カブシキ!

  • 2017/02/07(火)
  • ダブルマリッジ The Double Marriage 橘玲

    重婚er200w

    大手商社のエリート社員、桂木憲一は、妻、大学生の娘と幸せな家庭を築いていた。が、パスポート更新のために、戸籍謄本を取り寄せたことから、生活が暗転しはじめる。なんと、最新の謄本には、「婚姻」欄に、妻の里美と並んで、マリア・ロペスというフィリピン人女性の名が書かれていたのだ。
    実は憲一は20年ほど前、マニラ赴任中に、このマリアと結婚式を挙げながら、一人で帰国したままになっていたのだった。役所に確認すると、そのマリアから、フィリピンの婚姻証明書が送られてきたため、憲一の戸籍に名前が入ったのだという。しかし、日本では重婚は認められていないはずではないか?
    役所に問い合わせると、「刑法には重婚罪がありますが、民法上は、当事者からの請求がないかぎり、行政が重婚を解消する手続きは、定められていないのです」という意外な答えが返ってきた(警察が刑事罰として動くことも事実上ない)。
    さらに数日後、憲一の自宅に、一通の封書が届く。中を確認した妻は悲鳴をあげた。
    送られてきたのは新たな戸籍謄本で、そこには「長男」として「ケン」という名が書かれていた。
    それにしてもマリアはなぜ、今になってこのような行動に出たのか――。
    事実に基づく驚天動地のストーリー。



    橘玲の新作。
    小説です。

    永遠の旅行者」、「マネー・ロンダリング」、「タックスヘイブン
    につづく、国際金融をテーマにした小説です。

    今回は、フィリピンと日本の「重婚」がテーマになっています。

    今回は「戸籍」を扱った作品です。いつものように、金融取引や節税、脱税のスキームが散りばめられた作品とは一線を画しているようです。
    期待して読んだ分、ちょっと裏切られた感じがしました。

    主人公の憲一、ロペスマリア、娘のマリ、それぞれの行動、生き方に、疑問ののこる結果になりました。

    憲一は聡明で、うまく立ち回れるキャラクタという設定なのに、、、
    なぜフィリピンで結婚届を提出してしまったのか。
    部下に裏切られてしまう描写は必要だったのか。
    フィリピンで出会った女性とまた同じように恋に落ちてしまい、大金を払う羽目になる。
    → あまりにも聡明とはかけ離れてしまって、興ざめだった。

    ロペスマリアは美人で、頭の良い女性という設定なのに、、、
    憲一と別れたあとは結局は風俗に身を置くことになっている。
    最終的にスラムに住んでいる。
    →もう少し良い人生を歩んでいる結果でも良かったのではないか。

    娘のマリは、人形のような美人で、モデルの仕事をしているのに、、、
    なぜケンにあれほどまでもこだわるのか、説明できない。
    相談に乗ってくれたテルが、結局そのまま放置される。回収されずに終わってしまう。
    モデルのような格好で、フィリピンのスラム街を歩くのは非現実的。
    →モデルである必要はなかったのではないか


    もう少しストーリーはキャラクタを練ってから書いても良かったのかなと、、
    思わせる作品でした。
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  • 2016/01/14(木)
  • 2016年はどんな年になるのか。

    わたしの尊敬する橘玲氏のブログに2016年の予想が書いてあり、とても理論的で参考になったので、考察を書いておきます。

    橘玲氏の2016年予想

    氏は2015年にも予想を書いており、それが構造的な問題なので、「こうなるしかない」という結果を見事に的中させています。
    そして、2016年もこの構図は変わらないので、2016年もある程度予想できると書いています。
    気になったところをピックアップします。

    いまにして振り返れば、アメリカはイラクの復興に完全に失敗してISの台頭を許し、欧米諸国が歓喜した“アラブの春”は破壊と混乱をもたらしただけだった。昨年のノーベル平和賞はチュニジアに与えられたが、逆にいえばそれ以外のイラク、シリア、リビアはフセインやアサド、カダフィによる独裁の方がずっとマシだった、ということだ。

    そうなんですよね。アラブの春として欧米が歓喜し、アラブに民主化が訪れると誰もが予想していましたが、結果は御存知の通り、復興とは程遠い、難民問題とISの台頭によるテロの脅威しか残っていません。
    今後もこの問題を解決することはできず、2016年も中東の政治は不安定のままでしょう。
    ISはヨーロッパをテロの標的にしており、ヨーロッパはEUの経済不安と、テロの脅威に怯えながら、2016年を過ごすことになります。

    中国のひとびとは、自由を求めつつも共産党(毛沢東王朝)による独裁を受け入れざるを得ないという罠にはまっている。そして残念なことに、この罠から抜け出す道はまったく見えないままだ。

    中国は上記のジレンマに囚われながら、今後もバブルのつけを払い続けないといけないという重荷に苦しむでしょう。
    産油国に多額に融資している中国は、資源価格に暴落により、さらに打撃をうけます。人類史上一番大きく膨れ上がったバブルは大きな音をたてて、いろいろなひとを巻き込みながら崩壊していくでしょう。

