カブシキ!

  • 2017/10/12(木)
  • 黒革の手帖 松本清張

    黒革の手帖

    7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。店のホステス波子のパトロンである産婦人科病院長楢林に目をつけた元子は、元愛人の婦長を抱きこんで隠し預金を調べあげ、5000万円を出させるのに成功する。次に彼女は、医大専門予備校の理事長橋田を利用するため、その誘いに応じるが……。夜の紳士たちを獲物に、彼女の欲望はさらにひろがってゆく。

    松本清張の代表作。
    ドラマは観たことがないのですが、名著であれば読んでみようと思いまして。

    上下巻でかなりのボリュームですが、スラスラと読めました。それだけ引き込む力がある小説です。

    時代背景は昭和50年代です。
    携帯電話も、パソコンも、メールもない時代、主人公の原口元子は、黒革の手帖に銀行員や、医者の預金口座の控えをメモしていき、これをもとに彼らを脅迫していきます。

    脅迫の金額が、7500万円とか、億とか、次第にエスカレートしていきます。

    最後は予想通りの転落が待っています。


    時代背景を平成に代えても、十分通用する小説です。
    東野圭吾氏とかに、リメイクさせると非常に面白いものになりそうです。
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  • 2017/10/11(水)
  • 弱くても勝てます 高橋秀実

    弱くても勝てます

    甲子園も夢じゃない!? 平成17年夏、東大合格者数日本一で有名な開成高校の野球部が甲子園大会東東京予選ベスト16に勝ち進んだ。グラウンド練習は週一日、トンネルでも空振りでもかまわない、勝負にこだわりドサクサに紛れて勝つ……。監督の独創的なセオリーと、下手を自覚しながら生真面目に野球に取り組む選手たちの日々。思わず爆笑、読んで納得の傑作ノンフィクション!

    開成高校野球部に、ノンフィクション作家の高橋秀実氏が密着して、その野球に対する独特な練習法を追いかける内容です。

    超進学校の開成高校では、部活は週に1回だけ。
    その一回の練習は、殆どが打撃の練習にあてられます。守備の練習は無しで、内野ゴロなどは殆どエラーしてしまうそうです。
    監督は、サインも出さない。打ちたいように打つという方針で、とにかく大量得点を取って、ドサクサに紛れて勝つという方法です。

    野球の有名校は、専用のグランドがあり、毎日練習して、まず守備を固めてからバッティングの練習をするのセオリーです。
    点を取られない野球をするのが強豪校。

    開成高校はハナから守備を捨てて、自分たちの練習量で勝てる唯一の方法を模索した結果が、バッティングだけで勝つという方法とのことでした。

    実際に東京予選でベスト16まで勝ち進んだこともあるそうです。

    確率的には勝つことは少ないが、その少ない確率を極限まで高めるために努力する。
    あたまの良い高校生らしい発想です。この考え方は、仕事にも応用できると思います。自分の長所だけに集中して投資して、少しでも成功する確率をあげる。
    この考え方って、結構大切な気がしました。

  • 2017/10/10(火)
  • 君たちはどう生きるか 吉野源三郎

    君たちはどう生きるか


    未読であった、「君たちはどう生きるか」をリバイバルされた漫画で読みました。

    1937年に出版されて以来、
    数多くの人に読み継がれてきた、
    吉野源三郎さんの名作「君たちはどう生きるか」。
    人間としてどう生きればいいのか、
    楽しく読んでいるうちに
    自然と考えるように書かれた本書は、
    子供はもちろん
    多くの大人たちにも
    共感をもって迎えられてきました。
    勇気、いじめ、貧困、格差、教養、、、
    昔も今も変わらない人生のテーマに
    真摯に向き合う
    主人公のコペル君と叔父さん。
    二人の姿勢には、生き方の指針となる言葉が
    数多く示されています。
    そんな時代を超えた名著が、
    原作の良さをそのままに、
    マンガの形で、今に蘇りました。
    初めて読む人はもちろん、
    何度か読んだことのある人も、
    一度手にとって、
    人生を見つめ直すきっかけに
    してほしい一冊です。


