カブシキ!

  • 2007/04/05(木)
  • 地下鉄(メトロ)に乗って 浅田次郎



    ネタバレあり。読んでない人は要注意です。

    浅田次郎です。

    永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。

    前半はいまいち物語にのめりこめなくて、読むのに2週間以上かかってしまいましたが、後半から展開が急転直下し、一日で読み上げてしまいました。
    ネタをバラしてしまいますと、この物語は地下鉄がタイムマシンのようになっていて、主人公の真次が地下鉄の通路を通じて自分の父親に関する過去を見ることになります。
    といっても『バックトゥーザフーチャー』のようなドキドキワクワクの冒険譚ではなくて、メインのテーマは自分の父親との対峙。
    昔から尊敬できなかった偉大な父の過去を知ることによって、徐々に父親を尊敬できるようになるといったお話。

    『地下鉄に乗って』では、主人公真次の父はいまではワンマン社長で成功し、いやな人物であるのですが、過去を実際に見てみると戦争で勇敢に戦って、奇跡的に生還したり、戦後の闇市で商売の才能を伸ばして大成功したり、弱いものの味方であり続けたりと、とても勇ましい人物として主人公の前に現れます。若き頃の父と触れ合うことによって、主人公までが自分の人生を大きく変える勇気が湧いてきます。

    自分に当てはめて考えてみる。僕の父親はもうすぐ60歳になりますが、彼の60年の歴史のなかで僕が知っている部分っていうのはわずか10年くらいなのかなあと、物心がついたころから高校卒業のときくらいまでの10年くらいなのかなあと。
    では、僕が生まれる前の彼はどんな人間だったのだろう。どんな女性と付き合っていたのだろうか。どんな学生だったのだろうか。全くもって僕は知らないわけです。
    彼はどんな人物だったのだろう。
    あまり尊敬できるような父親ではありませんが、過去をみてみると意外に勇敢な男だったのかもしれません。自分の父親のことを久しぶりに考えた、そんな小説でした。
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    地下鉄に乗って (浅田次郎)

    流儀としては古典的な人情路線なんですけど、愛情とか友情とか優しさといったような人間の心の美しさに寄せる作者の信頼感が半端じゃないので、完全に独自の世界になっています。人間の心に美しい部分があること、それを描き出せ

    地下鉄に乗って 映画でも泣かせるかな

    地下鉄に乗って 感想☆☆☆☆ 浅田次郎 講談社 映画「地下鉄(メトロ)に乗って」の 試写会の話が先日、ありましたので、 原作を読んでみました。 堤真一さん、大沢たかおさんには ちょっと期待している映画です。 公式ブログも出来たようで、 10月の封切まで盛

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