    日銀によるリフレ政策はすでに失敗しているとして、日本経済に必要なのはマイルドなインフレではなく巨額の財政赤字を処理する「インフレ税」だという。これはいわば、「管理された財政破綻」によって人為的に高率のインフレを発生させ、国家の借金を国民の負担で棒引きにする方法だが、日本の財政赤字はすでに歳出削減のような穏当な方法で処理できる限界を超えているため、過酷な緊縮財政よりもインフレ税の方が最終的な打撃は小さくなるのだという。

    アメリカの一人勝ちの2016年になるでしょう。
    こうなると更に円安は進むと考えています。円の価値がさがり、モノの値段があがる。マイルドではなく、急激なインフレによって、日本は国家の借金を棒引きにしようという提言です。これは、2015年12月15日の日経新聞朝刊「経済教室」に掲載された、アメリカの二人の経済学者(アダム・ポーゼン、オリバー・ブランシャール)による「名目賃金、5~10%上げを」という提言です。

    恐らく日本政府にとれる政策はこれしかないでしょう。
    人為的にインフレを作り出し、国家の借金を返していく。(これは国民の負担になります。)

    円安がすすみ、物価があがると予想しているいま、わたしにできることは、できるだけ現金の「円」を持たないことです。
    具体的には、現金はできるだけ、株式か不動産に変えておく。
    現金を持つにしても、FXを利用して外貨に変換しておく。(好きなオーストラリアドルにしようと思っています。)

    2016年も株を買い続け、そしてFXもやっていきます。
    円のキャッシュはできるだけ持たないようにします。

  • 2015/12/17(木)
  • 「読まなくてもいい本」の読書案内 ――知の最前線を5日間で探検する 橘玲

    読まなくても 橘玲

    橘玲の新刊。

    電子書籍で購入しました。

    氏がいままで書いてきたことを掻い摘んで、まとめて一冊の本にしたような内容です。
    氏は早稲田大学の文系学部を卒業しており、このときに学んだことがBaseにあって、その知識がいかに役に立たないかを論じた本です。

    本の数が多すぎる! だから「読まなくてもいい本」を案内しよう。複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義の5つの分野で知の最前線を学ぶことができる。


    この本では、複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義の最新の知見を紹介しながら、それよりも古い知識がいかにデタラメであったかを説明してくれます。

    わたしは完全なる理系頭なので、内容は半分も理解できませんでした(笑)
    ほとんどをななめ読みして、結局のところ氏がいいたいことはあとがきに集約されていました。
    あとがきの部分を、一部引用します。

    文部科学省が国立大学に人文社会科学系の学部・大学院の統廃合を迫ったことで「教養」をめぐる議論が巻き起こっている。国際競争に勝つために高度な教育はごく一部のトップ大学だけにして、それ以外の大学は職業訓練に徹すればいい、という提言も話題を呼んだ。
    これに対して人文系の学者は、(当然のことながら)「人間力を鍛えるためには教養が必要だ」と反論している。たしかにこの「複雑で残酷な世界」を生きていくためには、知力だけでなく人間力も必要であろうが、彼らは根本的なところで間違っている。(あるいは、知っているのに黙っている) それは、人文系の大学で教えている学問(哲学や心理学、社会学、法律、経済)のほとんどがもはや時代遅れになっているということだ。(中略)
    大学教員の仕事は、「教養」という権威をお金にかえることで、ほとんどの文系の大学は彼らの生活のために存在している。その現実が明らかになるに連れて、風当たりが強くなってきたのは当たり前なのだ。



    自分たちが人生をかけて学んできた学問について、「根本的なところで間違っている」言われたら誰だって怒るでしょうね。
    人文系の大学教員たちは(自分たちの食い扶持を守るために)全力で反対するでしょうが、ここに書いてあることは事実だとわたしも思います。
    人文系の研究は中央の大学に集約すべきでしょう。

    古いパラダイムでできている知識をどれほど学んでも、何の意味もない。



    これがこの「読まなくていい本」を書いた氏の一番言いたかったことでしょう。
    世の中の本のうち、古いパラダイムで書かれた本は、読んでも意味がありません。そんな本を読んでいる時間を新しいパラダイムを体験する時間に充てることができると、非常に有意義にすごすことができるというのが氏の主張です。


    では、なにを学べば良いのか。
    わたしの解釈では、氏がわれわれ人類に学んで欲しい「新しい哲学」は以下の記述に書かれています。

    テクノロジーは、もっと幸福になりたいというひとびとの欲望によって自己増殖していく自律的なシステムだから、それを道徳的な説教や批判で止めることは不可能だ。
    いま必要とされているのは、新しい世界のビジョンを受け入れたうえで、進化するテクノロジーとどのように共生していけばいいのかを示す新しい哲学ではないだろうか。その試金石が生命倫理である。(中略)
    いま、新しい世界を真面目に語ることができるのはシリコンバレーだけだ。それ以外の様々な理想は、歴史の厳しいハードルを超えられずに消えていった。