    主人公のコペル君と叔父さんを軸に展開される、物語です。
    時代背景は、いまから80年くらい前ですので、戦前と考えられます。

    物語は漫画で読めますが、各章の最後にオジサンからコペル君に宛てた手紙が書かれます。
    この手紙のなかに、「どう生きるか」が凝縮されています。

    いまも昔も、子供時代のテーマは同じです。
    「貧困」と「いじめ」

    主人公のコペル君は、裕福な家に生まれて、勉強もできる子供ですが、同級生の浦川くんがいじめられていることが気になり、友達になります。
    しかし、力不足のために浦川くんを助けることができないことに葛藤を覚えます。

    そんなコペル君に、オジサンが手紙を書くことでアドバイスを与える展開で物語は進んでいきます。



    本書は、小学生にはちょっと難しすぎるかもしれません。
    中学生くらいの男の子に読んでもらいたい本です。

  • 2017/09/03(日)
  • いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン 大塚雄介

    いまさら聞けないブロックチェーン

    ビットコイン、ブロックチェーン、フィンテックの「?」に答えます。

    ▶ビットコインはどうやって手に入れるの?
    ▶投資対象としてはどうなの?
    ▶コピーや改ざんされる心配はないの?
    ▶ブロックチェーンってどんな技術?
    ▶フィンテックが実現する未来とは?
    ▶次はどんなサービスが登場する?




    ビットフライヤーに口座を開設して、Bitcoinを購入したのは良いのですが、自分が何を所有しているのか、実はしりません。

    本当にいまさら聞けない感があるので、あるサイトで推奨されていた本書を読んでみました。
    電子書籍で購入。
    3時間くらいで読めました。

    内容は簡潔で、要点のみが書いてあり、理解を深めることができました。

    20170903_174453

    ビットコイン以外にも、イーサリアムやリップルなどの仮想通貨、暗号通貨、があります。
    それらの関係もおぼろげながらもわかりましたし、ブロックチェーンという技術は色々なことに応用可能だということも分かってきました。

    20170903_174407



    特に、マイニング(発掘?)ってなになのか、分かっていなかったので、ここはすごく参考になりました。
    実際に謎を解’(マイニング)いて、その報酬として、ゲームのようにBitcoinがもらえるのかと思っていました(笑)

    実際には、Bitcoinの取引はお互いに承認しあって初めて成立する。この承認作業がマイニングと呼ばれるようです。
    10分ごとにレース形式で行われ、勝者がBitcoinを掘り当てることができることからマイニングと呼ばれるようです。
    膨大なマシンパワーと電力が必要なようで、とても個人が参加できるような作業では無いようです。

    10分毎にヨーイドンで、採掘が行われ、勝者だけに12.5BTCが支払われると決まっているようです。


    まだまだ未熟で、いまから発展する余地が沢山残っているブロックチェーンの技術は、伸び代がたくさんありそうです。
    いまもなお、改良が重ねられて、どんどん発展していることも分かってきました。

    本書を読んでよかったと思います。

    遅れないようについていこうと思っています。

  • 2017/08/21(月)
  • AX 伊坂幸太郎

    >AX伊坂幸太郎


    最強の殺し屋は――恐妻家。

    「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。
    一人息子の克巳もあきれるほどだ。
    兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。
    引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。

    こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。



    ラスホッパー
    マリアビートル、
    につづく、伊坂幸太郎氏の「殺し屋小説」です。

    殺し屋の「兜」は、とんでもない恐妻家です(笑)
    自分も恐妻家ですので、兜の気持ちは痛いほどよくわかりました。恐妻家あるあるが随所に出てきます。
    365日、24時間、家内の機嫌のためだけに生きている錯覚に陷ることがあります。
    兜は、そんな恐妻家の日本代表として、最前線で戦っています。

    小説のなかで、以前の作品に出てくる、「蝉」とか「蜜柑と檸檬」が回想として登場して、少し懐かしくなりました。
    伊坂幸太郎ワールドの殺し屋界隈には、愛すべき人材が豊富にいるようです。
    今回の小説のなかでは、殺し屋界の新陳代謝についてもすこし言及があり、嬉しくなりました。

