カブシキ!

  • 2017/08/21(月)
  • AX 伊坂幸太郎

    >AX伊坂幸太郎


    最強の殺し屋は――恐妻家。

    「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。
    一人息子の克巳もあきれるほどだ。
    兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。
    引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。

    こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。



    ラスホッパー
    マリアビートル、
    につづく、伊坂幸太郎氏の「殺し屋小説」です。

    殺し屋の「兜」は、とんでもない恐妻家です(笑)
    自分も恐妻家ですので、兜の気持ちは痛いほどよくわかりました。恐妻家あるあるが随所に出てきます。
    365日、24時間、家内の機嫌のためだけに生きている錯覚に陷ることがあります。
    兜は、そんな恐妻家の日本代表として、最前線で戦っています。

    小説のなかで、以前の作品に出てくる、「蝉」とか「蜜柑と檸檬」が回想として登場して、少し懐かしくなりました。
    伊坂幸太郎ワールドの殺し屋界隈には、愛すべき人材が豊富にいるようです。
    今回の小説のなかでは、殺し屋界の新陳代謝についてもすこし言及があり、嬉しくなりました。

    数々の伏線が、見事に回収されるさまは、読んでて爽快でした。
    伊坂幸太郎ワールド全開の作品です。
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  • 2017/08/17(木)
  • 死神の浮力 伊坂幸太郎

    死神の浮力

    死神の精度』で活躍した「千葉」が8年ぶりに帰ってきた!
    クールでちょっととぼけた死神を、今度は書き下ろし長編でお楽しみください。


    死神の制度は、短編でしたが、、今回の千葉氏は長編です。

    Day1からDay7 まで、7つの章からなります。
    今回の千葉氏の担当は、山野辺という男で、9歳の娘を殺害された被害者として登場します。
    千葉氏が担当しているということなので、7日後には死が訪れるのですが、死までの7日間を千葉氏と一緒に過ごすことになります。

    死神の制度を読んだのが2008年でしたので、9年ぶりに千葉氏に触れたことになります。

    短編とは違い、長編だから見せられる千葉氏の魅力が伝わって来ました。

    山野辺は妻の美樹と一緒に、娘の仇を討つべく、犯人の本城崇に接触を試みますが、ことごとく失敗してしまいます。
    その傍らに必ず千葉氏が同行して、その一部始終を観察しているのですが、そのおとぼけ具合が絶妙で、笑わずには居られません。
    千葉氏の存在が大きすぎて、不思議すぎて、ぶっ飛びすぎて、どんどん引き込まれました。

    Day7に千葉氏は「可」の判定をして、山野辺は死んでしまうのですが、そんなことよりも千葉氏と山野辺の掛け合いとか会話とか、すごく面白くて、最高でした。

    伊坂幸太郎、さすがです。

  • 2017/01/26(木)
  • 首折り男のための協奏曲 伊坂幸太郎

    首折り男のための協奏曲


    被害者は一瞬で首を捻られ、殺された。殺し屋の名は、首折り男。テレビ番組の報道を見て、隣人の“彼”が犯人ではないか、と疑う老夫婦。いじめに遭う高校生は“彼”に助けられ、幹事が欠席した合コンの席では首折り殺人が話題に上る。一方で、泥棒・黒澤は恋路の調査に盗みの依頼と大忙し。二人の男を軸に物語は絡み、繋がり、やがて驚きへと至る!伊坂幸太郎の神髄、ここにあり。

    久しぶりの伊坂幸太郎です。
    短編です。

    首折り男が、各短編に出てきますが、それらが有機的につながっているわけではなく、ただ単に登場するというだけです。
    各短編に、つながりはありません。
    重度に期待して読んでしまうと、がっかりかもしれません。

    首折り男の周辺

    濡れ衣の話

    僕の舟

    人間らしく

    月曜日から逃げろ

    相談役の話

    合コンの話

    の7つの短編からなります。

    わたしの好きな黒澤も登場します。
    好きな短編は、黒澤が活躍する、「月曜日から逃げろ」です。
    いつも冷静な黒澤がなぜか、他人に騙されて強請られる話です。しかし、そこは黒澤。やっぱり勝ってしまいます。

    チャップリン好きな黒澤。好感度がアップしました。

    もう少し早く読んでおけば良かったと思える作品でした。

  • 2016/09/22(木)
  • サブマリン 伊坂幸太郎

    サブマリン 伊坂幸太郎

    伊坂幸太郎です。

    この小説は、以前にご紹介したチルドレンの続編として書かれた長編です。

     今回は、短編の集合体ではなく、ひとつの長編として書かれます。
    チルドレンにも出てきた武藤という男性がこの小説の狂言回しとなり、すべてこの武藤の視点から書かれます。