    グーグルやAmazon、Facebookがひとたび効率的な市場インフラをデザインすると、無数の個人や企業がそれを利用して自由なビジネスを行うようになるだろう- 空き部屋がホテルに(Airbnb)、自分の車がタクシーに(Uber)になったように。お金の貸し借りも閔行ではなく、個人間で行われるようになって(Bitcoin)、政府や重厚長大の古い企業は表舞台から退場していくのだ。(中略)テクノロジーはものすごい勢いで社会や環境を変えつつあるのだ。




    知のパラダイム転換とは、結局はインターネットの登場によって変わってしまったわれわれの生活のことを言っています。
    これを受け入れることができて、うまく利用することが今後、世界でよりよく生きていくためのKeyになることは間違いなさそうです。
    わたしもこのパラダイム転換に乗り遅れないようについていこうと思います。

  • 2015/05/23(土)
  • 橘玲の中国私論 橘玲

    橘玲 中国私論.

    作家・橘玲が世界を歩きながら、経済・金融・歴史などについて独自の感性と考察によりさまざまな事象に新解釈を加えていく新シリーズがスタート。今回は、日本の隣の国、中国がテーマ。尖閣問題など緊迫する日中関係。国家の成り立ち、社会構造が全く違うにもかかわらず、なまじ顔かたちが似ているせいで理解しがたい行動に不満が大きくなる。交流した現地の中国人、歴史、社会システムなどから、巨大な隣人の真実を大胆に解き明かす。経済・金融、人生論、社会批評まで幅広い活躍を続ける橘玲氏による独自の中国社会評論。

    橘玲です。
    いままでの作品とは違って、この作品の前半は旅行記のような内容になっています。
    中国の都市に次々と建設された高層マンション群を実際に訪れて、そのほとんどがゴーストタウン化していることをレポートします。

    モンゴル自治区オルドス、天津・浜海新区、海南島・三亜、河南省・鄭州、モンゴル自治区フフホト、安徽省・合肥、内モンゴル自治区・清水河、河南省・鶴橋、浙江省・杭州、上海・松江区

    こんなにたくさんの都市に、高層マンションが建設され、ゴーストタウン化していく理由を、氏の視点から考えています。
    中国についてかかれた様々な文献を読んで、氏が理解したことをわかり易い言葉で我々に教えてくれます。

    人口が多すぎる。共産党という秘密結社。マンション建設に隠された錬金術。
    中国の国民性と歴史、それを生んだ背景と経済を明かしてくれる名著だと思いました。

    橘玲の新しい世界が見える作品です。

  • 2015/03/22(日)
  • 臆病者のための億万長者入門 橘玲

    電子書籍で購入。

    橘玲氏のブログより。
    タイトルは「億万長者入門」ですが、億万長者になる方法が書いてあるわけではありません。
    アメリカやヨーロッパ、日本のようなゆたかな国は、人類史上はじめて「誰でも億万長者になれる社会」を実現しました。それは同時に、貧乏が自己責任を問われる“残酷な世界”でもあります。

    そんな「ゆたかで残酷な日本」でどのように経済的な土台(インフラストラクチャー)を築いていけばいいのか、というのが本書のテーマです。

    本書は、2013年4月から14年1月まで『週刊文春』に連載した「臆病者のための資産運用入門」をベースに、加筆・再構成のうえ1冊にまとめたものです。株式投資、保険、不動産、外国為替(FX)などについてこれまで述べてきたことと趣旨は同じですが、これは、市場は日々刻々変化するとしても原理は不変で、長期的には(市場原理による)正しい場所へと収斂していくはずだからです。

    連載をまとめることのメリットは、過去の記述を検証できることです。


    臆病者の億万長者入門橘玲


    氏が述べるように、過去の連載を一冊の本にまとめることで、過去の記事を検証しているのが本書の特徴です。
    週刊文春に書いた記事は、結構な確率で未来に起こるだろうことを予想し、的中させています。
    決して、まぐれで当たったわけではなく、非常に論理的に、しかしわかりやすく教えてくれる本です。

    もう何年も前から聞き飽きるくらい言っている橘玲節が随所に散りばめられた本です。
    改めて読むとまた新しい発見があり、付箋を打ちながら、感心しながら読みました。

    備忘録的に箇条書きに。

    資産運用の4月の原則
    1.確実に儲かる話あなたのところには絶対に来ない。
    2.誰も他人のお金のことを真剣に考えたりしない。
    3.誰も本当のことを教えてはくれない。
    4.自分の資産は自分で守るしかない。



    当たり前なんです。普通に考えれば、上記の4つは当たり前ってわかるんですが、、
    お金のことになると、「自分だけは特別な存在だ。」とか「儲かる話を自分だけが知っている。」とか、世の中で一番大切な自分を特別扱いしてしまうことが多いことを教えてくれます。

    投資のおいて最も大事なのは、損をしないことではなく騙されないこと。誰も本当のことを教えてくれず、誰もが自分の資産を(他人から奪ってでも)増やそうとするこの社会では、自分の資産は自分で守るしかないのです。

    株価は、将来の一株あたりの利益の総額を現在価値に換算したものである。

    株式市場は私達が思っているよりも効率的で、日本企業の利益が上がらなければ(PERが下がらなければ)市場の裁定は必ずやってくる。それがいつかは「神のみぞ知る」としても--。(『週刊文春』2013年5月30日号)