    数々の伏線が、見事に回収されるさまは、読んでて爽快でした。
    伊坂幸太郎ワールド全開の作品です。

  • 2017/08/17(木)
  • 死神の浮力 伊坂幸太郎

    死神の浮力

    死神の精度』で活躍した「千葉」が8年ぶりに帰ってきた!
    クールでちょっととぼけた死神を、今度は書き下ろし長編でお楽しみください。


    死神の制度は、短編でしたが、、今回の千葉氏は長編です。

    Day1からDay7 まで、7つの章からなります。
    今回の千葉氏の担当は、山野辺という男で、9歳の娘を殺害された被害者として登場します。
    千葉氏が担当しているということなので、7日後には死が訪れるのですが、死までの7日間を千葉氏と一緒に過ごすことになります。

    死神の制度を読んだのが2008年でしたので、9年ぶりに千葉氏に触れたことになります。

    短編とは違い、長編だから見せられる千葉氏の魅力が伝わって来ました。

    山野辺は妻の美樹と一緒に、娘の仇を討つべく、犯人の本城崇に接触を試みますが、ことごとく失敗してしまいます。
    その傍らに必ず千葉氏が同行して、その一部始終を観察しているのですが、そのおとぼけ具合が絶妙で、笑わずには居られません。
    千葉氏の存在が大きすぎて、不思議すぎて、ぶっ飛びすぎて、どんどん引き込まれました。

    Day7に千葉氏は「可」の判定をして、山野辺は死んでしまうのですが、そんなことよりも千葉氏と山野辺の掛け合いとか会話とか、すごく面白くて、最高でした。

    伊坂幸太郎、さすがです。

  • 2017/08/03(木)
  • 君の膵臓をたべたい 住野よる

    キミの膵臓を

    偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。
    それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。
    そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。

    病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。
    【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。
    全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至!


    【名前のない僕】と、山内咲良という高校生のストーリーです。
    特徴は【名前のない僕】の一人称で話が進むのに、【名前のない僕】の本名がわからない。ヒロインの名前は山内咲良とわかっているのに。

    結局【名前のない僕】は名前のないまま、物語は終盤まですすみ、最後に彼の名前が出てこなかった理由が明かされます。

    それと、タイトルの君の膵臓をたべたい、の意味は物語の最後に明かされます。
    登場人物が少なくて、主人公たちの場面しか出てこないため、主人公の人間性に集中して考えることができました。

    なんとも言えない読後感がありました。普通の感覚のひとなら、号泣する物語だと思います。

    良かったです。

    この小説は映画化されて、その主題歌をMr.Childrenが歌っています。タイトルはhimawari
    歌詞の一部です。


    優しさの死に化粧で
    笑ってるように見せてる
    君の覚悟が分かりすぎるから
    僕はそっと手を振るだけ

    ありがとうもさよならも
    僕らにはもういらない
    「全部嘘だよ」そういって笑う君を
    まだ期待しているから

    いつも透き通るほどまっすぐに
    明日へ漕ぎ出す君がいる
    眩しくて綺麗で苦しくなる

    暗がりで咲いてるひまわり
    嵐が去った後の陽だまり
    そんな君に僕は恋してた

    想い出の角砂糖を
    涙が溶かしちゃわぬように
    僕の命と共に尽きるように
    ちょっとずつ舐めて生きるから

    だけど
    何故だろう 怖いもの見たさで
    愛に彷徨う僕もいる
    君のいない世界って
    どんな色をしてたろう?
    違う誰かの肌触り
    格好つけたり はにかんだり
    そんな僕が果たしているんだろうか?