    主人公の陣内はもちろん登場し、盲目の永瀬も登場して、活躍します。
    なぜか今回は鴨居が登場しませんが、彼らを取り囲む、または陣内が担当する少年たちのキャラクターが出来上がっていて、面白く読めました。

    陣内は破天荒だけど、なぜか周りを巻き込んでうまく着地させる能力をもっているみたいで、今回も陣内の破天荒ぶりが書かれていて良かったです。
    今後も続いていきそうな予感がします。

  • 2016/07/14(木)
  • 陽気なギャングは三つ数えろ 伊坂幸太郎

    陽気なギャングは3つかぞえろ


    以前の2作品。

    前作から9年のブランクがあっての新作だったようです。

    絶体絶命のカウントダウン!
    史上最強の天才強盗4人組に強敵あらわる!
    嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女――
    180万部シリーズ待望の最新作!

    陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、消えたアイドル宝島沙耶を追う火尻を、暴漢から救う。だが彼は、事件被害者のプライバシーをもネタにするハイエナ記者だった。正体に気づかれたギャングたちの身辺で、当たり屋、痴漢冤罪などのトラブルが頻発。蛇蝎のごとき強敵の不気味な連続攻撃で、人間嘘発見器成瀬ら面々は断崖に追いつめられた! 必死に火尻の急所を探る四人組に、やがて絶体絶命のカウントダウンが! 人気シリーズ、九年ぶりの最新作!



    9年前とかわらない4人のギャングです。
    わたしの好きな成瀬も健在です。
    今回は、あくどい記者に銀行強盗の招待がバレてしまい、記者に成瀬たちが強請られるという内容です。

    響野のしゃべりと、雪子の運転技術は健在でしたが、今回は久遠のスリの場面がなかったように思います。
    前作まではあまり強調されていなかった、久遠の動物好きも今回から詳しく描写されるようになったようです。
    久遠の動物好きが、今回の事件を解決するための糸口となります。

    成瀬と響野の軽快な掛け合いがあり、成瀬の冷静な対応があり、前作の良い所をきちんと踏襲しているところが伊坂幸太郎らしかったです。

    また続きを読みたいです。

  • 2016/05/12(木)
  • 陽気なギャングの日常と襲撃 伊坂幸太郎

    読んだのは2回目です。

    陽気なギャングが地球を回す日常の週元気


    嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、正確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇――天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス! 文庫化記念ボーナス短編付き!



    前回の陽気なギャングが地球を回すにつづき、読みました。

    嘘を見抜く名人、成瀬。天才スリ、久遠。演説の達人、今日の。精確な体内時計を持つ女、雪子。4人がそれぞれ、異なった事件に遭遇します。
    それぞれが独立した事件のように思えますが、そこは伊坂幸太郎、最後にきっちりとすべてが繋がって、事件は収束に向かっていきます。

    最後には、ボーナス・トラックが収録されていて、久遠が相手のポケットからスるのではなく、なにかを入れるところがグッときました。

    伊坂幸太郎の代表作です。是非読んで下さい。

  • 2016/04/12(火)
  • 陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎

    読んだのは2回目です。

    前回読んだのは、2010/10でした。
    あれから5年以上たって、改めて読み返すと伊坂幸太郎のすごさがわかりました。
    陽気なギャングが地球を回す


    嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。ハイテンポな都会派サスペンス!

    内容を完全にわすれていたので、新鮮な気持ちで読めました。
    伊坂幸太郎の特徴として、すこし変わったキャラクターを淡々と、さらっと描写してくれることがあります。
    この小説では、うそを見抜くことができる「成瀬」など、面白いキャラクターをさらっと描いてくれます。

    物語の前半に沢山の伏線が貼られており、それが後半でことごとく回収される感じも伊坂幸太郎の特徴といえます。

    この「伏線が回収される感」が伊坂幸太郎の真骨頂だと、再認識しました。

  • 2015/10/20(火)
  • あるギング 伊坂幸太郎

    あるキング

    伊坂幸太郎です。

    ガソリン生活につづいて、不思議な小説を読みました。

    山田王求。プロ野球チーム「仙醍キングス」を愛してやまない両親に育てられた彼は、超人的才能を生かし野球選手となる。本当の「天才」が現れたとき、人は“それ”をどう受け取るのか――。群像劇の手法で王を描いた雑誌版。シェイクスピアを軸に寓話的色彩を強めた単行本版。伊坂ユーモアたっぷりの文庫版。

    わたしが読んだのは、電子書籍だったので、どの版だったのか。。。わかりません。

    この作品は従来の伊坂作品とは違って、些か挑戦的な内容になっています。
    物語は、3部からなりますが、それぞれがある自分物からの3人称の視点から書かれています。

