、このことが作風に大きく影響しています。
    警察の内部、裁判官の内部、全く知らない世界ですが、この小説を読むと少し想像できる世界になってきます。

    四篇すべてに魅力がありますが、敢えて順位をつけると、

    1位 密室の人
    居眠りにより失脚する裁判官を描いた作品です。公平、毅然だと思われている裁判の世界ですが、とんでもない策略や欲望が渦巻いています。どこの世界にも『秘密』はあるわけで、、、詳しくは書きませんが、主人公の妻はかなり強かです。怖い。

    2位 逆転の夏
    殺人事件で人生を棒に振った男が出所後に再起を賭けて働きますが、、、男の影で暗躍する欲望と利、それに翻弄される主人公をうまく描写しています。果たして影で主人公を操る人物は誰なのか、最後までドキドキでした。

    3位 動機
    表題作。真骨頂の警察ものです。紛失した30冊の警察手帳、犯人は内部のものなのか。。横山小説には、いい意味での『オヤジ』がたくさん出てきます。この作品のオヤジたちも本当に良いオヤジです。

    4位 ネタ元
    女性新聞記者のお話。男社会で頑張る女性の姿をうまく描写しています。女性だからこそ分かる『理不尽さ、悔しさ』がにじみ出ています。

    密室の人を一位に持ってきたのは、ラストの良さですかね。ハッピーエンドではないのですが、なぜか後味が良いのが不思議です。是非中年男性に読んでいただきたい小説です。面白いです。

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