    諦めること
    妥協すること
    誰かにあわせて生きること
    考えてる風でいて
    実はそんなに深く考えていやしないこと
    思いを飲み込む美学と
    自分を言いくるめて
    実際は面倒臭いことから逃げるようにして
    邪にただ生きている

    だから
    透き通るほど真っ直ぐに
    明日へ漕ぎだす君をみて
    眩しくて 綺麗で 苦しくなる
    暗がりで咲いてるひまわり
    嵐が去ったあとの陽だまり
    そんな君に僕は恋してた
    そんな君を僕は ずっと


    小説を読んでから、この歌を聴くと、桜井和寿はこの小説を読んでから、himawariの歌詞を考えたのでは?って思ってしまいます。
    himawari、とても良い曲でした。

  • 2017/07/25(火)
  • 幸福の「資本」論――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」 橘玲

    橘玲 幸福の人生論


    作家であり、社会評論家でもある橘玲氏の集大成ともいえる内容で、初めて「ひとの幸せ」について真正面から取り組んでいます。
    幸福であることを条件づけるものは、「自由」「自己表現」「共同体=絆」の3つである。
    橘氏は、「幸福」は、しっかりした土台の上に設計するべしとし、その人生の「インフラストラクチャー」を前述の3つに対応させて、以下に求めます。
    「金融資産(資本)」「人的資本」「社会資本」。
    この3つの資本の組み合わせによって生まれる「人生の8パターン」によって、すべてのひとびとの「幸福」のカタチが説明できるとしています。社会資本(中学からの友達ネットワーク)しかない田舎のマイドルヤンキーは、「プア充」。「友だちネットワーク」から排除されるとたちまち3つとも持っていない「貧困」に陥る。金融資産がなくても、高収入を得られる職業につき、友だちや恋人がいれば、人的資本と社会資本を持っている「リア充」。人的資本と金融資産があって社会資本がないのは、「金持ち」の典型、という具合。3つの資本をすべてそろえることは難しいが、せめて2つをそろえれば「幸福」といえる状態になるのではないか。では、どうすれば2つをそろえることができるのか…、そして「幸福」になれるのか、3つの資本を解説しながらその答えを追いかけます。


    いままで橘玲氏が述べてきたことの集大成的な本です。
    今回の本の一番のポイントは、我々の持っている資本を3つに分類し、それをもとに人生を設計していくことを提案していることです。

    「金融資産(資本)」 お金、証券、不動産などの資産  自由
    「人的資本」  一般的な労働(知的労働だけでなく、会社や社会的地位など。) 自己実現
    「社会資本」 友人、家族、親戚、会社の上司、同僚など、ひととのつながり 共同体=絆

    これら3つの資本の、有り、無しで、人生のパターンが8つに分類されます。

    4超充実

    全部もっているひと。
    これはすごいですね。
    氏はこれを超充と名付けていますが、こんなことは有り得ないと言い切ります。

    それは、金融資本と、社会資本がしばしば対立するからだそうです。
    お金(金融資本)を持っているひとは、それを稼ぐ過程で周りの人との付き合いを絶たないといけないタイミングがあるようです。

    人的資本(恵まれた仕事)と金融資産(じゅうぶんな財産)があれば、面倒な人間関係を切り捨てても困らないというこです。その典型が、投資家やトレーダーということのようです。(図7)

    78お金持ちとトレーダ

    図8は、金融資産と社会資本を持ちながら人的資本がない(働いてない)ひとの例です。
    イメージとしては、気前よく財産をばら撒いて人気者の「旦那」のようです(笑)


    10ソロ充

    図10は、人的資本のみをもっており、金融資産や社会資本を持たないひとです。
    イメージとしては、仕事人間でしょうか。仕事に生きがいを感じていますが、給料は安く、忙しすぎて周りのひとのとの付き合いが希薄になっているひとのようです。
    仕事は充実しているが、プライベートが薄っぺらのイメージです。これをソロ充というようです。


    図3は、社会資本をのみをもち、金融資産と社会資本を持たないひとです。プア充と呼ばれます。
    本文では、いわゆる「マイルドヤンキー」を例にあげて、地方のショッピングセンターにいつも同じ仲間で集まって、軽自動車で移動して、安い食材をみんなで食べて充実している様子を描写します。
    貧乏で、仕事もないけど、いつも仲間とつるんで、同じ空間と価値観を共有して、どこか幸せそうです。


