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カブシキ!

  • 2018/08/26(日)
  • 殺意の対談 藤崎翔

    殺意の対談 藤崎翔

    人気作家・山中怜子と、若手女優・井出夏希。新作映画の原作者と主演女優の誌上対談は、表向きは和やかに行われたのだが、笑顔の裏には忌まわしい殺人の過去が…。同様に、ライバル同士のサッカー選手、男女混成の人気バンド、ホームドラマの出演俳優らが対談で「裏の顔」を暴露する時、恐るべき犯罪の全貌が明らかに!?ほぼ全編「対談記事+対談中の人物の心の声」という前代未聞の形式で送る、逆転連発の超絶変化球ミステリ!


    藤崎翔の作品を読むのは2冊目です。
    神様の裏の顔は、氏の代表作でとてもできたミステリーです。
    最後の叙述トリックでのどんでん返しは、すごく斬新でした。

    その藤崎翔氏の2冊目も楽しく読めました。
    雑誌の対談形式で、登場人物の会話と心の声だけで物語は進行していきます。
    いわゆる「地の文」というのが皆無です。

    この作品でも、最後のところで叙述トリックが使われています。

    登場人物たちの変装で、一体誰が誰かわからない状態になってしまい、
    最後は犯人だったと思っていた人が実は死んでいたという展開です。

    氏の作品は、ミステリー界に新たな風を吹き込みそうです。

    ライトで読みやすい書き味と、会話文という組み合わせで、とてもスラスラといける本でした。
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  • 2018/08/19(日)
  • 人魚の眠る家 東野圭吾

    人魚の眠る家


    答えてください。
    娘を殺したのは私でしょうか。

    東野圭吾作家デビュー30周年記念作品
    『人魚の眠る家』

    娘の小学校受験が終わったら離婚する。
    そう約束した仮面夫婦の二人。
    彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前。
    娘がプールで溺れたー。
    病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。
    そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。

    過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのか。
    愛する人を持つすべての人へ。感涙の東野ミステリ。



    テーマは脳死です。
    東野圭吾の切り口で脳死判定問題に切り込んだ作品。

    ミステリー的な要素はなくて、物語は淡々と進んでいきます。
    日本の脳死判定の問題点を鮮明にえぐり出してくれますが、ではどう改善したら良いのかは誰にもわかりません。
    脳死判定の事例が少ない理由もわかるでしょう。普通は残された家族は脳死判定の道を選びません。

    日本の医療は意思決定を「先延ばし」にする風潮があります。
    脳死判定、延命治療、誰もが責任を取りたくないため、とりあえず命を延ばしておこうか、、、となります。

    人の命についても、もっとドライに扱ってもいいと思いますが、、
    そんなことを言うと、ボコボコに批判されるので、やめておきます。

  • 2018/08/18(土)
  • 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている ふろむだ

    ふろむだ


    伝説的なブログ『分裂勘違い君劇場』を中心に、
    何百万人もの感情を揺さぶり続けたモンスター・ブロガーがついにデビュー!

    実力を磨くよりも、はるかに人生を好転させる
    「錯覚資産」とは何か?

    誰もが一度は思う
    「なんであんな奴が評価されるんだ! ?」の謎を解き、
    「誰にでも使えるズルい武器」として解説する異色作。

    本書を読み終えた後には、誰もが
    人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
    というタイトルに納得しながらも、
    そうした世界でどう生きるべきかを考え込んでしまうはずだ。

    ◆「興奮」と「目からウロコ」の声多数!

    ◇控えめに言って人生を変えうる悪魔の書なのでみんな読んだほうがいい
    ◇こんなに実用的な心理学の本は初めてだ!
    ◇「うわぁ」と声が出るぐらい面白かった
    ◇何度も読みかえすスルメ本になるだろう
    ◇控えめに言ってやばすぎ。読むだけで人生変わる本ってそうないけど、久々にきた
    ◇この本を今の歳で読めたことは、ものすごい幸運だった
    ◇“運"って、運用できるんだ! やらなきゃ!
    ◇本当に気持ちよく仕事をする方法が書かれた本だ
    ◇「錯覚資産」という概念はすごく面白くて、個人的には「悪いファスト&スロー」だと思ってます


    すごい本を読みました。

    世の中の真理をこれほどわかりやすく解説してくれた本はなかなか無いです。
    錯覚資産について、わかりやすく教えてくれます。
    ただ、内容はファストアンドスローの一部を抜き出して、詳細でわかりやすい内容を加えてものになっています。ファストアンドスローを深く理解できるひとは、ファストアンドスローを読んだほうがよいと思います。

    テーマは人間の認知の歪みについて。
    橘玲氏が書かれるような内容を、めちゃくちゃに噛み砕いて、わかりやすい挿絵も加えて教えてくれます。


    印象に残ったところを箇条書きに。

    「自分の得になるような、他人の勘違い」(=錯覚資産)は生涯賃金に換算して、何千万円、何億円ものもお金を生む。



    「実力がある」から良いポジションを得られるのではなく、「実力があると周囲が錯覚する」から良いポジションを手に入れられる。



    錯覚資産なしには、自分の人生の活路を切り開くことはできない。



    錯覚資産という言葉を用いて、人間の認知がいかにいい加減であるかを教えてくれます。
    特にハロー効果による認知の歪みは大きいものです。
    世の中、実力主義になっていないという身も蓋もない現実を受け入れて、その歪みを利用して成功しようという本です。

    ちなみに、本書自体が筆者の錯覚資産を活用して書かれています。


    人間は直感的に正しいと感じることが正しいとしか思えない。客観的事実よりも自分の直感のほうを信じる。



    逆に自分の人生を決めるような判断をするときには、徹底的に直感を排除して論理的思考にて決定をくださないといけないのです。

    そもそも、才能があるかないかなんて自分にも他人にも見分けがつかない。見分けがつくと思っているは、だいたい思考の錯覚だ。




    人間は、「一貫して偏った間違った物語」に説得力と魅力を感じるんだ。
    人間は、「バランスの取れた総合的な正しい判断」は説得力がなく、退屈で面白くないと感じる。



    一貫して間違うというのは、受け入れがたいかもしれませんが、
    SNSとかネットでバズっているのは、間違った物語なのです。


    大きな錯覚資産を手に入れないたなら、一貫して偏ったストーリーを語らなければならないし、
    「シンプルでわかりやすいこと」を、それが真実であるかのように言い切ってしまうこと、本当は断定できないことを断定してしまうこと、が大切。 自分がどんな意見をもっているかは、旗色を鮮明にしたほうがいい。