    ここでは、株価が決定される仕組みをわかりやすく説明し、この連載の時点で日経平均株価が(PERの観点からみて)高すぎることを教えてくれます。
    2013年5月30日号の週刊文春で、日経平均株価が一日で1143円28銭以上暴落した 2013/5/23の相場を予言しています。
    その時の日経平均株価が、14483円でした。

    わたしがこの記事を書いている2014年6月27日時点での日経平均株価が、15,095円です。
    日経平均株価はまだまだ高すぎる状況にあると言えます。
    さて、次の暴落はいつ来るのでしょうか。神のみぞ知るのです。

    多数の要素同士の関係が錯綜する複雑系の世界は計算の限界を超えていて、確率的にですら未来を予測することは不可能なのだ。



    これは、株価の動きが、正規分布を示すのではなく、ロングテールのような複雑系の動きをするので、しばしば起こる暴騰や暴落は、全く予想できないことを示しています。
    100年に一度と言われるような暴落が何年かおきにやってくるようないまの相場では、株価は複雑系の動きをすると認識して、暴騰や暴落がいつやってきても良いように備えておくことが大事なようです。。

    株式市場が右肩上がりなら、平均的にはほとんどの投資家がプラスの成績を残せるはずだ。しかし不思議なことに、投資家の損得を調べてみると半分以上が損していたりする。長期で持っていれば儲かったのに短期で売ってしまったり、値動きの大きい株に賭けて、思惑が外れて大損したりしているからだ。
    こんなとき株式投資の専門家は、「値上がりした株を長く保有し、値下がりした株は素早く損切りすればいい」という。でもこれは単なる結果論で、どの株が上がってどれが下落するか予めわかるのなら誰も苦労しない。


    利益はさっさと確定してしまいたい、値下がりすると、自分の予想が外れてしまったこを認められずにダラダラと保有してしまい、塩漬け化してしまう。という投資家は多いのです。これを人類の進化の過程で身につけた、「利益を過小評価し、損益を過大評価してまう。人間は出来るだけ損を認めないようにして、進化してきた」と説明し、なぜ多くのひとが株式市場で勝てないかを教えてくれます。
    損と得を同じように評価できるなら、今よりもずっと的確に売買のタイミングを判断できるはずだと思います。


    名目レートに比べて、実質レートが大きく変動しないのは、市場の裁定によって為替レートがモノの値段を同じにしているからだ。これが「購買力平価説」で、日銀の統計データはその正しさを証明している。もちろん日銀は今が「超円安」だとは口が裂けても言わないだろうが


    アベノミクスの結果で、1ドル=100円の時期が相当長くなってきました。われわれは、わずか数年前は1ドル=80円であったことを忘れ、今の為替レートが当たり前だと思っています。冷静に考えれば、いまはものすごい円安です。
    市場の歪みには、いつか裁定が訪れます。それがいつかは、もちろん神のみぞ知るです。
    わたしたちが、備えておかなければならないのは、いつ円安が解消されても資産を守ることができるような、ポジションをとっておくことです。
    たとえば、FXで米ドル売のポジションをとっておくなどの「保険」は必要でしょう。


    収益還元法を知っていると、家を借りるときにとても役に立つ。
    分譲マンションの賃貸では、同じ地区の同程度の物件がいくらで売買されているを先に調べておく。それが仮に2400万円だとしたら収益還元法から適正家賃は年間120万円(2400万円x 5%)だと判断できる。月額家賃が10万円以下なら割安、それ以上なら割高だ。



    簡単な計算だが、とても有益だと思います。
    わたしは賃貸住宅に住んでいますが、この方法で計算するとかなり割安な家賃で住ませてもらっているなあと感心します。


    不動産投資というのは、「インサイダーマーケット」であり、素人がいきなり参加して、まぐれで利益を挙げられるような世界ではない。不動産投資のノウハウというのは、結局のところ「いかにしてインサイダーになるか」ということに尽きるのだ。



    わたしはいまだに不動産投資に手を出せていません。これはいまだにインサイダーに成れていないことが原因です。
    わたしたちがネットで調べて出てくるような投資用物件の情報は、インサイダーが見向きもしない、ゴミ物件だけです。不動産投資とは、いかにしてインサイダー情報を手に入れるかなのです。
    これとは逆に、株式投資などはオープンマーケットで、すべての参加者に平等に情報と条件が与えられて、個人が自由に利益を求められるマーケットなのです。だからわたしは株式投資を好むのだと思います。



    この本が教えてくれる事実は、冷静になって考えれば、ある程度未来は予想できるということ。もちろん予想できないこともありますが、現在ある情報を駆使してある程度の未来は知っておくことができるようです。その時に備えて、他人に騙されないように準備して、自分の資産を守ることができれば、誰でも億万長者になれる可能性があるということが、この本のメッセージと受け取りました。


    2015/03/22 追記
    2014年6月に書いたこの記事を、9ヶ月後の2015年3月に再読してみました。
    そして、本書をもう一度読んでみて、感じたこと、付箋を打ったところを挙げます。

