その1その2前回、
銀行からお金を借りて、不動産を購入、人に貸し出すことで、年利12%の投資を作った。
この投資、実際に作れるのだろうか。
・銀行から4000万円のお金を借りる。
・不動産を購入する。
・物件を管理してくれる不動産屋を検索し、契約する。
・店子と契約して、実際に貸し出す。
・固定資産税を払う。
・空室がないように物件を管理する。
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・
などなど。
本気で取り組もうと思えば、かなりのハードルがあることがわかる。これらのハードルを超えた人間が手にできるのが年利12%という夢のような投資だ。
もちろんリスクもあり、空室が増えれば投資のパフォーマンスも低下する。年利0%になることもありうる。
これでは、本気で不動産に取り組もうとするひとは本当に勇気と時間があるひとだけだろう。
わたしのような怠け者は、パソコンの前に座ったままで完了してしまう投資を好む。
外貨の証拠金取引(FX)を考えてみたい。
わたしが1000万円を持っているとする。FXではこれを証拠金としてお金を借りることができる。
信じられないことに、ここで借りるお金には利息がかからない。「FX会社はわたしに金利0%でお金を貸している。」
FX会社から4000万円を借りてきた。自分の1000万円と合わせて合計5000万円を持っている。(元手の1000万円にレバレッジをかけて5000万円にした。この状態を5倍のレバレッジと呼ぶ。)
借りてきた4000万円は「わたしが、FX会社から年利0%で借りている。」
わたしは、FX会社に4000万円×0%、つまり0円を金利として支払う。
わたしが5000万円でオーストラリアドルを買ったとする。1オーストラリアドル= 100円とすると、5000万円では、50万オーストラリアドルを買うことができる。
2011年3月現在、1万オーストラリアを買っていると、毎日100円の利息がもらえる。(これがスワップポイントと呼ばれる。) 365日で36500円。
わたしは50万オーストラリアドルを買っているので、50×100円×365日 = 1825000円(182万5000円)が毎年スワップポイントとしてもらえることになる。これがわたしの得る利息になる。
わたしは、182万5000円の利益を毎年得ることになる。
この182万5000円を得るのにかかった元手は1000万円である。
182万5000円/1000万円×100 (%)
ここに年利18.25%の投資が完成した。
この投資の良いところは、わたしがパソコンの前から一歩も動いていないところだ。
誰とも会わないままに、この投資が完成してしまった。
この夢のような投資にも当然リスクはある。
1オーストラリアドル= 100円として計算したが、明日には1オーストラリアドル= 99円になっているかもしれない(1円の円高)。
50万オーストラリアドルを持っているので、1円の円高で、わたしは50万円の損失を被ることになる。これが為替リスクだ。
さらに円高が進んで、1オーストラリアドル= 80円になった。100円→80円、20円の円高だ。このときのわたしの損失は20×50万円 = 1000万円。
損失1000万円。わたしは元手である1000万円をすべて失ってしまった。この時点でわたしは市場から退場を迫られる。
20円くらいの円高は十分ありえる事象なので、この投資はあまりにリスクが高すぎることになる。
最初に戻って、レバレッジを半分の2.5倍にしてみよう。
1000万円の元手に2.5倍のレバレッジをかけて、2500万円で、25万オーストラリアドルを買った。
利息は、91万2500円。年利は9.125%になってしまった。
しかし、レバレッジ2.5倍のときには、1オーストラリアドル=60円までは市場に残ることができる。リスクも減らすことができるのだ。
FXではリターンもリスクも自分で(かなり正確に)コントロールできる。
ポイントは、「わたしが、FX会社から年利0%で借りている。」である。さらに、年利0%で借りたお金を年利10%以上で貸し出すことができるのである。
管理すべきリスクは、為替リスク。
これらが理解できればしめたものだ。あなたは自分のお金にレバレッジを掛けることの重要性に気がついたはずだ。