    錯覚資産は、
    多次元図形の体積として表現できる
    指数関数的に増大する
    実力と錯覚資産は、相乗効果で増大していく



    これを繰り返すことで、ごく一部の人間に錯覚資産が集中してしまう。
    ホリエモンなどのα垢が出てくるはこの構造によるもののようです。

    実力中心の世界観で生きる人間よりも、
    錯覚資産-運-実力の世界観で生きる人間のほうが圧倒的に強い。



    すっと腑に落ちるような内容ではありませんが、
    これが世の中の真理なのでしょう。
    だとしたら、わたしたちはこれからどうするか。

    世の中の流れについていくしかありません。

  • 2018/08/17(金)
  • 80’s エイティーズ 橘玲

    80橘玲

    1959年生まれ。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)や『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)などのベストセラーで知られる著者だが、若い頃、何をやっていたのかはいままでほとんど語られていない。

    本書は、著者が1980年代はじめ、「この世界の真実は社会の底辺にある」と思っていた大学時代から、阪神大震災、オウム地下鉄サリン事件のある1995年までをまとめた自伝的回想録的な物語である。マクドナルドの清掃バイトから出版業界の最底辺へ、やがてジャーナリズムのまっただ中に至った著者。バブルがはじまり無残に崩壊するまで、何を体験し、何を感じ、何を考えたのか。自ら投企したことと、バブルに翻弄されたさまざまな人物の群像とその行方。「億万長者」になる方法を語る作家になる前の、長い長い‶80年代"の青春とは?

    日本がいちばんきらきらしていたあの時代、
    ぼくは、ひたすら地に足をつけたいと願った。

    その後ぼくは、「世の中の仕組みはどうなっているのか」とか、「どうやったらもうちょっとうまく生きられるようになるか」というような本を何冊か書くが、そのとき気づいたことを最初から知っていればまったくちがった人生になったと思う。でもそれは、ものすごくつまらない人生だったかもしれない。(「あとがき」より)



    ついにあの橘先生がご自分の個人情報を公開されました。

    早稲田大学在学中にマクドナルドで清掃のアルバイトをし、モテない人生を歩んで来られたことをアピールされておられますが、
    就職してすぐに結婚して子供をもうけていることから、決してモテなかったわけではないとわかります。
    氏がすごいのは、就職した出版業界で破竹の勢いで活躍するのですが、35歳のとき(1995年という節目の年)に、あっさりと出版業界から書き手に転職してしまうことです。

    出版業界ではキュロットギャルズという女子高生向けの雑誌を作られますが、青少年の倫理観に背くとの理由でわずか3巻で廃刊となってしまうエピソードは面白かったです。

    その後は、海外投資を楽しむ会を立ち上げて、海外投資を実践してその様子を出版することに全力を注がれます。
    2002年に伝説の名著、「黄金の羽根」を出版して、氏の名前は日本国中に轟きます。

    橘玲の名前をそのまま使って、海外投資ミステリーの「マネー・ローンダリング」「永遠の旅行者」の小説をヒットさせ、不動の地位を得ます。

    ブログやTwitterなどで情報を発信し続けて、いまもなお最新の情報にキャッチアップしておられる姿はとても尊敬できます。
    わたしも常にTwitterでフォローしています。

    自分の来歴を語られたのは、何かの理由があったのだろう。
    これからの橘玲氏の活動が楽しみすぎるのです。

  • 2018/08/04(土)
  • メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問

    メタ思考トレーニング

    メタ思考とは、「物事を一つ上の視点から考える」こと。その重要性はしばしば語られますが、実践するのは容易ではありません。例えば自分自身を「幽体離脱して上から見る」こと(=メタ認知)は、自己成長のためには必須の姿勢であるとよく言われますが、実際にそれができている人はそう多くはないでしょう。
    そこで本書では、メタ思考を実践するための二つの具体的な思考法(「Why型思考」と「アナロジー思考」)を紹介するとともに、それをトレーニングするための演習問題を多数用意しました。

    ●問題:「信号機」と「特急の停車駅」の共通点は?
    ●問題:「経理業務」と「スポーツ審判」の共通点は?
    ●問題:「タクシー」と「土産物屋」の共通点は?
    ●問題:お寿司以外の「回転○○」を考えよ。
    ●問題:「顧客の気持ちに絶対になれない職業」とは?
    ●問題:「年賀状がたくさん来る人」とはどんな人?

    ……問題を解いていくうちに思考回路が変わり、考える力が飛躍的にアップする1冊!

    【本書の構成】
    第1章 ウォーミングアップ編
    第2章 Why型思考のトレーニング
    第3章 アナロジー思考のトレーニング
    第4章 ビジネスアナロジーのトレーニング


    新書です。電子書籍にて読了。
    とてもためになりました。

    物事を正面から見るのではなく、俯瞰して、他者の視点、鳥の目線で見てみよう。
    知っていると思いこんでいるものに疑問を持とう。
    知識が凝り固まってませんか?ほぐしてみよう。
    という内容の本です。

    気になったところを箇条書きに。

    物事を
    1. 一つ上の視点から考えてみる
    2. 思い込みや思考の癖から脱する
    3. 創造的な発想



    これがメタ思考の基本です。自分の置かれている立場を一つ上の視点から考え直してみる。自分が見えていない(と思われる)部分を意識して見てみることで、新しい発想ができるというものです。
    すべてのことに疑問を持って、「なぜ?」と疑ってかかるところから本書はスタートします。

    感情に任せて行動するひと
    思い込みが激しいひと
    常に具体的でわかりやすいものを求めるひと
    根拠のない自信を持っているひと
    他人の話を聞かずに一方的に話すひと
    「自分は特別だ」という意識が強い人

    間違ってものこの種のひとたちが本書を読むことはありません。「気が付かない」ことが最大の欠点である以上、その手の気が付いてない人達は、自分の視野の狭さに気が付くことはないのです。



    笑いました(笑)
    まずは気が付くことから始めないと、一生かかってもメタ思考にたどり着くことはありません。

    「上司の短所」はいくらでも挙げられるが、自分は「良い上司」だと思っている



    どきりとしました。
    自分の特殊性は排除して、自らを客観視することはとてもむずかしいですね。
    近頃の若いものは、的な発言は非メタ思考の権化とも言われる発言のようです(笑)
    例: 遅刻の連絡をLINEでしてくるなんてけしからん