    証券会社の営業マンが高野山の高僧をチヤホヤしたのは、社会的な地位の高い傲慢な客ほど簡単に騙せることを知っているからだ。

    これは、高野山の高僧が証券会社の営業マンの言うがままに30億円をリスク商品に投資して、2011年に15億円の含み損を抱えたという、事実を書いた部分です。
    高僧は自分が世界の中心だと思っており、これを証券会社の営業マンは簡単に騙しました。営業マンはノーリスクで、大きな手数料を得たのです。
    世の中には、お金を持っている無知な人物が沢山居ます。われわれ零細投資家は、無知な人物になってはいけません。
    知識だけは常に身につけておいて、投資の機会がくれば大きく張れるように準備しておくのです。

    そして、投資の機会は決して向こうからやって来ません。自分で探すしか無いのです。


    「いつ買うか、今でしょ」

    ノーベル経済学賞を受賞した経済学者が考えた、株を買うタイミングです。
    身も蓋も無い話ですが、今が買い時なのです。


    歴史上、制御不能のインフレによって悲惨なことが起きた事例は枚挙に暇がないが、中央銀行が人工的にマイルドなインフレを創りだして景気を良くしたケースはまだ無い。黒田日銀の『異次元緩和』が壮大な社会実験と言われる所以だ。

    黒田日銀の政策は壮大な社会実験のようです。
    この記事を書いている2015年3月22日現在、日経平均株価が19500円を超えて、20000円に達しようとしています。

    2014年5月にこの本を読んだ時の日経平均株価が15000円ですから、その時点からさらに5000円近くも日経平均株価が上昇したことになります。

    実態も無いのに、日経平均株価だけがジワジワと上昇している2015年3月22日現在の日本経済は異常と言えるのでしょう。
    いつか暴落がくることは間違いないですが、日経平均は20000円を超えてもっと成長しそうな気もします。

    さて、いつ持ち株を売ってキャッシュポジションを増やすのか。このタイミングを見計ることがわたしの長期投資家としての腕の見せどころのようです。

  • 2014/11/25(火)
  • お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ

    電子書籍で購入。
    黄金の羽根の拾い方2015橘玲

    橘玲です。
    ベストセラーになった、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」を、12年ぶりに改定し、その時の記載は10年たった今も正しいのかを検証することを目的として書かれています。
    なので、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」の文章をそのまま転載し、それに対して橘玲氏がコメントを入れる形で書かれています。

    わたしの大好きな、橘玲氏の作品ですので、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」はもちろん読み込んでいますし、この12年間の氏の作品も全て読んでいます。
    ベストセラーから12年経って、氏の主張がどのように変わったのか、また変わらなかったのか、興味深く読みました。
    付箋を打ったところを箇条書きに。

    ・ 構造的な歪みはいつか必ず顕在化する。



    これは、氏が35歳まで努めていた出版業界を内情を暴露した箇所の最後に書いてあった言葉です。
    出版業界には構造的な歪みがあり、これが出版業界の自由競争を妨げているとのこと。そして氏の予言通り、出版業界は衰退の一途をたどることになります。
    医療業界にも構造的な歪みはあります。
    生活保護受給者が世界一手厚い医療をタダで受けている現状や、どんなに高い薬を使っても高額医療費制度で払うべき額の上限が決まっていることとか。このような歪みもいつかは顕在化して、制度そのものが無くなってしまうでしょう。

    ・ 橘玲氏にとって会社はキャリアを積むための道具で、会社は橘玲氏の人的資本に利用価値があるから給料を払っているのだ



    これは非常にドライな考え方ですが、氏の会社に対する考え方が凝縮されています。もしあなたに1億円の価値があるとして、あなたという人的資本を一年間会社に預けると5%の年利が得られるとします。1億円の5%ですので、500万円。これがあなたの年収になるということです。
    この考え方は目からウロコでした。まさか自分自身が資本で、それを病院に預けることで給料をもらっているなんて考えたことも無かったからです。このようにドライに考えると、世の中のことは全て、投資に対するリターンということで説明がついてしまいます。
    「誰が誰にいくら貸していて、その対価としていくらの利息を受け取っているか」という風に考えると世の中のことが全て数値化して考えること出来ます。

    ・ 世の中のにはきわめて知性が高く、それと同時に「楽して金儲けしたい」「額に汗して働くなんて真っ平だ」と思っているひとがいる。それも、ものすごくたくさん。



    わたしも楽して金儲けしたいと考えています(笑)
    世の中、そんなひとばっかりでしょ?
    金融業界というのは、本質的にはマネーゲームですので、その特殊性がこのような楽して金儲けしたい人たちを惹きつけます。

    ・ 「成功した人しか本を書かない」



    生き残りバイアスですね。わたしもいままで数々の金持ち本を読んできましたが、その全てが成功者によって書かれた本です。失敗した人たちは本を書く機会もありません。
    本を読むときには生き残りバイアスを考えながら読まないといけません。