    23プア充と貧困


    図4は、「貧困」です。
    なにも資産を持たない、仕事もない、信頼できる仲間もいない。すべての資産から遠ざかってしまったひとを本当の貧困と呼ぶのだそうです。

    → ここから何を学ぶか

    このように人間の幸福を3本の柱でシンプルに考えると、自分のいる位置がはっきり分かってきます。
    わたしは、ある程度の金融資産を持ち、医師としての人的資本も持っているつもりです。
    年齢を重ねてから気がついて来たことに、「友達が減ったな」というのはありました。社会資本は少ないのです。
    中学校、高校時代の友人とは金銭感覚が合わなくなり、医学部時代の友達とも、(わたしは政治空間で、貨幣空間の話をしてしまうので)価値観が合わなくなってきたことを感じます。わたしは社会資本を最小化していたのです。

    なので、わたしが居る位置は図7の金持ちということができます。(金融資本は少ないです(汗))

    では、自分はどこに向かおうとしているのか。
    社会資本も増やして、超充をねらうのか、
    いまのまま、金融資本を増やして金持ちになるのか。

    答えは、金融資本をどんどん増やして、金持ちを突き詰めてやろうということだと思いました。これがわたしが歩んでいく道です。
    医師としての人的資本は、これ以上は大きくならないだろうし、医師という仕事を辞めた瞬間にゼロになってしまうので、これからわたしが伸ばしていくべきところは、金融資本ではないかと思いました。
    社会資本は、医師としての人間関係よりも、投資家としての人間関係を突き詰めて大きくしていくべきかなと思っています。

    金融資本と、社会資本を伸ばした状態で、医師を辞めたとき、わたしには「旦那」のような老後が待っているでしょうか。


    政治空間と貨幣空間

    権力ゲームは戦国時代や三国志の世界で、その目的は、集団のなかで一番になること(国盗り)と、異なる集団のなかで自分の集団を一番にすること(天下平定)です。もちろんみんなが勝者になれるわけではありませんから、集団のなかでどのように振る舞うかもこのゲームでは重要になります。この権力ゲームの行なわれるフィールドが政治空間です。

    それに対してお金儲けゲームの目的は、与えられた条件のなかでもっとも効率的に貨幣を増やすことです。権力ゲームは勝者総取りが原則ですが、お金儲けゲームはなにがなんでも一番を目指す必要はありません。べつに世界一のお金持ちになれなくても、ほぼほぼ裕福な暮らしができればみんなハッピーなのです。 このゲームのフィールドが貨幣空間になります。



    前半の権力ゲームの舞台が、政治空間で、
    後半のお金儲けゲームの舞台が、貨幣空間です。
    わたしたちは、この二つの空間を同時に生きています。普段はこの空間の違いを意識すること無く。
    しかし、この空間の違いを意識できるようになることで、自分がいまどの空間にいるのか、どう振る舞うべきなのか、客観的に自分の立ち位置をみることができるのではないかと思うようになりました。

    政治空間には愛情や友情だけではなく、嫉妬や憎悪、裏切りや復讐などのどろどろとした感情が渦巻いています。恋愛から戦争まで、人間ドラマのすべては政治空間で繰り広げられるのです。

    それに対して貨幣空間はお金を介したコミュニケーションなので、ものすごくフラットです。いつも買い物をする八百屋のおじさんに愛情や憎悪を感じるひとはいません。通販でモノを買う場合は、相手が何者かなんて考えもしないでしょう。この冷淡さがあるからこそ、貨幣空間は無限に広がっていけるのです。



    自分の生きている空間で言えば、普段、医師として働いている空間は政治空間でしょう。
    家族との時間も政治空間でしょう。
    それに対して、このブログを通じて、株式投資を楽しみ、利益を得ている自分は間違いなく貨幣空間の住人でしょう。
    わたしは、一日の中で、政治空間にいる時間と、貨幣空間に居る時間があるのです。

    両者は相容れませんが、同時にわたしのなかに存在することは確かのようです。

    政治空間に生きている時間は、できるだけ貨幣空間のことを忘れて、嫉妬や憎悪、裏切りや復讐などのどろどろとした感情にも感心があるように振る舞うのが良いのでしょう(本当はまったく興味がない)。
    貨幣空間に生きている時間は、とても好きな時間です。このブログを書いている時間や、株式投資についてあれこれ考えている時間や、ツイッターのタイムラインを眺めている時間、だれとでもネットを介してフラットに接することができますし、なによりストレスが無く、空間が無限に広がっている感覚が非常に気持が良いです。