    自己矛盾


    問題解決におけるメタ思考とは、いきなり問題を解き始めるのはなく、まず「問題そのものについて」考えることを意味する。



    問題を解くこと、そのものになんの意味があるのか、
    問題の外側には何があるのか、
    なぜ?こんな問題が存在するのか、
    他にもやるべき問題があるのではないのか、

    これがメタ思考です。


    自分に何ができただろうと考えるためには、お金のせい、時間のせい、には決してしてはいけないのです。



    時間やお金を言い訳にするのは、次元が低いと筆者は説きます。
    メタ思考が習得できるとこのような言い訳はメタのレベルで翻訳して語ることができ、その結果自分でコントロールできる様々な意見を出せるようになるということです。


    「手段の目的化」がよく見られる。



    病院では多くの会議がありますが、その殆どが必要なない会議です。目的の手段化、つまり会議を開くことが目的となってしまっているものがほとんどです。

    パクリとアナロジーの違い。
    最も端的に表現できる違いが類似点の抽象度の違いです。



    パクリとアナロジー

    パクリとは抽象化をしないで、そのまま具体的なところを真似ることで、
    アナロジーは一度抽象化してから再度組み立て直して考えて、抽象化したうえでの真似をすることです。
    他の世界からのアナロジーで、新しいアイデアを作っていくのです。

    アナロジーでは教育においても頻繁に用いられます。複雑かつ難解な概念を説明するのに、身の回りの身近な事象にたとえることで、「サッカーに例えると、」「料理に例えると、」というのが具体例です。



    アナロジーは、ざっくりと抽象的に理解したり、大きな方向性を決めるときに役に立つ考え方と言えます。
    具体的なところを詰めていく段階では必要ありません。
    英語翻訳でいうところの「意訳」がアナロジーです。

    信号機と特急の停車駅の共通点
    増えることはあっても減らすことは難しい、という共通点



    会社のルール、家電の機能、スマホのアプリなど、なかなか減らせないものは多数ありますね。
    あれば便利ということでどんどんと付加していきがちですが、増えすぎると困ることがあります。また、減らすためには多少の勇気が必要です。

    コミュニケーションギャップ





    Uberはいま世界で起こっている「オンデマンドマッチングサービス」のほんの氷山の一角でしかないのです。



    今後はこのようなマッチングサービスがたくさん出てくるという予想です。
    ありとあらゆるマッチングサービスが登場するでしょう。
    Uber自身もタクシー以外の様々なマッチングサービスを考えているようです。

    一般の個人をレーティングするサービス「Peeple」というアプリが2015年にリリースされて物議を醸しました。



    今後はAmazonの評価のような、レーティングを人間にも当てはめる時代がくるでしょう。
    いろいろな反対意見はあるでしょうが、世の中の流れは変えられません。いま以上に他者の評価が重要になってくる世の中がやってきます。そうすると、いまの政府とか行政の役割は少なくなってくるのでは?と予想します。

    メタ思考が強い人は「自虐ネタ」が得意です。



    メタ思考ができるひとは自分を客観視できるので、その欠点がよく見えます。
    そしてそこにツッコミを入れることで自虐になるのです。



    これらの引用のようなポイントを気をつけることで、普段とは違う思考を取り入れる事ができます。
    いままでの自分の考え方を疑って、新しい思考を身に着けていこうと思いました。

  • 2018/07/07(土)
  • 頭に来てもアホとは戦うな 田村耕太郎

    頭に来てもアホとは

    【第1章】 アホと戦うのは人生の無駄
    ●他人とのいざこざで人生を浪費していた自分
    ●無駄な戦いを繰り広げる人の特徴
    ●厄介な無駄なプライドの捨て方
    ●蒸し返して傷を大きくするな

    【第2章】 臆病者のための 戦略的コミュニケーションのススメ
    ●臆病なコオロギの強さ
    ●嫌な相手にこそやられたフリ
    ●メンツより実利
    ●「生意気は元気な証」だなんて思うな
    ●耐えて耐えて、耐え抜いた人が勝つ
    ●消えない怒りの解きほぐし方
    ●カッときたら幽体離脱
    ●仕事に敵という発想はいらない
    ●きまずいときこそ、無理にでも話しかける
    ●アップサイドのある人だけに絡め
    ●それでも一度はアホと戦え!

    【第3章】 どんな強者でも 味方にする『人たらし』の技術
    ●人生で一番大切な能力
    ●相手の気持ちを見抜くためのちょっとしたコツ
    ●人を意のままに動かす技術
    ●腰の低い人ほどデキる人が多いのはなぜ?
    ●困っていなくても困った顔をせよ
    ●淡々とこなす者が最後には勝つ
    ●2年間売上ゼロの私が、全社で1位になれた理由
    ●常に楽天的であれ
    ●皮肉な「ものの見方」を鍛えよ
    ●偉くなっても偉ぶらない『偉さ』

    【第4章】 権力と評価の密接な関係
    ●上司があなたを見てくれないのはなぜか?
    ●仕事で評価される人・されない人
    ●不本意な人事異動の正しい耐え方
    ●無駄な会議を建設的にする方法
    ●喧嘩が下手な日本人
    ●日本企業は権力闘争が好き?
    ●力にすり寄るのは汚いことか
    ●権力を握る人の条件
    ●飲み会を有意義にする方法
    ●不機嫌な職場で、息苦しいあなたへのヒント

    【第5章】 他人の目を気にするな
    ●人生は、あなたが主役であるべきだ
    ●人に好かれたい願望
    ●張り合わず、自分のために利用せよ!
    ●苦手な相手に「うん」と言わせる説得術
    ●突き抜けたプレゼンはテクニックより「本気度」
    ●自然と自信がつく、スーツの着こなしのコツ
    ●心がポッキリ折れたときの自信の取り戻し方
    ●他人を恨むな

    【最終章】 アホとではなく自分と戦え!
    ●ネットを見る暇があったら自分と向き合い
    ●デキる人間に囲まれた環境に飛び込め!
    ●自分の人生に満足できるかが、すべて
    ●リスクだらけの人生をどう生きるか?
    ●有限な人生を活かすために、私がやっていること
    ●あなたの「目的」はどこにある?