    ・法人名義でカーリースをすると、無条件で経費にできる。



    ・(法人化のメリットで)生活費を法人に移転した分だけ家計簿に余裕ができたわけですが、ではこのお金はどうすればいいのでしょうか。正解は「自分の法人に貸し付ける」です。




    ・ 東京都某区の創業支援融資斡旋制度の概要
    融資金利 年0.4%
    融資の上限 1000万円(運転資金は600万円)
    返済期間: 7年
    融資条件: 開業後1年未満(創業前を含む)同一事業に3年以上勤務し、同一事業で開業すること。
    自治体が指定する中小企業診断士の推薦を受けること
    融資は自治体が指定する地域内の金融機関から行われる(金融機関の融資金利は年2.2%)

    これを要約すると、区内に法人登記しただけでまだ事業を始めてもいない、なんの実績もない人間に無担保で1000万円貸してくれるという制度です。年利は0.4%ですので、一年間に払う利息は4万円だけです。
    融資は金融機関から本人宛に行われます。融資金利は2.2%ですが、本人負担は年0.4%で、差額の年1.8%は自治体から金融機関に支払われます




    創業支援融資斡旋制度の実際を教えてくれます。自治体が主催する制度には、こんなに有利なものがあって、これから事業を始めようとするひとは、このような超有利な制度を利用しない手はありません。
    年利0.4%で1000万円も貸してくれるところなんて、まずないです。

    ・ 経済的に成功するには、経済合理的で無くてはならない。国家は神聖なものでも、崇拝や愛情の対象でもなく、人生を最適設計するための道具だ。



    国家も会社もただの制度あり、それを利用し、経済合理的に行動した人に成功がやってくるという考え方です。
    運転免許だって、医師免許だって、すべてただの道具であり、それを使う人によって、いくらでも経済合理的な成果をあげることができるのです。
    大事なのは、常に経済合理的に行動することです。

  • 2014/07/29(火)
  • バカが多いのには理由がある 橘玲

    バカが多いのには理由がある

    橘玲氏の新刊です。
    といっても、週刊プレイボーイに連載している「そーだったのか!?真実のニッポン」をまとめたもので、その連載は毎週読んでいるので、既読の内容でした。

    毎回1200文字程度の連載を、順番を並べ替えて、さらに前後にPrologueとEpilogueを加えています。
    すると、不思議と連載たちに一貫性が生まれて、きちっと一冊の本として筋が通ってしまいます。さすが橘玲氏です。
    既読の内容でも、楽しく読めました。

    Prologueからつづく文章は60ページくらいあり、読み応えのある内容です。主に政治についての内容ですが、そのなかからとくに面白かった、「狂信はどのように生まれるのか」という部分について記しておきます。

    ひとりの若者に登場してもらいましょう。
    地方都市の公務員の家に生まれ地元の高校に進んだ彼は、才能はあるものの学校に馴染めず退学してしまいます。そのとき父親が急逝したため、彼は保険金の一部を相続して上京し、大検での大学入学を目指しますが志望校にはひとつも合格できませんでした。自分では有名大学のどれかには入れると思っていたので、彼は強い挫折を味わいます。
    それから2年ほどは予備校に籍をおきながら秋葉原のAKB48劇場に通い詰める気ままな生活をしていましたが、まじめに勉強することはなく蓄えも底をつき、ドロップアウトしてフリーター生活を始めます。最初は派遣で働き、居酒屋の店員になり、家賃が払えなくなってネットカフェに寝泊まりしながら日雇い仕事も体験します。
    この頃から、彼の様子が変わっていきます。
    最初はブラック企業を糾弾する市民運動に顔を出しますが、ネオリベ批判には共鳴できたものの、従軍慰安婦問題をめぐって口論になり追い出されます。彼はずっと、韓国が歴史問題で一方的に日本を批判することに腹を立てていましたが、市民運動の活動家たちは、「日本が朝鮮半島を植民地にしたから悪いのだ」というのです。
    中学校のときに「きむ」という名の生徒がクラスにいたので、彼も在日朝鮮・韓国人の存在は知っていました。「きむ」は無口でいつもいじめられていたので、彼はかわいそうに思っていました。そんなある日、彼は新宿のハローワークに行こうとしてハングル文字の看板がずらりと並んだ一角に迷い込みます。それまで彼は、日本の中にこんな街があることを知らなかったので驚愕しました。まるで日本が外国人に乗っ取られたかのようです。
    それから彼はインターネットを検索して情報を集め、在日朝鮮・韓国人がさまざまな特権を享受していることを知ります。これに危機感を覚えた彼はネットの掲示板などに大量の投稿を繰り返すようになり、いつしかその世界ではカリスマと呼ばれるようになっていきました・・・。
    在特会の活動に参加する若者のありきたり話だと思うでしょうが、実はこれはある有名な人物の自伝を翻案したものです。時代は1890年台、場所はオーストリアの首都ウィーンでした。自伝のタイトルは「わが闘争」、書いたのはアドルフ・ヒトラーです。