    貨幣空間と政治空間客観的主観的


    図24はひとが主観的に感じる、愛情空間、友情空間(政治空間)と、貨幣空間の大きさです。

    わたしにとっては、大きな「びっくり」なのですが、、普通のひとは、主観的には貨幣空間を殆ど意識すること無く、愛情空間や友情空間(政治空間)を生きているようです。
    本当は(客観的にみると)、貨幣空間をもっと意識すべきなのに、、(右図)

    びっくりでした。
    わたしは、みんながみんな、貨幣空間を大きなものと感じていると思っていましたので、、
    貨幣空間を大きく感じているわたしは、「異質」だったです。
    このことは大きな気付きでした。ここから、わたしは貨幣空間を大きく意識しながらも、あたかも愛情空間や友情空間を過大評価しているように振る舞えば、政治空間での成功できることがわかります。

    そのことに気が付かせてくれた本書はとても価値にあるものになりました。



    その他、付箋したところを箇条書きに。

    限界効用逓減の法則

    1. 年収800万円(世帯年収1500万円)までは、収入が増えるほど幸福度は増す。
    2. 金融資産1億円までは、資産の額が増えるほど幸福度は増す。
    3. 収入と資産が一定額を超えると、幸福度は変わらなくなる。



    年収は1500万円で、満足は最高に達して、
    資産は1億円を超えてしまうと、満足は最高になるよです。これ以上は、収入や資産を増やしても満足は変わらなくなるようなので、
    わたしはとりあえず、この額を目標としてみようと思いました。

    超金持ちと言われる、ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグ、ウォーレン・バフェットも、一定以上の資産を持とうと思わず、必要以上の資産は寄付すると公言しています。自分も早くこのレベルになりたいです。


    すべては富の差異から生まれる



    ウォーレン・バフェット「私の成功のいちばんの理由は米株式市場の長期的な成長に乗ったこと」
    橘玲「ナスダックのITバブルに乗れたことと、2000年代はじめの中国経済の爆発的成長に乗ったこと」

    富の差異から、資産を築き上げた橘玲氏は、限界効用逓減の法則から、金融資産への感心がなくなり、資産運用については書き尽くしたと考えるようになります。

    おそらく、今後はAIやビットコイン、ブロックチェーンによって、金融産業がIT化していくことは間違いないようです。そこにまた、富の差異が生まれ、流れに乗れたひとが億万長者になるのでしょう。


    会社が求めているのが社員の「能力」ではなく、「組織の中で働けるか」だから、 (中略)

    その学生が「興味の持てない仕事、裁量権のない仕事、希望してない地域での勤務」を命じられても、組織の中で縁の下の力持ちの役割を果たせるかどうか。



    すべての教育は洗脳である。
    堀江貴文氏の言葉ともリンクする部分です。日本の教育は会社に順応できる人材を育てる機関なので、その教育の延長にあるのは、社畜でしょう。


    貨幣空間は農耕と交易によって成立したのですから、わずか10000年の歴史しかありません。
    これがひとびとが貨幣空間に僅かにな価値しか認めない理由です。



    改めて、貨幣空間というのは、我々のこころの大部分を占めているものの、その価値を我々が軽視している分野だといえます。
    我々は、無意識のうちに政治空間と貨幣空間を区別し、政治空間(愛情や友情)に貨幣が購入することを避けています。

    政治空間(愛情や友情、いわばワンピースの世界)に大きなウェイトがあると感じるのに対して、それを貨幣価値で測ること(友情は3000円、セックスは3万円)をものすごく毛嫌いします。
    本当は、貨幣価値のほうが大切なのに。