    田村耕太郎氏は、
    サラリーマン→30代で政治家(国会議員)→実業家 現在シンガポール在住という様々の経歴をもつひとです。
    この本で初めて氏を知りました。

    この本は、タイトルにインパクト大で、出落ち感があります。
    内容はほとんどの自己啓発本の焼き直しと言ってもよいでしょう。

    付箋を打ったところを箇条書きに。

    無駄な戦いを繰り広げるひとの特徴
    ・ 正義感強い
    ・ 自信にあふれる
    ・ 責任感が強い
    ・ プライドが高い
    ・ おせっかい



    おせっかい、に笑いました(笑)
    居ますよね。こんなひとたち。正義感や自信は大切なことなんですが、方向性が違うんですよね。。
    無駄な戦いに、正義感を突っ込んでも何も生まれません。
    変なプライドは捨てて、無駄な戦いからは早めに降りるのが良いです。


    サンクコストとは「覆水盆に返らず」ということ。
    投資を始めた時点では正しい判断であっても、損失が膨らんだときに、早めに損切りしてしまうことが大切。
    日本人は終わってしまった過去と決別するのが本当に苦手。




    これは、株式投資に言えますね。
    損切りは大切です。日本人は、自分の負けを確定させたくないがためにずるずると下がった株をもちつづけて塩漬けにすることが多いようです。


    『孫子の兵法』敵の10倍の戦力であれば、敵を包囲すべきである。5倍の戦力であれば敵軍を攻撃せよ。

    戦闘的で用心深さがない個体は戦いすぎて疲弊してしまう。



    孫子の兵法が出てきます。
    本当に賢くて強い個体は、無駄な戦闘はしないのです。圧倒的な強さで、敵を包囲して降伏させてしまいます。
    戦わずして勝つのが一番良いのです。。


    悪口は羽が生えて相手のところに飛んでいく



    悪口は絶対に公言してはいけないのです。どうしても言いたかったら、誰の目も耳もないところで一人で叫んだり文字に書けばよいのです。絶対に相手に伝わらないというのが重要です。

    アイデアや熱い想いは世の中に溢れている。重要なのはそれを実行して世の中にインパクトを与えることだ。
    いくら賢くても、一人では大したことは実行できない。(中略)
    そのために必要なのは、相手の気持を理解する能力だ。これがたいていの頭のいい人に欠けている気がする。正確に言うと、頭のいい人ほどこの能力がないとさえ思う。



    自分の気持を一旦置いておいて、相手の気持ちになってみないといけません。
    頭のいい人はこれができない傾向にあります。

    わたしの周りは医師ばかりですが、頭の良いはずの彼らが相手の気持ちが全く理解できていないことを目の当たりにすることが多々あります。
    例えば、初期研修医を自分の臨床科に勧誘するとき。研修医の気持ちになって勧誘しないと、いけないんです。でも殆どの医師は、「自分の科はこんなにすばらしい」「自分の科はこんなにやりがいがある」と自分の科のことばかりアピールするんです。
    相手の気持ちになって考えてみると、「あなたの今後の医師生活を考えると」「あなたの適性を考えると、」って、研修医の立場になってそのひとの今後のキャリアにあった方向性を考えてあげるべきなんです。

    頭の良いはずの医師も、相手の気持ちを理解するのは苦手みたいです。


    『人を動かす』デール・カーネギー
    他人を動かす三原則
    ・ 避難するな
    ・ 認めよ
    ・ 相手の欲しがるものを理解せよ



    最初の2つは挨拶のようなもので、
    最後の相手の欲しがるものを理解するのが一番大切です。


    あなたが居なくてもたいていの場合、組織は困らない。替えが効くのだ。天才一人の実績は、凡人数名のチームワークで取って代わることもある。



    これを理解していない医師は多いです。
    自分が居るから診療科が回っているのだと、思い違いをしている医師。結構います。
    そんな思い上がった医師は休まないんです(笑)「オレが居ないとだめなんだ」と言いながら。

    そうでは無くて、そのひとが居なくても居ないように組織は動いていくのです。


    飲み会は大切か?
    自分の大事な時間を昼間も一緒にいる人と過ごすなんて時間の無駄である。



    飲み会は基本的には行かないようにしていますが、どうしても行かないといけないときは、
    ネットワーキングに使うようにします。
    自分の仕事をスムーズに進めるために、飲みの席でのコミュニケーションを明日からの仕事に活かすのはアリでしょう。
    二次会三次会は全くの無駄です。


    死ぬときに後悔すること ベスト1
    他人の期待に応えようとするばかりの人生ではなく、自分が真に生きたいと思う人生を生きる勇気を持っていたかった。
    I wish I'd had the courage to live a life true to myself, not the life others expected to me



    自分がなんのために生きているのか。普通は考えても答えは出ません。
    だから「またいつか考えればいい」と回答を先延ばしにしてしまいがちです。
    そして、いつかいつかと先延ばしにした延長に死がやってきます。そして、上記の後悔です。
    他人は思ったほど、あなたには興味がありません。だから自分の好きなように生きるのが良いのです。

    ビジネスパーソンならスーツ姿を大切にしよう。まずはスーツはオーダーものを着てみるのがおすすめである。



    これは絶対におすすめです。
    スーツは、まず一着。ネイビースーツでスリーピースのオーダーメイドをしてみましょう。
    絶対に世界が変わります。
    いままで自分がいかにダサかったか痛感するでしょう。

    脳は使えば使うほどよくなる唯一の臓器。



    他の臓器は使えば使うほど疲弊していきますが、脳みそは使い続ければどんどん成長していきいます。
    逆に使わなければ、どんどん脳萎縮が進行して、ボケていきます。
    人生を長くとらえると、脳は使って使って使いまくるのが良いと言えるでしょう。


    ありふれた自己啓発本の感は拭えませんが、
    ためになる記述もたくさんありました。
    2018年の読書のベスト10には入ると思います。

  • 2018/06/25(月)
  • 朝日ぎらい 橘玲

    朝日ぎらい 橘玲

    「明日は今日よりずっとよくなる」。そういう希望がほんらいのリベラル。
    私たちが、そう思えないのはなぜだろう。

    朝日新聞に代表される戦後民主主義は、なぜ嫌われるのか。
    今、日本の「リベラル」は世界基準のリベラリズムから脱落しつつある。
    再び希望を取り戻すには、どうしたらいいのか?
    若者が自民党を支持するワケからネトウヨの実態、リベラルの未来像まで、
    世界の大潮流から読み解く、再生のための愛の劇薬処方箋!


