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  • 2015/09/16(水)
  • 私の財産告白 本多静六

    わたしの財産告白本多静六

    不朽の名著と言われる、本多静六氏の本です。
    氏は、東京大学の農学部の教授でありながら、倹約と投資によって財を成し、そのほとんどを寄付したことで有名です。
    氏がどのような人生を、どのように考え過ごしてきたかが書かれています。

    明治の混乱期に、これだけ冷静に世間を見つめ、倹約生活をして将来を考えてきた氏は、本当に先見の明があったひとなのだと思います。
    参考になる箇所が沢山あったので、箇条書きに紹介します。


    ・ 最初の出発において、まず四分の一の生活切り下げを断行してください。

    四分の一天引貯金について書かれた章です。給料の四分の一をまず貯金にまわし、残りの四分の三のお金で生活する。
    つまり、生活を四分の一切り詰めて、貯金にまわす。たまったお金で投資をしなさいということです。
    お金が貯まるまでに何年もかかります。何年も生活を切り下げねばなりません。氏はその極貧生活のなかで、耐えることを学んだと書きます。
    この、「耐えること」を通過してこそ、本当に投資家として成功できる権利を得るのでしょう。

    ・ 貯金がある程度の額に達したら、他の有利な事業に投資するがよい。貯金を貯金のままにしておいては知れたものである。

    四分の一天引き貯金である程度の貯金ができた氏は、時代を読み、鉄道に投資します。時代は明治ですから、安い山林、土地を買い、鉄道が通ることで土地の値上がり益を得ました。

    ・ 同僚からの辞職勧告。東京大学にて教鞭をとっているときに、学士会館創設の議があり、寄付を募られた。このとき、応分のつもりで金1千円の寄付を申し出た。
    一介の教授がどうしてそれほどのお金をだせるのかと問題になり、同僚から辞職を勧告された。


    寄付をしただけで、本多は怪しい投資をしているとか、変な噂が流れ、なぜか辞職するように勧告されたとのこと。
    氏はそれを受け入れて、本当に辞職をしようとしたようです。ただ、お金の出処ははっきりとさせたいとのことで、自分の家計簿と、株券の収支、一切の帳簿を開示して、他の東大職員たちを黙らせたというエピソードです。
    決して不浄の財ではなく、氏が我慢して貯めて投資で増やしたことが分かれば、他のものは納得し、氏のもとにお金の増やし方を聞いてきたとのことです。

    ・ 貯金とアルバイトで雪達磨の芯を作る。これからが「致富の本街道」である。新しく積極的な利殖法を考えることである。

    節約して、投資の資金ができたら、それを雪達磨の芯にして、堅実な投資をしなさいという教えです。そのためには、「何事も時節を待つ」ことが大事で、焦らず、怠らず、時が来るのを待つということです。
    投資は、一日にしてならずなので、ゆっくりと時間をかけて堅実に進んでいくことが大切です。


    ・ 株式投資について「二割利食い、十割益半分手放し」という法

    信用取引はせず、いつも現物取引のみであったということを強調しておりました。
    思いがけない値上がりがあったときには、二割益のところでキッパリと利食いしてしまい、それ以上は決して欲をださなかったそうです。その二割は銀行の定期預金に預けなおすのが、二割利食いの法のようです。
    株価が長い年月の間に二倍以上に騰貴することがあるが、そのときは手持ちの半分を必ず売り払い、投資の元金だけを預金に戻して確保しておくそうです。これが、十割益半分手放しという手法のようです。


    ・ 子孫を健康に育て、財産を分与してやりさえすれば、それで十分に幸福にさせられるものと早合点してのである。

    子孫に財産を与えてやることは、全く顧慮する必要はなく、それはかえって子孫を不幸に陥れるものだと漸次気がついたとのことです。幸福とは親から譲ってもらうものではなく、各自自分自身の努力と修養によってから得られ、感じられるものであるという教えです。
    一生を通じて精進向上の気持ちが大事なようです。