    この文章が秀逸なのは、狂信が生まれた背景を現代の日本に焼き直してとてもわかり易く示してくれることです。
    いつの時代にも狂信は生まれる可能性を秘めており、民族問題は根本的には解決不可能であることを教えてくれます。我々が朝鮮・韓国人を嫌ってしまうのも、本能でありDNAに刻まれた「自分の民族を愛し、それ以外を嫌う」習性にほかならないのです。
    その本質は、ユダヤ人を糾弾したヒトラーの心理と何ら変わらないのです。

    この文章のあとに、週刊プレイボーイの連載が並んでいます。日本人の特性をうまく表現して、それらの問題が根本的にはDNAに刻まれた本能であることを、氏は教えてくれます。

    前作よりもパワーアップして、面白い文章になっています。



    1狂信はどのように生まれるのか (2)
    2狂信はどのように生まれるのか (3)
    3狂信はどのように生まれるのか (1)

  • 2014/06/11(水)
  • タックスヘイヴン 橘玲

    タックスヘイブン橘玲


    永遠の旅行者

    マネーロンダリング

    2010年に上記2つの長編小説を読み、橘玲氏は長編小説も面白いなあという感想を書きました。

    それから4年の時を経て、氏がリリースした、タックスヘイヴン。
    面白くないはずはありません。

    シンガポールでもっとも成功した日本人金融コンサルタント北川がホテルから墜落死した。死んだ北川の妻・紫帆は現地に、高校の同級生・牧島とシンガポールへ赴く。紫帆はそこで北川の現地妻と息子の存在を知る。北川は1000億円を扱うファンドマネージャーだったが、政治家や会社社長など、数々の顧客のプライベートバンクの口座に10億円、50億円規模で穴を開けていた。背後に見え隠れする、日本の首領が仕組んだブラジルへの原子力発電施設輸出計画とそれを見込んだファンドとその失敗。紫帆と大物政治家の過去。大物フィクサーの影と蠢く謎の仕手グループ。そして起こった大物政治家秘書の暗殺。北川の死は自殺か、それとも殺人か? 口座から消えた巨額の資金は、どこへ送られたのか!?

    物語は、日本、シンガポールなどを舞台に、高校時代の同級生でである紫帆と牧島を中心に回っていきます。
    そして、この小説で一番かっこいい存在が、紫帆と牧島の同級生である古波蔵佑(こはぐらたすく)です。
    金融ゴロみたいな仕事をしていますが、ブランド物の服を着こなし、ティアードロップのサングラスをかけています。

    小説のはじめに登場する古波蔵の外見が、どうしても本田圭佑に思えてしまい、以降この小説の古波蔵はわたしの中では本田圭佑の外見をしていました。

    アジアを舞台に、ヒーローとヒロインが活躍するところは、マネーロンダリングと共通するところがあります。
    そして、永遠の旅行者の眞鍋恭一のことを指しているのであろう記述も出てきて、とても嬉しくなりました。

    5月の連休中に一気に読みました。
    展開が早く、途中でラストが予想できましたが、、、最後の黒幕の告白は衝撃でした。北朝鮮の闇の部分を教えてもらいました。そして、黒幕は今後も黒幕で在り続けられるくらい巨大になってしまっている現実も、驚嘆するものでした。

    氏の小説は、フィクションでありながらアジア金融の現状をわかりやすく教えてくれます。
    小説を読みながら、アジアの現状を知ることができました。タックスヘイヴンというタイトルとはいささか離れた内容ですが、とても面白い小説です。

  • 2014/04/28(月)
  • 2014年4月27日に注文、4月28日到着 タックスヘイヴン 橘玲

    Amazonで平成26年4月27日日曜日の朝に注文したら、
    平成26年4月28日月曜日の朝に届きました。
    普通便なのに、、

    早い。Amazon

    平成26年4月28日タックスヘイブン

    橘玲の新作、タックスヘイヴンです。

    永遠の旅行者マネーロンダリングにつづく、長編小説です。
    とても楽しみです。

    GWの読書にします。

  • 2013/06/08(土)
  • 臆病者のための裁判入門 橘玲

    臆病者のための裁判入門

    橘玲氏の著作です。

    いつもの、経済をテーマにした著作とは全く異なるテーマを扱っています。

    テーマは「裁判」

    著者はひょんなことから知人の外国人男性の保険金受け取りをめぐるトラブルの解決を手助けすることになりました。
    非は完全に保険会社にあることがわかり、すぐに解決するかに見えましたが、事態は思わぬ方向に進展し、ついに「少額訴訟制度」を利用して、裁判に訴えることに。
    「少額訴訟制度」とは、請求額が60万円以下なら、簡易裁判所で審理から判決までを原則1日で行ってくれる制度です。市民が身近な紛争を裁判で安価で簡便に解決できるように1998年に作られました。
    日本を「法の支配」が行き届いた「法化社会」にしよう、という思いが、この「少額訴訟制度」には込められています。
    しかし、著者と知人の外国人男性は、摩訶不思議なニッポンの裁判制度の闇に迷い込んでしまいます。どこに行っても、悪い人には会わず、善意の人ばかりなのに、簡易裁判所と地方裁判所をたらいまわしにされ、少額の保険金と賠償が得たいだけなのに、多大な時間と労力を費やすことになってしまいました。一日で終わるはずが、決着を見るまでに何と二年半の歳月が流れていました。
    その体験を元に日本のニッポンの「使えない」司法制度の問題点を解明したのがこの新書です。問題の一端は、「少額訴訟制度」で扱える紛争の種類が家賃未納や交通事故の損害賠償など定型的なものに限られていること。
    著者が関わったようなちょっとこみいった訴訟になると簡易裁判所では扱ってくれないのです。
    公正中立な「法化社会」を建設する過渡期にあるニッポンで、素人が少しでもややこしい訴訟を始めるとどんな目に遭うのか?
    その一部始終がわかる貴重なルポであり、身近にはなったけれど、まだまだ使い勝手が悪いニッポンの裁判を使いこなすための画期的な入門書でもあります。(Amazonの紹介文より)