    尊敬する橘玲氏の、センセーショナルなタイトルです。
    この10年、氏がずっと言ってきた「リベラル」の話です。
    朝日新聞はリベラルの日本代表みたいな選手になっていますが、氏はここに疑問を投げかけます。

    キワードは、
    「右傾化」と「リベラル化」です。このキーワードを意識して読んでいくと理解が深まるでしょう。



    印象に残ったところを、箇条書きに。

    卓越したポピュリスト政治家である橋下徹で、「大阪から日本を変える」



    橋下徹氏は、本当のポピュリストでした。
    大阪都構想で破れて政界を去りましたが、稀代の名政治家だったのは間違いないです。わたしは橋下徹は大好きでした。
    とても残念です。
    この橋下徹を徹底的に研究して登場したのが、日本初のポピュリスト政治家、小池百合子なのです。

    橋下徹氏は、ネオリベを前面に押し出して日本初のネオリベ政治家になりました。
    50代以上は、これを「反動右翼」「ハシズム」として拒絶、40代以下はネオリベこそがリベラルで、これを大いに歓迎しました。
    多数決原理で、50歳以上が多い大阪府では橋下氏は破れましたが、数年後にはまた橋下徹のような政治家が現れることを期待します。

    現在の日本で起きているのは、「改革」をめぐる世代間対立だ。(中略)「既得権益にしがみつかないと生きていけない世代」と「既得権を破壊しなければ希望のない世代」に分断されている。



    日本社会は、このような構造になってしまっているのです。
    50歳代以上にとっては、国民皆保険制度や社会保障制度を死守することが最大の利益で、40歳代以下の者にとってはこれらを崩壊させる政策が最大の利益となるでしょう。
    前者を「右傾化した保守」、後者を「リベラル」と解釈して、わたしは本書を読み進めました。

    保守は終身雇用の日本的な雇用が日本人を幸福にしたと主張し、雇用破壊のTPPに反対し、夫がサラリーマンとして働き妻が子育てに専念する性役割分業こそが日本の伝統だと主張する。



    人生100年の時代に、旧態依然として年金制度がWorkしないのは明らかでしょう。戦後の高度経済成長期に外国から輸入したこの制度がいまの世の中に適合するはずはありません。
    変わらなければならないのです。

    リベラル化の潮流は奴隷制やアパルトヘイト政策などの善悪のはっきりしているほとんどの問題を解決するという大きな成果をあげた。
    その結果、残っているのは信仰の自由と世俗主義の対立、経済格差と自己責任、地球温暖化や原発の是非など、簡単には善悪を決められないやっかいな問題ばかりだ。



    リベラルは簡単に解決できる問題を制圧したが、それ以外のやっかいな問題を解決できないがために、批判の対象になっているという現象です。

    欧米を後追いしながら、日本社会の価値観も確実にリベラル化している。だとすれば「右傾化」とはいったいなんなのか。




    ネット世論に頻出するテーマ
    1. 嫌韓・嫌中意識
    2. 弱者利権認識に基づく、マイノリティへの違和感
    3. マスコミに対する批判



    ネトウヨと呼ばれるひとたちは、「日本人であること」の既得権益を必死で守ろうとします。
    それは自分たちは「日本人である」こと以外になんの自信もないからです。日本人であることにしがみつくために弱者(マイノリティ)を批判し、自分たちはマジョリティであると錯覚します。本当はマジョリティでも何でもないのです。

    (この記事を書いているときに、低脳先生による殺人が起きました。低脳先生はネトウヨなんでしょう。)

    日本の右傾化とは、嫌韓・反中を利用した日本人のアイデンティティ回復運動のこと。




    「白人」「日本人」「男性」というアイデンティティに共通するのはなんの努力もせずに手に入り、共同体の外部にいる他者がそれを名乗ることはできないということだ。



    白人は黒人に対して、日本人は中国人や韓国人に対して、自分とおなじアイデンティティは原理的に得られないことを声高に主張できるのです。なにも努力しないで手に入れたアイデンティティという既得権を絶対に手放したくないというのが、彼らの生存戦略です。

    正義とはそもそもなんだろうか。現代の脳科学はこれを一行で定義する。「正義は快楽である。」これだけだ。



    復讐をしたり、仇討ちをする物語をみると、人間の脳は活性化されます。その活性化される部分は快楽を得たときと同じ部分のようです。

    ネトウヨがアルコール依存症やギャンブル依存、ドラッグ中毒と同じ、インターネット社会が生み出した病理現象=正義依存である。



    ネトウヨは匿名という安全地帯から対象を攻撃します。これは相当な快楽をもたらすようです。ドラッグと同じで、一度快楽を覚えるとずっと匿名コメントなどの「快楽」を求めざるを得なくなります。一種の病気です。

    多様なアイデンティティの多くは、努力と才能によって獲得されたものだ。



    「インド国民」「ベンガル人」「経済学者」「ハーバード大教授」などの多彩なアイデンティティをもったアマルティア・センを例にあげて、アイデンティティはたくさんあったほうが良いと説きます。
    単一のアイデンティティしかない生き方はすぐに行き詰まります。


    働かないのは、個人の自由な選択なのだから、それによって貧困に陥っても社会が援助する必要はない。



    これがリベラルな北欧諸国の一般的な考えです。すべては自己責任なのです。


    人間が誰かの行動の自由に干渉するのが正当だといえるのは、自衛を目的とする場合だけである。文明社会で個人に対して力を行使するのが正当だといえるのはただひとつ、他人に危害が及ぶのを防ぐことを目的とする場合だけである。



    これは功利主義の他人に危害を加えなければ、何をするのも自由という考え方です。この道徳基盤をもつ功利主義者が、WEIRD(奇妙な)です。
    W Western
    E Educated
    I Industrialized
    R Rich
    D Democratic


    アメリカの分裂とは、ニューリッチ=グローバリスト VS トランプを支持するラストベルトのホワイトワーキング・クラスの対立



    今回の大統領選挙では、数の力でホワイトワーキングクラスが勝ちました。
    おそらく日本での同じような現象がおきるでしょう。すなわち、ワーキング・クラスを味方につけた政治家が登場して、うまくやると政権を奪取できるということです。
    日本人であるということ以外にアイデンティティを持たいないひとがすごく増えるので、これらを票田にすれば、日本版のドナルド・トランプになれるでしょう。

    トランプ支持者の多くが低学歴(高卒 中退)であることは様々な調査で明らかだ。
    知能が高い子がリベラルになり、そうでない子供が保守的になる。



    生まれながらにして、「リベラルになりやすい子供」と「保守になりやすい子供」がいるらしいこと。



    ある程度、政治思想は遺伝的要素があるという仮説です。これは科学的根拠がありそうで、責任遺伝子もある程度同定されているようです。
    そして、本書では、政治思想には「匂い」もあると書いてあります。実際に匂いについての実験で、自分と同じ思想をもった人間(異性)の匂いを良いものと感じ、違う政治思想をもった異性の匂いに嫌悪を感じることがるようです。
    (眉唾ですが。。)