    ・ 現在の地位の高下によるのではなく、動きつつある方向の如何にあるのである。

    偉い地位についていても、現在下降気味であれば、それは尊敬できないということ。
    動いているのが、上か下かというのが重要です。

    ・ 少しばかり財産が出来てくると、すぐ「貸せ」という人が出てくる。しかし、それがいままで自分の苦労を端から謗っていた人々から多く飛び出してくるのだから、驚きもし、あきれもし、また困惑させられる。

    財産があることを知られると、それに群がってくる輩がたくさんでてきます。それらに金を貸しても、活きた試しはなく、返ってきた試しもないそうです。
    お金は絶対にひとに貸さないという教訓です。

    ・ 寄付金を出すときは、当時として出せるだけだし、それ以上出すことの予約をしないこと。

    各種学会や社会事業の会費も、最初に十年分から二十年間分だせば、生涯出さずに済むようになっているので、最初に出せるだけだしておいて、その後は払う約束をしないことが重要なようです。時勢の変転に連れて、自分の懐が変わってくるし、相手の要求も変わってくるので、お互い気まずくなることがあり、お勧めできないようです。

    ・ 資金で資金を引き出せ 

    預金が増加してくると、信用の増加を利用して、別に新たに銀行から貸出をうけるようにとすすめるのです。自分の資金には限度があるけど、銀行のそれには限度がない。返済金利<投資のリターンであれば、理論上無限にお金は増えていく。


    ・ 好景気、楽観時代は思い切った倹約貯蓄(すなわち金を重しとする)
    ・ 不景気、悲観時代には思い切った投資(すなわち物を重しとする)
    ・ 要するに利殖の根本をなすものは、「物と金」の適時交替の繰り返しであって、その物的投資対象には、株式、土地、など。



    ・ 金儲けを甘く見てはいけない。真の金儲けはただ、徐々に堅実に、急がず、休まず、自己の本職本業を守って努力を積み重ねていくほか、別にこれぞという名策名案はないのであって、手っ取り早く成功しようとするものは、また手っ取り早く失敗するのである。

    宝くじとか、競馬とか、うまい儲け話とか、金持ちになるのに近道はないのです。
    金持ちになる行為は、永続的な、モラルな、社会的意義のあるものでないといけないのです。

    ・ どんな些細なことでも、一応周囲の思惑を考えてみる必要がある。間違いのない、正しいと思ったことでも、世間では往々とんでもなく誤解している場合が多い。

    ・ 人を使うのには、人の名前を、早く、正しく覚えこむことが大切である。これはなんでもないことのようで、極めて大切なことである。

    これはわたしも常々気をつけていることで、看護師をはじめ、まわりのスタッフに頼み事をするときにかならず名前で呼ぶことを心がけています。「看護婦さーん」ではなく、「◯◯さん、よろしくお願いします。」です。呼ばれた方も、気持ちは満更ではないはずです。

    ・ 人を叱るときは、まずそれを自分の上に当てはめてみて、自ら第一に反省するくらいに慎重をきさなければならない。

    賞賛は春の雨のごとく、叱責は秋の霜のごとし。小言を言う時にも称揚することを八分、注意することを二分といった程度にすることが効果があるようです。

    ・ 上手な自説の述べ方は、まず充分に人の意見を聞いて、然る後に徐ろに自説を持ち出すのが利口。

    会議などで自説を述べるときは、まず人の意見を聞いてから、そのひとの意見を尊重しながら、徐々に自分の意見を述べるのが良いようです。


    明治の時代も、平成の時代も、財産を形成する方法は変わっていないようです。
    本多静六氏のように冷静に戦況を見つめながら、自己研鑚にはげみ、他人を思いやることで、自ずと資産は形成されていくものだと信じて、わたしはこれからも投資の道を進んでいきます。
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