カブシキ!

  • 2010/08/16(月)
  • 慟哭(ネタバレあり、注意) 貫井徳郎

    慟哭



    先日読んだ「愚行録」に感銘をうけて、本格的なミステリーが読みたいと思い、貫井徳郎の小説をまた読みました。

    「慟哭」です。

    連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。


    以降、ネタバレです。


    (なぜか、最初のほうで犯人が分かってしまいました。これが作者の意図なんですかね。、、、ミスリードを誘って、読者を翻弄する。すごい技術です。)

    捜査一課長の佐伯。彼が連続幼女誘拐事件の犯人を追います。しかし、操作は難航し、なかなか犯人が見つからず、次々と少女が殺されます。

    この佐伯の章と、三人称「彼」の視点で描かれる章が交互に描かれます。

    「彼」は娘を失ったことで、人生の全てを失い、新興宗教にハマり、そして娘に似た少女を殺害します。

    佐伯が警察官で、「彼」が犯人という構図ですが、なぜか序盤で佐伯=彼なのでは。と思ってしまいました。随所にそう思わせる記述があったからです。
    「彼」は胸にぽっかり開いた穴を埋めるために新興宗教団体にハマっていきます。

    佐伯には幼い娘がおり、その娘を失ったという穴を埋めるために、新興宗教団体にハマるという展開だと思いました。

    しかし、途中から佐伯は「彼」では無いという展開になります。「彼」は犯人であり、佐伯はそれを追っている捜査一課の長だからです。
    それに、「彼」の苗字が松本であるというのが確実になります。これは偽名ではなく、新興宗教に入るときにきちんと本人確認書類を提出しているので間違いないのです。

    では、犯人は誰なのか。。

    結局犯人は佐伯なのですが、ラストですべてがひとつに繋がるのがものすごくスムーズで感銘をうけました。

    物静かで淡々とした文章なのですが、読者を飽きさせることなく読ませる文章力はすごいと思います。他の作品も読んでみようと思います。
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