
神様のような清廉潔白な教師、坪井誠造が逝去した。その通夜は悲しみに包まれ、誰もが涙した。…のだが、参列者たちが「神様」を偲ぶ中、とんでもない疑惑が。実は坪井は、凶悪な犯罪者だったのではないか…。坪井の美しい娘、後輩教師、教え子のアラフォー男性と今時ギャル、ご近所の主婦とお笑い芸人。二転三転する彼らの推理は!?どんでん返しの結末に話題騒然!!第34回横溝正史ミステリ大賞“大賞”受賞の衝撃ミステリ!
知り合いに薦められて読んでみました。
作者の藤崎翔氏は、元お笑い芸人です。「セーフティ番頭」という芸人を6年続けたあと、作家に転身したという異色の経歴を持っています。
その芸人が書く、コントのようなお通夜のはなし。それが「神様の裏の顔」です。
コントのように、非常に馴染みやすいのです。すっと、腑に落ちる内容です。
清廉潔白の教師、坪井誠造の通夜は、誰もが涙して、厳粛に進んでいきます。
しかし、もしかしたら、坪井誠造は凶悪犯罪に手を染めていたのでは?という疑惑が湧いてきて、そのための証拠証言が次々と上がってきます。
そして、いよいよ、坪井誠造は実は殺人事件の犯人だったと断定されるときに、ひとつの大きなどんでん返しがあります。
それで、物語が収束するのかなと思ったあとに、
「もう一回のどんでん返し」が潜んでいました。
ある種の叙情トリックですが、わたしには新鮮に感じられました。
湊かなえのような、人間の裏の顔を書いた作品ですが、全体に流れるライトな感覚が読みやすさを助長しています。
スラスラと読める、叙情ミステリーです。
オススメです。
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