    貨幣空間の際立った特徴はそのシンプルさにあります。
    「正直」「契約の尊重」「見知らぬ人との協力」です。



    ネットオークションの「評価」の世界です。
    見知らぬ人から、「いいね!」という評価をもらえるひとが、正直で契約を尊重しているひとだとみなされる世界が、貨幣空間なのです。
    この世界は無限にそのその裾野が広がっており、富も名声も無限に広がっています。
    政治空間よりも、貨幣空間を尊重することで、わたしたちは無限の富をえることができるようです。

    フリーエージェントは知識社会に最適化して生き方で、「好きなこと」に人的資本のすべてを投資し、官僚化した組織では生み出せないコンテンツやテクノロジー、スキルや知識を独占します。インターネットを通じて顧客と直接つながることができるようになった彼らは組織に従属する必要がなくなり、人間関係を選択することで自由な人生を楽しむのです。



    政治空間が社会を支配する日本では、フリーエージェントのような生き方は否定されがちですが、グローバルな知識社会では、フリーエージェントのような生き方が、勝ち組になっていくのでしょう。


    「つよいつながり」を恋人や家族にミニマル化して、友情を含めそれ以外の関係はすべて貨幣空間に置き換える



    さあ、氏の一番言いたいことがここにありますよ!
    繋がりとか、絆とか、日本人の好きな言葉や最小化していいのです。友情も最小化、ミニマライズ。
    それ以外の関係はすべて貨幣空間です。 
    そう、お金で解決なんです。

    これが、この2017年に最適化された幸福の資本論なんです。
    仕事や友人とかの政治空間は、最小化して、そう、すべて貨幣空間に変換してしましましょう。
    そうすることで、我々は自由になれます(笑)

    これが凡人にはできないことなのです(笑)

    最適ポートフォリオ2017

    ということで、金銭的にも人間関係にもなんのストレスもなく、好きなことに人的資本を集中して自己現実できるようになる、最高のポートフォリオはこれです。
    アメリカのニューリッチが実践している幸福はこれなのです。

    どんな組織にも属さず、誰にも遠慮せず、好きなことを書いて生計をたてている橘玲氏は、読者の声を糧として生きています。
    「ひとは自分と似ているひとからの助言がもっとも役に立つ。」
    わたしは勝手に橘玲氏に似ていると思っています。

  • 2017/07/23(日)
  • 神様の裏の顔 藤崎翔

    神様の裏の顔

    神様のような清廉潔白な教師、坪井誠造が逝去した。その通夜は悲しみに包まれ、誰もが涙した。…のだが、参列者たちが「神様」を偲ぶ中、とんでもない疑惑が。実は坪井は、凶悪な犯罪者だったのではないか…。坪井の美しい娘、後輩教師、教え子のアラフォー男性と今時ギャル、ご近所の主婦とお笑い芸人。二転三転する彼らの推理は!?どんでん返しの結末に話題騒然!!第34回横溝正史ミステリ大賞“大賞”受賞の衝撃ミステリ!

    知り合いに薦められて読んでみました。

    作者の藤崎翔氏は、元お笑い芸人です。「セーフティ番頭」という芸人を6年続けたあと、作家に転身したという異色の経歴を持っています。

    その芸人が書く、コントのようなお通夜のはなし。それが「神様の裏の顔」です。
    コントのように、非常に馴染みやすいのです。すっと、腑に落ちる内容です。

    清廉潔白の教師、坪井誠造の通夜は、誰もが涙して、厳粛に進んでいきます。

    しかし、もしかしたら、坪井誠造は凶悪犯罪に手を染めていたのでは?という疑惑が湧いてきて、そのための証拠証言が次々と上がってきます。
    そして、いよいよ、坪井誠造は実は殺人事件の犯人だったと断定されるときに、ひとつの大きなどんでん返しがあります。
    それで、物語が収束するのかなと思ったあとに、