    最後までしっかり読むと、橘玲氏の政治的立場がリベラルであるということがわかります。
    いわれない差別にはしっかりと反対し、個人が自由に生きる世界を支持しています。その橘玲氏が世の中にもっとリベラルになってほしいと願い、10年来一貫して主張していることが本書に纏められています。
    リベラルの代表である朝日新聞を名指しし、本当のリベラルな会社になってほしいと願っていることが伝わってきます。


    折に触れて読み返したい一冊です。

  • 2018/06/06(水)
  • 日本再興戦略 落合陽一

    日本再興戦略落合陽一

    AI、ブロックチェーンなどテクノロジーの進化、少子高齢化、人口減少などにより、世界と日本が大きく変わりつつある。
    今後、世界の中で日本が再興するにはどんな戦略が必要なのか。
    テクノロジー、政治、経済、外交、教育、リーダーなどの切り口から日本と日本人のグランドデザインを描く。


    「日本再興戦略」とは、改革や革命ではなく、アップデートです。
    必要なことは、「過去において日本は何が機能したのか、何が時代と合わなくなったのか」を検証すること。
    本書がポジションを取って未来を作る皆さんの一助となることを祈っています。
    (著者より)



    第1章 欧米とは何か
    「欧米」というユートピア/「西洋的な個人」の時代不適合性/「わかりやすさ」の対極にある東洋思想 /日本というブロックチェーン的な国家/平成という破壊の時代を超えて
    第2章 日本とは何か
    日本の統治構造を考える/イノベーティブな日本の宗教/日本にはカーストが向いている /百姓という「多動力」/中流マスメディアの罪日本は超拝金主義/日本を蝕むトレンディードラマ的世界観/「ものづくり」へのリスペクトを回復せよ
    第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか99
    コンビニに行かなくなる日/「人工知能と呼ばれているもの」の本質/最適化・統計・創発/東洋のイメージをブランディングする/人と機械が融合する自然/テクノロジー恐怖症との折り合い
    第4章 日本再興のグランドデザイン
    人口減少・高齢化がチャンスである3つの理由/ゲートのない世界へ/ブロックチェーンと日本再興/日本はトークンエコノミー先進国/地方自治体によるICOの可能性/シリコンバレーによる搾取の終わり /ビットコインの未来を占う「3つの問い」
    第5章 政治(国防・外交・民主主義・リーダー)
    日本だからこそ持てる機械化自衛軍/インド・中国・北朝鮮/揺らぐ民主主義
    第6章 教育
    新しい日本で必要な2つの能力/幼稚園には行かなくてもいい/センター試験をやめよ /MBA よりもアート
    第7章 会社・仕事・コミュニティ221
    「ワークアズライフ」の時代/兼業解禁と解雇緩和をセットにせよ/士農工商を復活させよ/「ホワイトカラーおじさん」の生かし方/年功序列との決別/「近代的人間」からの卒業/「自分探し」より「自分ができること」から始める/モチベーション格差の時代



    話題の本。
    いまさらですが、楽しく読めました。
    著者は筑波大学の教員でありながら、いろいろな活動を行っているマルチな才能を持った方です。特に物理学などのテクノロジーへの造詣が深いため、その知識をもとに数年後の未来を予想することが、「具体的に」できています。

    印象に残った、覚えておかないといけないことを箇条書きに。

    高度経済成長の正体とは、
    均一な教育
    住宅ローン
    マスメディアによる消費購買行動
    の三点セット。



    国民を学校に詰め込んで、教育して、住宅ローンを背負わせてお金の自由を奪い、マスコミを使って世論を操作して、消費購買行動を喚起していくという戦略が、みごとにハマったのが高度経済成長です。
    これらの戦略は、いまなお有効と思いますが、これからは違う視点で戦略をたてないといけないというのが氏の考えです。

    座右の銘は、「変わり続けることを変えず、作り続けることをやめない。」



    指数関数的な成長において、すべての点は、いつでも始まったばかり。というフレーズも好きなようです。
    後述する人口減少という稀有なチャンス、氏はいまが始まりと捉えているようです。

    日本人は、ゲームがフェアであることは意識するけれども、権利が平等であることはあまり意識しない。



    代官が片方によった裁きをするのは嫌がるけれでも、士農工商の考え方は受け入れられる土壌が日本にはあるということです。
    身分の違いがあることは、ある程度受け入れられている概念と考えて良さそうです。

    神の物語を編んで、その子孫が天皇であるというデザインが、2000年近く続いている。



    確かに諸外国をみても、なかなか無いデザインですよね。

    日本にはカースト制度が向いている。



    上記のような日本の伝統を考えると、カースト制度というのは日本人にはしっくりくるのでは?というのが氏の発想です。
    医師をしていて思うのは、「先生の言うとおりにします。」となんでもかんでも人のいうとおりにすることが幸せなひとが多数いることです。
    こういう人たちは、生まれたときから身分とか職とか、住むところなどを「先生」に決めてもらうことが幸せなのでしょう。

    ちなみに医師は「農」に属します

    Tweet

    オフィスでエクセルを打っていた人たちは機械に置き換わっています。なにか具体的なものを作り出せるひとや、百姓のようにいろんなことをできるひとは食いっぱぐれない。




    金融機関などのお金からお金を生み出す制度が一番儲かるという考えが間違っているのです。
    制度や発明などの生産性のあることは何もしていませんし、社会に富を生み出していません。



    金融機関に就職したがる若いものが多いことを嘆いた箇所です。
    これもマスメディアの洗脳の賜物だといいます。
    トレンディドラマの主人公が銀行員であってオシャレな服を着て颯爽と働く姿をテレビで見て将来を想像するのでしょう。これもマスメディアによる洗脳の一種です。
    洗脳を受けずに、自分の考えを持つことは大切であると感じました。

    インターネットは最初に大きなマスという概念をもたらし、いまはインターネットがマスからパーソナライズへ移行しようとしている。



    教育が大きなマスで、均一であることを批判し、個別化が必要と説きます。


    自動運転の技術が本格化すると、これまでは運転することで自然と時間が潰せていたのに、時間が潰せなくなっちゃった。余った時間でなにをすればいいんだ?と個人に問うことになる。