    ほとんどの人は、一生裁判の原告にも被告にもならずに一生を終えます。
    わたしは、軽微な経験ですが、被告になったことがありますし、身内が被告になったことがあります。といっても、刑事事件ではありません。

    本書の前半は、Amazonの紹介文にあるように、橘玲氏が友人の外国人男性の代理人となり、保険会社を相手に少額訴訟を起こしたことが記述されています。
    読み物として、非常に面白いです。スラスラ読めます。


    後半は日本の裁判の問題点がいろいろと書かれています。
    橘玲氏は、出版社に勤務していた経験があり、その時に少なからず裁判で訴えたり、訴えられたりという経験があるそうです。

    以下、面白かったところを箇条書きで。

    少額訴訟
    ・少額訴訟制度は1998年に創設され、60万円以下の事件を扱う。その特徴は、個人の本人訴訟を前提とし、原則として一日で審理を終えて、その場で判決が下される。
    ・大抵が貸金請求や、売買代金請求で、貸したお金を返してもらえないとか、商品を送ったのに支払いがない、というような少額の紛争が行われる。
    これらの傍聴はとても面白いらしい。
    一度は傍聴してみたい。

    民事訴訟と名誉毀損
    ・民事訴訟では、被告は原告が主張したことだけに反論すればいい。原告が事実を立証できなければ、それだけで被告は裁判に勝つことができる。事実認定を争う民事訴訟は、もともと原告が不利、被告が有利な仕組みになっている。
    それに対して、名誉毀損はプライバシーを侵害し社会的評価を貶めるような虚偽の報道をされたという訴えだから、挙証責任は報道したメディア側にある。名誉毀損で訴えられたメディアは、公益に資することを目的として、十分な取材のもとに、真実であると信ずるに足る理由をもって報道したことを証明しなくてはならない。原告はメディアの主張に個別に反論していけばいいだけだから、一般の民事訴訟とは攻守が逆転している。
    (三浦和義が拘置所にいながら、本人訴訟でメディアを相手に名誉毀損の訴えを起こし、連戦連勝できた理由。)

    判決はケツ拭く紙ほどにも役に立たない
    判決で負けても賠償金を払おうとしない被告。そうようなときのために強制執行の制度があるが、日本ではこれが機能していない。
    債務名義とは、強制執行の対象となる債権の存在および範囲を公的に証明する文書で、財産の名義人が債務名義と同一の場合は、執行官はその財産を差し押さえることができる。だがこのことは、逆に言えば、財産の名義を変えてしまえば強制執行はできないということだ。
    これを利用して、被告は裁判に負けそうになると、銀行預金などの妻や子供の名義に変えてしまう。たったこれだけで、もはや裁判に勝った債権者は被告の財産を強制執行できなくなる。
    自分の財産を子供に譲れば、ふつうは贈与税が発生する。だが日本の税務署は実態基準で納税義務を判断するので、たとえ銀行預金が子供の名義になっていても、その口座を実質的に親が支配していると判断すれば贈与とはみなさない。
    裁判所は子供名義の預金が被告の財産だという客観的な証拠がなければ強制執行を認めない。ところが日本では、裁判所の判決があっても国税庁に税務情報を照会することはできず、公権力以外には銀行の取引内容を調査することもできないのだから、被告はなんの苦労もなく強制執行を逃れることができる。


    2ちゃんねるの創始者西村博之
    西村博之氏は、未払いの賠償金や、裁判所の仮処分に従わないことに対する制裁金は少なくとも5億円以上に上るとされている。
    「支払わなければ死刑になるのなら支払うが、支払わなくてもどうということはないので支払わない。」と述べている。
    民事訴訟で負けて賠償金を支払うなんてバカバカしいだけなのだ。


    以上のような面白い話がたくさん書いてあります。
    また、われわれが加入している自動車保険などには、ほとんどに弁護士費用特約が付いています。弁護士を雇わなくてはいけないような紛争に巻き込まれても、自動車保険で弁護士費用が賄えることがあるのです。
    知らなかったでしょ?
    このことは、特約はつけたけど、それを利用させない保険会社の責任であり、今後広く社会に広報すべき内容だと思います。

    いつも単純明快な文章を書いてくれる橘玲氏。
    裁判でも明快な文章を書いてくれました。

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