    「もう一回のどんでん返し」が潜んでいました。
    ある種の叙情トリックですが、わたしには新鮮に感じられました。

    湊かなえのような、人間の裏の顔を書いた作品ですが、全体に流れるライトな感覚が読みやすさを助長しています。
    スラスラと読める、叙情ミステリーです。

    オススメです。

  • 2017/07/22(土)
  • すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 堀江貴文

    堀江貴文 すべての教育


    義務教育の「常識」を捨てろ、「好きなこと」にとことんハマれ!
    真に「自由」な生き方を追求するホリエモンが放つ本音の教育論

    学校とは本来、国家に従順な国民の養成機関だった。しかし、インターネットの発達で国境を無視した自由な交流が可能になった現代、国家は名実ともに"虚構の共同体"に成り下がった。もはや義務教育で学ぶ「常識」は害悪でしかなく、学校の敷いたレールに乗り続けては「やりたいこと」も「幸せ」も見つからない。では、これからの教育の理想形とはいかなるものか? 「学校はいらない」「学びとは没頭である」「好きなことにとことんハマれ」「遊びは未来の仕事になる」――本音で闘うホリエモンの〝俺流〟教育論!

    自ら学び、楽しく働く姿を取り戻せ!
    「好きなもの」は無敵の武器だ! /ハマる対象は何でもいい/三つの「タグ」で自分の価値を上げろ/あなたは「レア」人材か?/決断の時は「今この瞬間」/未来予測なんてできるわけない/義務教育が植え付けるのは空虚な「常識」/これから人はG人材とL人材に分かれる/楽しくない仕事は今すぐ辞めろ! /モノは持たなくていい/「所有」から「アクセス」へ/「快のシェア」がこれからの幸せ/「学び」とは「没頭」すること/「没頭」は天才の特権ではなく誰でもできる/学歴や資格を活かそうとするな! /「目標」を設定すると「目標以上」になれない/「やりたいこと」をやってる人にはかなわない/「手抜き」で有限の時間を守れ! /行動は「これいいじゃん」という小さな発見から/「遊ぶ」「働く」「学ぶ」は三位一体


    堀江貴文の新書です。
    過去から現代、全く変わっていない学校教育を真っ向から否定し、
    現代を自由に生き抜くためには、学校教育を辞めてしまおうという持論を展開します。

    いつものように、歯に衣着せぬ物言いで、非常に心地よいです。

    気になったところを箇条書きに。

    一言で言えば、従順な家畜である。



    学校教育で洗脳を受けた人たちは、社会にでて、就職して、「従順さ」「理不尽への耐性」を遺憾なく発揮して生きていきます。
    そのほうが社会がうまくいくからです。
    教師に食って掛かるような生徒は淘汰されるし、従順な学生だけが、いい会社に就職して、良い社員になっていくと指摘します。
    学校教育は、従順な社員(昔は兵隊)を生産するための工場なのです。

    20170722_10115

    お勉強からは何も生まれず、、すべてのイノベーションは「学び」から生まれると説きます。
    学校教育で教えるのは、お勉強。自分で課題を見つけて能動的に取り組むのが、学び。
    わたしにとっての学びは、株式投資であり、不動産投資であるのだなあと思っています。これには正解が無いですし、自分で課題をみつけて改善していけば、成功の世界は無限に広がっています。

    貯蓄型思考は辞めて、投資型思考を。



    学校教育は貯蓄と一緒、一万円を貯蓄しておくのではなく、10万円、100万円と増やしていくための投資型の思考を持とう。


    失敗のリスクをゼロにする方法は、「やらないこと」。この方法では必然的に成功の可能性もゼロにしてしまう。



    氏が一貫して言っている、「やればいいじゃん」っていう発想。失敗を恐れずになんでもチャレンジして、失敗から学び、成長するひとが成功できるのです。


    過去を再利用しない。
    自分が今までの努力で得てきたものを、なんとか未来にも活かしたい。そこについやしてきた時間を無駄にしたくない。そういった未練とは潔く手を切って欲しいのである。あくまでも「今」あなたが何をしたいのかが、出発点だからだ。



    ガツンと来ましたね。
    わたしは医師という職を捨ててまで、自分のやりたい投資の道にどっぷりハマれるでしょうか。


    僕は自分の「いいじゃん!」って感覚を信じている。



    このように自由に生きる堀江貴文氏をただただ羨ましく思いました。
    じゃあ、医者やめて好きなことやれよ、って堀江貴文氏に言われそうです(笑)

    わたしの人生を変える一冊になったのは間違いないようです。

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