カブシキ!

  • 2007/03/07(水)
  • 天国までの百マイル 浅田次郎

    泣かせるなあ。。浅田次郎。



    主人公の城所安男は、自分の会社をつぶしてしまい、いまや別れた妻子への仕送りもままならぬほど落ちぶれた中年男。ある日、心臓病で入院する母を見舞った安男は、主治医から病状の深刻さを告げられ愕然とする。そのまま治療を続けても母の余命はごくわずか。残された道はただひとつ、謎の天才外科医にバイパス手術を施してもらうこと。衰弱した母をワゴン車に乗せた安男は、房総のひなびた漁村にあるカトリック系病院目指して、100マイルの道のりをひた走る。はたしてその先に奇跡は待っているのか――。



    この本を読んだら、優しくなれる。

    純粋にそう思いました、この本を読んで。
    母親に冠動脈のバイパス手術を受けさせるために、百マイルの道のりをワゴン車で母親を運ぶ。城所安男は会社をつぶして、破産して、妻にも逃げられた男ですが、そういう境遇にあったからこそ、母親に対してこんなに優しくなれたのだと、この小説は言っています。安男の兄や姉たちは金銭的にも社会的にも成功していて、「手術なんて受けさせずに自然に寿命がくるのを待て」なんていう態度をとります。兄弟たちと安男の対比がこの小説の良さを引き立てます。

    安男をヒモとして食べさせてくれている「マリ」というホステスはビックリするくらい出来た人間です。この人物には感動させられること間違いなしです。
    僕が一番感動した場面は、安男の母親がかつて愛した男、「小林一也」という人物です。夫を失い、女手ひとつで安男たち4人の子供を育てる母親を小林は無償の愛で包もうとします。そして、小林は安男たちの父親になろうと決心するのです。しかし、安男の母親はこれを拒否します。

    小林のやさしさは、母の器から溢れ出てしまったのだ。

    女性が受け止められないほどの、大海のようなやさしさ。これには驚き、感涙しました。この場面が最も印象に残りました。
    そういった感動を誘うような人物が次々と登場し、最後にはとっておきのエンディングが待っているという小説です。

    是非、ご一読を。絶対に泣きます。
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    コメント

    はじめまして

    私もやっと読む事が出来ました。
    私もマリさんに憧れちゃいます。
    あんな女性になりたいものです、やさしい気持ちになれるいい本でしたね。

    >nadeshikoさん

    ご来訪ありがとうございます。
    人間の優しさとは。。と考えさせられる本でしたね。
    泣かせの浅田。さすがです。

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