カブシキ!

  • 2014/07/29(火)
  • バカが多いのには理由がある 橘玲

    バカが多いのには理由がある

    橘玲氏の新刊です。
    といっても、週刊プレイボーイに連載している「そーだったのか!?真実のニッポン」をまとめたもので、その連載は毎週読んでいるので、既読の内容でした。

    毎回1200文字程度の連載を、順番を並べ替えて、さらに前後にPrologueとEpilogueを加えています。
    すると、不思議と連載たちに一貫性が生まれて、きちっと一冊の本として筋が通ってしまいます。さすが橘玲氏です。
    既読の内容でも、楽しく読めました。

    Prologueからつづく文章は60ページくらいあり、読み応えのある内容です。主に政治についての内容ですが、そのなかからとくに面白かった、「狂信はどのように生まれるのか」という部分について記しておきます。

    ひとりの若者に登場してもらいましょう。
    地方都市の公務員の家に生まれ地元の高校に進んだ彼は、才能はあるものの学校に馴染めず退学してしまいます。そのとき父親が急逝したため、彼は保険金の一部を相続して上京し、大検での大学入学を目指しますが志望校にはひとつも合格できませんでした。自分では有名大学のどれかには入れると思っていたので、彼は強い挫折を味わいます。
    それから2年ほどは予備校に籍をおきながら秋葉原のAKB48劇場に通い詰める気ままな生活をしていましたが、まじめに勉強することはなく蓄えも底をつき、ドロップアウトしてフリーター生活を始めます。最初は派遣で働き、居酒屋の店員になり、家賃が払えなくなってネットカフェに寝泊まりしながら日雇い仕事も体験します。
    この頃から、彼の様子が変わっていきます。
    最初はブラック企業を糾弾する市民運動に顔を出しますが、ネオリベ批判には共鳴できたものの、従軍慰安婦問題をめぐって口論になり追い出されます。彼はずっと、韓国が歴史問題で一方的に日本を批判することに腹を立てていましたが、市民運動の活動家たちは、「日本が朝鮮半島を植民地にしたから悪いのだ」というのです。
    中学校のときに「きむ」という名の生徒がクラスにいたので、彼も在日朝鮮・韓国人の存在は知っていました。「きむ」は無口でいつもいじめられていたので、彼はかわいそうに思っていました。そんなある日、彼は新宿のハローワークに行こうとしてハングル文字の看板がずらりと並んだ一角に迷い込みます。それまで彼は、日本の中にこんな街があることを知らなかったので驚愕しました。まるで日本が外国人に乗っ取られたかのようです。
    それから彼はインターネットを検索して情報を集め、在日朝鮮・韓国人がさまざまな特権を享受していることを知ります。これに危機感を覚えた彼はネットの掲示板などに大量の投稿を繰り返すようになり、いつしかその世界ではカリスマと呼ばれるようになっていきました・・・。
    在特会の活動に参加する若者のありきたり話だと思うでしょうが、実はこれはある有名な人物の自伝を翻案したものです。時代は1890年台、場所はオーストリアの首都ウィーンでした。自伝のタイトルは「わが闘争」、書いたのはアドルフ・ヒトラーです。



    この文章が秀逸なのは、狂信が生まれた背景を現代の日本に焼き直してとてもわかり易く示してくれることです。
    いつの時代にも狂信は生まれる可能性を秘めており、民族問題は根本的には解決不可能であることを教えてくれます。我々が朝鮮・韓国人を嫌ってしまうのも、本能でありDNAに刻まれた「自分の民族を愛し、それ以外を嫌う」習性にほかならないのです。
    その本質は、ユダヤ人を糾弾したヒトラーの心理と何ら変わらないのです。

    この文章のあとに、週刊プレイボーイの連載が並んでいます。日本人の特性をうまく表現して、それらの問題が根本的にはDNAに刻まれた本能であることを、氏は教えてくれます。

    前作よりもパワーアップして、面白い文章になっています。



    1狂信はどのように生まれるのか (2)
    2狂信はどのように生まれるのか (3)
    3狂信はどのように生まれるのか (1)
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