    シェイクスピアのマクベスへのオマージュか、Fair is foul, and foul is fair.
    という文章が何回も出てきます。

    きれいは汚い、汚いはきれい。

    いいは悪いで、悪いはいい。

    輝く光は深い闇よ、深い闇は輝く光よ、

    などいろいろな解釈ができる、Fair is foul, and foul is fair. を中心に物語が展開していきます。

    山田王求(おうく)という天才的な野球の才能をもった男の0歳から23歳が時系列にかかれます。
    彼は飄々と生きていくのですが、彼を取り巻く人物たちがさまざまな事件をおこし、王求を巻き込んでいきます。
    そして、すこし尻切れトンボな状態で物語は終わっていきます。次の世代に引き継がれたような終わり方ですが、、、

    なんとなく伏線が回収されずに終わった感がありました。

  • 2015/10/16(金)
  • ガソリン生活 伊坂幸太郎

    ガソリン生活

    伊坂幸太郎です。
    不思議なお話です。

    大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に、偶然会った女優の翠を目的地へ送り届けることに。だが翌日、翠は事故死する。本当に事故だったのか? 良夫とその弟で大人びた小学5年生の亨は、翠を追いかけ回していた芸能記者・玉田と知り合い、事件に首を突っ込み始める。姉、母まで望月一家が巻き込まれて、謎は広がるばかり――。
    朝日新聞夕刊の人気連載が待望の単行本化。物語の語り手はなんと本邦初!?の「車」。町を走る様々な車たちの楽しいおしゃべりが全編にさんざめく、前代未聞のユーモアミステリーにして、のんきな長男・大人びた弟…と個性的なキャラが揃った家族の暖かいエピソードに溢れた、チャーミングで愛すべき長編家族小説!


    物語の語り手は、なんと「車」です。緑色のデミオが全編を通して、内容を語ります。
    デミオは乗せた人間の話すことを聞くことができて、話の内容も理解できる。それだけではなくて、となりに駐車して車や、すれ違った車とも話をすることができて、車同士の話の内容は人間たちにはわからないという設定。

    非常に面白いです。
    語り手がデミオなので、デミオの車内で交われた会話や、デミオの周囲で交わされた会話のみで話が進んでいきます。
    となりの家のカローラも、いろいろなことを体験してきて、デミオに情報を提供します。

    不思議な事に、これだけで話が展開して、ミステリーの要素があって、いろいろな小ネタがあって、それらが実は全部つながっていて、最後には回収されて、という伊坂幸太郎ワールドが完結してしまいます。

    伊坂氏の新境地をみたような気がしますが、本当は従来の伊坂作品の作り方を踏襲されており、非常に読みやすいものになっています。心地よい読後感があります。

  • 2015/09/22(火)
  • 仙台ぐらし 伊坂幸太郎

    仙台ぐらし伊坂幸太郎

    タクシーが、見知らぬ知人が、ずうずうしい猫が、多すぎる。タクシー運転手が嘆く不景気の元凶は何か、喫茶店で執筆中にやたらと話しかけてくるおじさんは誰なのか、どうすれば自分の庭に猫が糞をしなくなるか。仙台に暮らす心配性の著者が、身の回りで起きたちょっとおかしな出来事を綴る。2005年から2015年までに書き溜められたエッセイ集。短篇小説「ブックモビール」も収録。(Amazonより)


    わたしの好きな作家、伊坂幸太郎のエッセイです。
    エッセイは得意ではないという氏ですが、リラックスした文章で大変読みやすいです。スラスラと読めました。

    「◯◯が多すぎる」というタイトルで縛って、仙台に暮らしながら思うことを書いています。

    タクシーが多すぎるや、見知らぬ知人が多すぎる、など半年に一度のペースで、仙台学というタウン誌に連載されたエッセイです。

    そのなかで、2009年4月に書かれた、「心配事が多すぎる」は伊坂幸太郎氏自身が過度の心配性でどうにも困っているという事実が書いてあります。
    2009年の時点で、「宮城県沖地震」が来ることを心配しているのです。仙台市のHPに37年周期で地震がきていることや、次の地震は2015年頃だととかが書いてあり、とても心配だという内容です。

    そして、2011年3月に東日本大震災がやってくるのですが、そのあとにも氏はエッセイを書いています。
    結果的に地震を心配していたことは正解だったが、あれほどまでにひどい地震だとは思っていなかった。と書いてあります。
    大震災のときは、氏は仙台駅の喫茶店で仕事をしており、すぐに仙台駅のそとにでたそうです。
    地面の下に住んでいる魔物が暴れだしたかのような揺れで、ただただ「早く揺れが止まってくれ」と祈るしか無かったと綴っています。

    その後、復興に向かって歩いている仙台の人たちをみて、自分もがんばらねばと奮い立ちます。
    エッセイの最後は、
    「僕は、楽しい話を書きたい。」
    で締めくくってあります。

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