    自動運転は、近い将来実現するであろうという予想のもと、
    車に座っているだけで、目的地についてしまうという現象がおきます。今まで運転に要していた時間や労力を別のイノベーションに使えるというのです。日本は世界に先駆けて自動運転が本格化するでしょうから、このイノベーションを再興戦略に使わないのはもったいないという考えです。

    わたし自身は運転はしないのですが、移動時間に「何をするか」は今後重要になってくると思います。
    洗濯機や掃除機や食洗機のおかげで、使えるようになった時間をどのように使ってきたかを振り返るのもひとつの考察になりますね。

    Airbnbについて、なじめないとか言う人がいますが、頭ごなしに否定するのではなくて、自分のマインドセットが今風ではないのでは?と疑ったほうがいい。そういう新しい価値観を受け入れていくほうが生きやすい。



    情報がオープンになって、プライバシーとかプライベートというものの概念が変わってくるではという予想です。
    すぐには受け入れがたい内容ですが、こういう社会の変化に柔軟に対応していかないと、生き残っていけないのかもしれません。



    人口減少と少子高齢化は、日本にとって大チャンス



    ここは一番感銘をうけたところです。
    1. 自由化、省人化に対する打ちこわし運動が起きない
    2. 輸出戦略
    3. 教育投資
    の3つがチャンスである理由です。

    人口減少で、働き手が少なくなる中で省人化に対する反対運動が起きずに、イノベーションが加速度的に浸透していくことが予想できます。

    輸出戦略は、いまから日本が世界に先駆けて体験する高齢化社会での、介護などの技術、ロボット技術や社会制度を、若者が多い途上国に輸出することで、日本再興のチャンスがあるということです。

    教育投資は、余った人材をひとを教育することに投下できることで、優秀な子供を育てることができます。


    インドと手を組めば中国を挟み込めるので、地理的に日本は有利になります。インドとともに、今まで通りアメリカとも戦略を共有していたら、日本の外交は安泰だと思います。



    日本の問題点は、とがった才能のあるリーダー2.0的な人がリーダーになろうとすると排除しようとしてしまう。



    これはその通りですね。
    橋下徹や、ホリエモンや、落合陽一のようなイノベーションを起こせるひとがリーダーにはなれない選挙制度になっているので、制度自体をなんとかせねばなりません。
    アメリカはトランプのようなひとが大統領になれるシステムだから、尖ったリーダーが出てきて革命のようなことが起きますね。見倣うべき。

    研究とはお作法です。



    働かない人たちを分社化して外に出して、コア人材だけを会社に戻すという取り組みは一部のメーカーでは行われていますが、今後、この流れは加速します。



    トヨタでさえも首をきる時代になるという予想です。
    今後は働かないホワイトカラーが余ってくるのは明白ですから、いまのうちに実際にモノをクリエイトできる人材になっておかねばなりません。ブルーカラーでもいいと思います。



    必要なものは、「今、即時的な必要なものをちゃんとリスクを取ってやれるかどうか」



    AIにはリスクをとることができません。
    デジタルヒューマンに必要なのは、考えて必要なことにリスクを投じることができるかだと思います。
    意思決定はコンピュータにはできないので、決定するのは自分です。


    堀江さんの考えはとても先進的でしたし正しかった。しかし、目指すゴールがうまく伝わらずに、敵対的な買収のほうばかりが報じられたことが不幸でした。



    ライブドアで有名になって、その後逮捕された堀江貴文氏のことを残念がっています。イノベーションを起こすひとの足を引っ張る土壌がとても残念です。
    今後は大企業にAIなどを提供して新しい価値を創造できるような企業がでてくるでしょう。
    そういう企業を青田買いして、投資したいと思いました(笑)



  • 2018/05/28(月)
  • 大人の語彙力大全  齋藤孝

    齋藤孝 大人の語彙力


    “大人の質”は、身に付けた「言葉の数」で決まる!

    「この人できる!」と思われる語彙を全て網羅!

    仕事の力量があるかないかということ以前に、稚拙な表現や思慮の浅そうな表現をしていれば、
    社会人としてのレベルを低く見積もられてしまいます。

    社会人としての評価を上げ、キャリア形成でつまずかない、軽く扱われないための
    「知性と教養を感じさせる語彙」483語を日本語研究の第一人者、齋藤孝先生が一挙解説!


    文字通り、語彙力を高めるために読みました。
    ページを捲ってみると、自分の知らない単語のオンパレードで、語彙力不足を痛感しました。

    わからなかった語彙に印を付けたので、ここに纏めておきます。


    第一章 基本語

    時宜を得る

    良い時期を捉える。タイミングが良いこと。


    鬼籍に入る

    死ぬことの婉曲的な言い方。


    よんどころない。

    そうするより仕方がない。やむを得ない。


    不躾

    礼儀がなっていないこと。無作法なこと。


    遵守

    じゅんしゅ。法律や道徳をよく守ること。
    そんしゅと読まない。

    苦衷

    くちゅう。苦しい心の中。
    衷はこころや物事の真ん中という意味です。
    Ex. 苦衷をお察しします。


    同慶

    どうけい。自分にとっても同じ様に喜ばしいこと。
    Ex. このたびのご昇進は、ご同慶の至りです。

    慚愧

    恥じ入ること。
    Ex. この度の失礼、甚だ慚愧の至りです。

    小職

    地位の低い官職。自分を謙遜して言う。

    歯牙にもかけない

    問題にしない。相手にしない。

    愁眉を開く


    愁眉は、愁いを含んだ眉。
    愁眉を開くとは、悲しみや心配がなくなってホッとした表情になること。

    夢寐にも

    寐は寝るの旧字体。
    夢寐にも忘れないは、どんなときも忘れないという意味。

    悲喜こもごも

    悲しいこととうれしいことを、代わる代わる味わうこと。

    滅相もない

    とんでもない。あるべきことではない。
    滅相とは、仏教で存在するすべてのものが滅びて過去に入ること。あってはならないこと。

    お歴々

    地位の高い立派な人の集まり。


    半畳を入れる

    他人の言動に非難の言葉をかけること。

    毒気に当てられる

    非常識な行動に呆然とすること。
    Ex. 傍若無人に行動する人の毒気に当てられて、早々に帰ってきたよ。

    教唆

    他人をそそのかすこと。他人が罪を犯す用にしむけること。


    遡及

    過去に遡って影響を及ぼすこと。

    凋落

    しぼんで落ちること。衰えること。

    忸怩たる

    自分の行いを恥じる様子。


    不世出

    滅多に夜に現れないほど優れていること。



    第2章 敬語

    賢察

    相手を敬って、その人が推察することをいう言葉。お察し。


    寛恕

    心が広く、思いやりのあること。過ちなどを咎めずに許すこと。
    恕は、思いやりの意味。


    お気持ちだけいただきます。

    相手の配慮をやんわりと断る言葉。


    芳情(ご芳情)

    相手の思いやりをの心を敬っていう言葉。
    ご芳情に感謝いたします。



    お聞き及び

    人づてに聞いて、すでに知っていることを敬っていう言葉。


    御高説

    相手の優れた意見。
    御高説を賜る。
    御高説を賜りまして、誠にありがとうございました。


    ご査収

    よく調べた上で受け取ること。


    ご臨席

    会合や式に出席すること。
    ご臨席くださいますよう、お願い申し上げます。

    ひとかたならぬ

    並一通りではない様子。
    平素はひとかたならぬご愛顧を賜り、誠に・・


    ご高承

    相手の承知・承認を敬う言葉。
    何卒、御高説を賜りたく存じます。


    ご厚誼

    深い親しみの気持ち。
    ひとかたならぬご厚誼を賜り、お礼申し上げます。


    ご精励

    勉学などに精を出すこと。


    第3章 言い訳

    30秒だけお時間をください

    上司に相談や報告があるときに、面倒なことと警戒心を持たれないように。


    いたしかねます

    できない。することに堪えられないという意味。

    憚りながら

    恐れながら。大げさかもしれないが。
    憚りながら、わたしはこの仕事を30年以上やらせていただいておりまして、、


    ご面倒でなければ

    わずらわしく、大変でなければ


    心得違い

    思い違い。道理に外れた考え。
    心得違いを戒めます。


    第4章 頻出語

    クオリア

    感覚的体験による質感のこと。
    キンモクセイの甘い香りとクオリアが感じられる。


    レジーム

    体制、政治体制。


    プロパガンダ

    主義。思想の宣伝。
    広く知れ渡らせること。



    第5章 ビジネス語

    ボトルネック

    支障になるもの。障害。
    瓶の狭い口が窮屈になっていて、円滑な進行を妨げるということから生まれた言葉。


    コミッション

    手数料。仲介料。賄賂。

    モジュール

    基準となる寸法。基本単位。
    ひとまとまりの機能。
    基本単位に分割することを、「モジュール化」


    第6章 漱石語

    厭世的

    人生に悲観し、生きるのが嫌になっている様子。


    情に棹さす

    人情を重んじる、人情に従うということ。


    一朶の雲

    ひとかたまりの雲。
    一朶とは、花の一枝。ひとかたまり。


    慚愧の至り

    反省して深く恥じること。



    最後の漱石語は、ほとんど使うことがないでしょう。
    第4章、第5章のカタカナ語は、医師であればよくつかうので(笑)ほとんど知っていました。
    むしろ第1章の基本語がかなり怪しかったので、基本語を中心に復習していこうと思いました。

    折に触れて読み返すエントリーになりそうです。

    わたしは、
    基本的な敬語も、上手につかうことができないので、この本をきっかけにメールなどで使う敬語を一新しようと思いました。

  • 2018/04/16(月)
  • 10年後の仕事図鑑

    10年後の仕事図鑑


    自分次第で、未来は幸福にも絶望にもなる

    ●AIにポジションを取られる前に。動くのは、今だ

    AI(人工知能)、仮想通貨、lLIFESHIFT、ホワイトカラーの終焉……。
    10年後どころから5年先すら予期できない今、今の仕事、会社、社会、キャリアはどうなるのか。
    今世界で最も注目される日本人研究者落合陽一氏と、圧倒的な行動力で時代の最先端を走り続ける堀江貴文氏が、
    お金、職業、仕事、会社、学校など、今考えられる新たな社会の姿を余すところなく語ります。


    ●主な内容

    ・激動の時代を生きるあなたに伝えたいこと
    ・経営者すら職を奪われる時代
    ・総エージェント化する個人
    ・湯婆婆に名前を奪われるな
    ・センター試験は無駄
    ・ロボットがロボットを印刷する
    ・AIの社会は古代ローマ
    ・名将にAI監督が勝つ時代
    ・ウサイン・ボルトを見習え
    ・交換可能な価値の缶詰をつくる
    ・波を待つな、自ら波を起こせ
    ・食べていくための安い仕事にしがみつくな


    大好きな堀江貴文氏と、
    いま乗りに乗っている落合陽一氏のコラボ本。

    といっても、ふたりの対談形式ではなく、ふたりが別々に書いた(喋った)ものを一つの本に編集したものです。
    なので、ふたりの意見が融合したり、反発したりといった展開はありません。
    短めの文章がゾロゾロと書かれます。


    とにかくシンプルに、好きなことにひたすら熱中していればいい。



    好きなことだけで生きていくにも書かれている、中心的な思想です。


    芝麻信用にみる中国の先進性



    中国の芝麻信用は、アリペイをしようする上で活用されます。使用者の信用度を数値で算出するサービスです。
    ちょうどオークションの、「評価」のようなものです。
    中国では、この芝麻信用が浸透していて、お金をかりるときや、普段の生活での「信用」として使われます。信用を数値化する、中国は日本の何十年も先をいっていそうです。


    恐怖に縛られるのはやめよう。



    まわりが結婚しているから、わたしも。
    まわりが車をもっているから、わたしも。
    隣の芝を青く思っている時間ほど無駄なものはない。
    と堀江貴文氏も落合陽一氏も同じ意見です。他人にどう思われたいとか、承認欲求とか、完全に否定されます。

    パッケージは違うのに、中身はほとんど一緒。



    駅弁を10個買って、並べてみたら、中身はどの弁当もほとんど一緒だったという話。
    工業社会では、まったく同じものでも、違う包装をすることで違う商品として売り出せます。
    ジェネリック薬品はその最たるものです。
    外装にまどわれることなく、中身を吟味できるひとになりたいです。

    トーマスJワトソン(IBM初代社長)
    「不確かな持論を持つ思想家の道を辿れ。自らの考えを論争の脅威にさらけ出せ。率直に意見を述べて、変わり者のレッテルよりも従順という汚名を恐れよ。そして、自分にとって重要に見える問題のために立ち上がり、どんな困難にも立ち向かえ」



    異端となることを推奨する文章です。
    この考え方は、アドラー心理学に通ずるものがあります。
    未来を恐れず、過去に固執せず、今を生きたいです。


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